サーブらしいオールターボのエンジンラインナップ

2009年に当時の親会社であったGMが経営破綻、翌年オランダのスパイカー・カーズへ売却された、サーブ・オートモービル。あらたにサーブ・スパイカー・オートモービルズとしての再出発第1弾モデルとして昨年欧州デビューを飾った最上級モデル、9-5が日本での発売を開始した。

あたらしくなった9-5 セダンは、設計と大部分の開発と生産がサーブの本社工場があるスウェーデンのトロールハッタンでおこなわれ、サーブらしく、“オールターボ”のエンジンラインナップで展開される。

日本市場への輸入は、以前はゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン社がおこなっていたが、親会社の変更にともない、ピーシーアイがおこなうことになった。このピーシーアイはVTホールディングス傘下の企業で、ケーターハムやランドローバー・ディフェンダーなどを取り扱っている。販売については、ヤナセが担当する。

取り扱いグレードは、ベクター（FF、XWD＝サーブにおける4輪駆動の意味）とエアロ（XWD）の3グレード。ベクターに搭載されるのは最高出力162kWの2リッター直4ターボ、上位モデルであるエアロには、最高出力221kWの2.8リッターV6が与えられ、トランスミッションはすべて6段ATとなる。

よりワイドにダイナミックなデザインに

デザインにかんしては、エクステリアは2006年のジュネーブモーターショーで発表されたコンセプトモデル、エアロXの流れを受けたクリーンで彫刻的なラインが特徴的なデザイン。インテリアでは、全長5メートルを超えるボディサイズをうけ、フロント、リアともに足もとの空間がかなり広くなっている。奥行きのあるセンターコンソールからドライバーをまわりこむようにメインインストゥルメントパネルへとつづき、その上部にはベンチレーショングリルが配置。スタート／ストップボタン式となったイグニッションは、従来どおり、運転席と助手席のあいだのシフトレバー横に配置され、ヘッドアップディスプレイ（パイロット HUD）、フロントガラスに映し出される。

装備面では、アダプティブライティング（バイキセノン・スマートビーム）、アダプティブシャーシコントロール、2ゾーンエアコン、ダイナミックパーキングアシスタンス、リアに電子制御LSDを組み込んだ「サーブXWD」システムなど。インフォテイメントシステムには、ハーマンカードン製サラウンドサウンドオーディオシステムを採用。後部座席から専用のオーディオにアクセスしたり、 DVDを楽しむこともできるという。センターコンソール背面のリアシート用エンターテイメントユニットにはオーディオのスイッチ類が備わり、フロントシート背面には開閉式のディスプレイが内蔵される。

SAAB 9-5 Sedan Aero｜サーブ 9-5 セダン Aero
ボディサイズ｜全長5,008×全幅1,868×全高1,467mm
ホイールベース｜2,837mm
エンジン｜2.8リッター DOHCツインスクロール・ターボ V型6気筒
トランスミッション｜6速AT（アクティブセレクトつき）
最高出力｜221kW （300bhp）/5,500rpm
最大トルク｜400Nm（40.8kgm）/2,000rpm
燃費｜16.2ℓ/100km
CO2排出量｜374g/km
乗車定員｜5名
駆動方式｜4WD
価格｜695万円

SAAB 9-5 Sedan Vetor｜サーブ 9-5 セダン Vector
ボディサイズ｜全長5,008×全幅1,868×全高1,467mm
ホイールベース｜2,837mm
エンジン｜2.0リッター DOHCツインスクロール・ターボ 直列4気筒
トランスミッション｜6速AT
最高出力｜162kW （220bhp）/5,300 rpm
最大トルク｜350Nm（35.7kgm）/2,500rpm
燃費｜13.5ℓ/100km
CO2排出量｜310g/km
乗車定員｜5名
駆動方式｜4WD／前輪駆動
価格｜640万円（前輪駆動モデルは580万円）