ベントレー、コンセプトカー「EXP 10 スピード 6」を発表|Bentley
CAR / MOTOR SHOW
2015年3月5日

ベントレー、コンセプトカー「EXP 10 スピード 6」を発表|Bentley

Bentley EXP 10 Speed 6 |ベントレー EXP 10 スピード 6

ベントレー、コンセプトカー「EXP 10 スピード 6」を発表

ベントレーは、スイスで開催中のジュネーブモーターショーで、2シータースポーツのコンセプトカー「EXP 10 スピード 6」を発表。今後のベントレーの方向性を提示した。突如現れたこの謎のモデルを武田公実氏が解説。

Text by TAKEDA Hiromi

ブリティッシュグリーンはさらに濃く

今年のジュネーブショーにおけるベントレーブースでは、既にOPENERSでもお伝えしたとおり、「コンチネンタル GTシリーズ」と「フライングスパー」の2016年モデルが初お披露目されることになっていた。

ところが開幕前夜、3月2日に開催されたプレビューイベント「フォルクスワーゲングループナイト」にて、一台の魅力溢れるコンセプトカーがサプライズデビュー。早くも世界中のスポーツカーファンを、まさしく興奮のるつぼへと叩き込んでいる。

ベントレーが突然のごとく発表したコンセプト「EXP 10 スピード 6」。そのエクステリアは、ベントレーの伝統的要素を現代的にアレンジしているのが特徴である。その点についてはこれまで世界的ヒット作と博してきた初代、2代目コンチネンタルGTと変わらないのだが、このコンセプトカーではさらに先鋭的なスタイリングとされている。

[caption id="attachment_923820" align="alignnone" width="327"]Bentley EXP 10 Speed 6 |ベントレー EXP 10 スピード6

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航空機の胴体と主翼の空力形状を参考にしたというボディは、シャープなラインと滑らかな曲面を調和。ねじれたようなデザインでスピード感を表現したという。オーバーハングを短めにしたロングノーズを組み合わせたフロントは、ラジエーターグリルを低めに設定。リア形状は長めのCピラーでワイドさを強調することで、高性能を予感させるアピアランスに仕上げられている。

また、ひと目でベントレーと分かる「マトリックスグリル」や4灯の丸目ヘッドライトに採り入れた新デザインにくわえて、英国のモータースポーツ史における伝統たるブリティッシュグリーンはさらに濃く、鮮やかなメタリックとなったエクステリアカラーに至るまで、往年のベントレーの名作たちモチーフとした魅力的で現代的なアイデアが随所にちりばめられている。

Bentley EXP 10 Speed 6 |ベントレー EXP 10 スピード 6

ベントレー、コンセプトカー「EXP 10 スピード 6」を発表 (2)

ベントレーの方程式から一歩踏み出す

いっぽう2シーターのキャビンでは、コンソールからドアへと流れるライン、あるいはコンソールのアームレストにつながり、キャビンを取り囲むように構成された切れ目のないラインが特徴だ。

また、アルミと銅とサクラ材で仕上げたシフトノブやスイッチ類などに施されたローレット加工には、スチールと銅の2種類の金属を使用した3Dテクスチャーが採用され、オーセンティックななかにもアヴァンギャルド的な要素を巧みに忍ばせている。

そして12インチの大型タッチスクリーンをセンターコンソールに備えるいっぽうで、ストレートグレイン(柾目)のサクラ材や、キルト模様の入ったレザーハイドでゴージャスかつレーシーな雰囲気とするなど、未来的要素とクラフトマンシップを融合させた造りになっている。

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くわえて、ベントレーとしてははじめてイタリアのポルトローナ・フラウ社製レザーハイドが採用されるなど、インテリアにおいてもこれまでのベントレーの方程式から一歩踏み出した一台といえる。

ベントレー モータースのウォルフガング・デュルハイマー会長兼CEOは、EXP 10 スピード 6の発表に際して、「これは我々ベントレーが目指す未来像のひとつ、パワフルで優雅で個性溢れるクルマというコンセプトをかたちにしたものです。2シーターの超高級スポーツカーとして最高峰のモデルとなり得るクルマであり、ドライバーを主体とした胸躍るような性能、そして近代ベントレーのトレードマークであるラグジュアリーとエフォートレス(努力いらず)な走りを実現します」と語る。

Bentley EXP 10 Speed 6 |ベントレー EXP 10 スピード 6

ベントレー、コンセプトカー「EXP 10 スピード 6」を発表 (3)

高性能ハイブリッドのポテンシャル

さらにデュルハイマー会長は、EXP 10 スピード 6の将来についても、こう示唆している。「このクルマが将来、コンチネンタルGTと肩を並べるようなあらたなカーラインナップとなる可能性もありますし、そうなれば、このセグメントの頂点を極めるニューフェイスとなることでしょう。またEXP 10 スピード 6のスタイリングは、ベントレーの既存モデルにも大きな影響を与えることになるであろうと考えています。スポーツカーのあたらしいコンセプトモデルというだけでなく、ベントレーのスポーツカーの将来像であり、未来を見据えた当ブランドの大胆なビジョンを示すクルマなのです」と。

ここでヒストリック・ベントレーを愛してやまない筆者が気になるのは、ネーミングである。「Speed 6」とはベントレーの開祖、W.O.ベントレー時代に当たる1926年に登場した「6 1/2 Litre」の高性能版に授けられた名称で、“6”は「6気筒」を意味していたとされる。

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少なくとも現時点では、搭載されるパワーユニットなどのメカニズムについて何らの発表はされていないのだが、フォルクスワーゲングループナイトで配布されたリリースには、極めて興味深い文言が含まれていた。

「このコンセプトカーの新パワートレインが秘めた、高性能ハイブリッドのポテンシャルに期待が膨らみます。最高速度をはじめとする目標性能はライバル車を大きく引き離し、このセグメントのあらたなベンチマークとなる見込みです」。つまりEXP 10 スピード 6はハイブリッドを想定し、しかも世界最速クラスにチャレンジしようとしているのである。

1920‐30年代、ル・マン24時間レースをはじめとするヨーロッパ中のスポーツカーレースを制覇したW.O.時代のベントレーのごとく、ラジエーターグリルにカーナンバーが大きく描きこまれた「EXP 10 スピード 6」。

ベントレーの血統を受け継ぎ、新世代のベントレーを導くことになるであろう、あらたなコンセプトカーの動向に、今後も注目していきたい。

           
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