利用提案のひとつとしての、移動式リペア＆レストアショップ

「ギブソン NV200 モバイル リペア＆レストレーション」は、その名前のとおり、日産のミニバン「NV200」（日本名、「NV200 バネット」）をベースに、ギブソンとコラボレーションしたクルマ。

ベースとなる「NV200 Compact Cargo Van」は、最高出力131psを発揮する2リッター直列4気筒エンジンに、エクストロニックCVTを組みあわせ、米国での燃費は24MPG（およそ10.2km/ℓ）をほこる、商用バン。53インチ（≒135cm）の高さをもつカーゴスペースは、容積では122.7立方フィート（≒3.47立方メートル）あり、最大で1,500ポンド（≒680kg）の積載が可能だ。

荷室には、引出式のテーブルが格納され、そのなかに職人たちがギターのリペアに使用するツールやパーツがおさめられている。また、フロントシートのすぐ背後には、ギターを4本まで収容できるラックが設置される。

車両のオーディオシステムには、北米においてはギブソンの傘下であるオンキョーのサウンドシステムを搭載。フロントのシートも、ギブソンのアコースティック ギターにもちいられるウッドとおなじカラーでしつらえられている。

エクステリアには、ボディの片面に「Gibson Repair & Restoration」、もう片面には「Gibson Pro Audio」という文字、さらにギブソンのギターが描かれている。

ギブソン社にとってみて、このクルマは、テネシー州ナッシュヴィルにある「ギブソン リペア＆レストレーション」の出張版ともいえる。また日産では、NV200 Compact Cargo Vanをつかった、商用利用における提案のひとつということだ。

ギブソン社のCEO、ヘンリー・ジャスコヴィッツ氏は「このコンパクトなNV200 Compact Cargo Vanは、街なかの音楽会場や混雑する野外コンサートといった場所の限られた会場にも入り込めるので、理想的なクルマといえます。広いカーゴベイには標準でフックが取り付けられるようになっており、ギター職人にとってもカスタマイズしやすいです」と語っている。

いっぽうの北米日産でも、「（北米）日産とギブソンは、ともにテネシーをベースとする企業であり、ひろく流通しながらもユーザーを豊かにするプロダクトを製造している。何年も一緒に何かできないか模索していたが、NV200 Compact Cargo Vanの発売を機に実現した。これから先のコラボレーションも楽しみにしている」と、商用車部門副社長ジョー・カステリ氏が語り、両社の今後の展開も示唆した。