CITROEN DS3 | シトロエン DS3 試乗レポート(ミニカープレゼント!)
CAR / IMPRESSION
2015年3月6日

CITROEN DS3 | シトロエン DS3 試乗レポート(ミニカープレゼント!)

CITROEN DS3|シトロエン DS3

デザインコンシャスな新型の乗り心地とは?(1)

過去の価値観に囚われず、あたらしい価値観をもって誕生したクルマ DS3。ボディとルーフのカラーコーディネートが可能な「ビークル・パーソナリゼーション」など、デザイン面が取りざたされる同モデルの試乗会に小川フミオ氏が参加した。

文=小川フミオ写真=高橋信宏

クリエイティブ・テクノロジーの象徴

シトロエンの新型2ドアコンパクトクーペ DS3。斬新なデザインにくわえ、クラス最大級の室内スペース、ボディ色やルーフ色の豊富な組み合わせを楽しめる「ビークル・パーソナリゼーション」など注目すべき要素を、たくさんもったモデルだ。

シトロエンDS3は2009年秋に発表された新型車。4メートルを切る全長の車体に、1.6リッターエンジンを搭載する前輪駆動モデルだ。日本では2本立ての展開になる。156psのターボエンジンに6段マニュアルトランスミッションを組み合わせた「スポーツシック」(269万円)と、120psのノンターボユニットに4段オートマチックの「シック」(249万円)。

DSとはシトロエンのあたらしいラインに与えられたネーミングで、「クリエイティブ・テクノロジーの象徴」とシトロエン・ジャポンでは説明する。たとえばDS3の場合、「小さくて上質、スポーティで楽しい」といった要素が盛り込まれている。このあと2011年にはDS4、2012年にはDS5といったモデルの投入も予定されているそうだ。

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性格の異なるシックとスポーツシック

ライトを点灯しないときは、フロントグリルの両脇に縦に並んだLEDランプが常時点灯する仕掛けもおもしろいDS3。運転した感覚は外観から想像されるとおりで活発で楽しい。シックはどちらかというと市街地を気持ちよく走りたいユーザー向けだが、スポーツシックは高速道路もワインディングロードも楽しみたいというアクティブなドライバーに向いている。

スポーツシックはバケットシートに、凝った形状のステアリングホイールで、ドライバーの「やる気」を煽ってくれる。実際、走り出しから俊敏で、エンジン回転が2,500rpmを超えるあたりから、ターボが効きはじめるのだろう、トルクがもりもり出てくる感覚がある。ただターボチャージャーが回りはじめる領域への移行はスムーズで、洗練されている。

6段マニュアルトランスミッションのシフトフィールは良好。各ギア間の距離もけっして大きくなく、ほどよいスポーツ感覚を楽しめる。大きめのノブは手の平に気持ちよくおさまる形状だ。なによりいいのは、BMWと共同開発した1.6リッターエンジンのおいしいところをあまさず味わえる点だ。マニュアルシフトで、低回転域から中回転域での太いトルクバンドをしっかり使いながら操縦するのは、これは内燃機関を搭載したクルマならではの知的な楽しみだとあらためて思わせられた。

CITROEN DS3|シトロエン DS3

デザインコンシャスな新型の乗り心地とは?(2)

スポーティさと快適さの適度なバランス

乗り心地はやや堅め。ステアリングへの反応は、シックの16インチに対してスポーツシックは17インチタイヤが標準となるせいか、よりするどく、スポーティな印象が強い。高速ではややごつごつ感を感じないでもないが、ダンピングがよく効いた乗り心地は、けっして悪くない。驚くほどの加速性と高速走行性能を考えると、スポーティさと快適さのちょうどよい妥協点といえるかもしれない。

ワインディングロードはDS3の美質をたっぷり味わえる場所だ。軽めの設定のステアリングホイールは操作感がよいうえに、車体の反応速度は速い。ロールの少ないサスペンション設定で、多少とばしてもラインどりは容易。トルクがゆたかなエンジンなので、きついコーナーからの脱出速度も速い。フランスにしてもイタリアにしても、山岳地帯をもつ国のクルマは、ワインディングロードでその楽しさが強く輝く。DS3は都会的な印象も強いが、オールマイティな性能を有している。

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ボディやシートなどが19通りも組み合わせ可能

DS3のライバルというとMINIがすぐ思いつく。MINIも先ごろマイナーチェンジを受けて従来の1.4リッターから、DS3と同様の1.6リッターユニットを搭載するようになった。ふだんは1人か2人で乗ることが多いひとにとって、2ドア車はスタイリッシュで好ましい乗りものだ。そんな嗜好をもつひとにとって、シトロエンが作りあげたDS3は魅力的な1台だろう。

DS3ではビークル・パーソナリゼーションというコンセプトが採用された。ボディ、ルーフ、サイドミラー、ダッシュボード、ロードホイール、シートといったパーツに豊富な種類を用意し、それを比較的自由に組み合わせることを謳っている。シトロエン・ジャポンによると、日本では19の組み合わせが可能という。

DS3の広告におけるキーコンセプトは、アンチ・レトロ。一部の自動車メーカーが採用している過去のヒット作を現代ふうにアレンジするというモデル開発へのアンチテーゼだ。車名になっているDSは1955年に発表されたシトロエンの高級セダンからとられたもの。ただし2009年のDS3が車名とともに引き継いだのは、フローティングルーフと呼ばれるルーフのデザインコンセプトのみだ。もうひとつあるとすれば、先鋭的な存在感だろうか。本国のテレビ広告では、ジョン・レノンやマリリン・モンローといった時代のアイコンが登場して、過去は過去、あたらしいことに挑戦しよう、と語る映像が使われている。その言葉の裏づけがDS3。説得力のある製品に仕上がっている。

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CITROEN DS3 Chic|シトロエン DS3 シック
ボディ|全長3,965×全幅1,715×全高1,455mm
ホイールベース|2,455mm
車両重量|1,180kg
エンジン|1,598cc 直列4気筒DOHC
最高出力|88kW(120ps)/6,000rpm
最大トルク|160Nm(16.3kgm)/4,250rpm
トランスミッション|4速AT
タイヤ|195/55 R16
価格|249万円(レザーパッケージは+23万円)

CITROEN DS3 Sports Chic|シトロエン DS3 スポーツシック
ボディ|全長3,965×全幅1,715×全高1,455mm
ホイールベース|2,455mm
車両重量|1,190kg
エンジン|1,598cc ターボチャージャー付き直列4気筒DOHC
最高出力|115kW(156ps)/6,000rpm
最大トルク|240Nm(24.5kgm)/1,400-3,500rpm
トランスミッション|6速MT
タイヤ|205/45 R17
価格|269万円(レザーパッケージは+18万円)

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