ベントレー コンチネンタルGTコンバーチブルに試乗|Bentley
CAR / IMPRESSION
2019年5月7日

ベントレー コンチネンタルGTコンバーチブルに試乗|Bentley

Bentley Continental GT Convertible|ベントレー コンチネンタル GT コンバーチブル

これぞ本当のラグジュアリー

2017年にデビューした3代目コンチネンタルGTのオープントップ版として、2018年11月に登場したコンチネンタル GT コンバーチブルに、モータージャーナリストの九島辰也氏がスペインはアンダルシアで試乗した。

Text by KUSHIMA Tatsuya

ネーミングの起源は1950年代の「コンチネンタルR」

これが本当のラグジュアリー。そう思わせられるニューモデルの国際試乗会に参加した。ベントレー「コンチネンタルGTコンバーチブル」の登場である。

場所はスペインの南部、アンダルシア州。ジブラルタル海峡に面したマラガを起点に行われた。温暖な地中海気候のリゾート地として有名なコスタ・デル・ソルの中心地である。

コースは、そこから高速道路やワインディングを走りながら北上し、アンダルシア州の州都であるセビリアをゴールとしたもの。15、16世紀のムスクやカトリックの大聖堂が立ち並ぶセビリアは、まさに古都の中の古都。夕暮れ時に街を散策するとまるでタイムスリップしたような気分になる。蹄の音をさせてゆっくりと横を通る馬車に思わず立ちすくんでしまった。

試乗コースの行程はおよそ400kmだった。こういった国際試乗会としては長い距離だ。というのも、コンチネンタルGTのネーミングの起源は1950年代の「コンチネンタルR」であり、文字通り大陸を走るという意味を持つ。英国人にとっての大陸とは、もちろんヨーロッパのこと。そこで今回は大陸の一部であるスペインをロングツーリングするというコンテンツが用意された。

試乗車は、昨年リリースされたクーペボディのコンチネンタルGTのオープントップ版だ。電動式のソフトトップを備え、50km/h以下であれば走行中でも開閉できる。まぁ、この辺りの機能はヨーロッパ車では一般的だろう。急に雨に降られても道端に停車スペースを探すことなく、減速すれば屋根を閉められる。

Bentley Continental GT Convertible|ベントレー コンチネンタル GT コンバーチブル

これぞ本当のラグジュアリー(2)

スポーツカーブランドとしてのベントレー

エンジンはおなじみ6リッターW12ツインターボで、最高出力635ps、最大トルク900Nmを発生させる。この数値は、もはやスーパーカーの領域としか言いようがない。アクセルに対するパワーの出方は尋常ではなく、低回転域からタービンが動き出しスタートダッシュから全速度域で容赦ない加速をみせる。

ハンドリングも素晴らしい。ドライバーのステアリング操作に対してボディがキッチリと追従する。屋根のない分、クーペよりもボディ剛性は若干落ちるであろうが、それを感じさせない堅牢さがある。このあたりはベントレーがスポーツカーブランドであることの左証だといえるだろう。

日本ではロールスロイスと同じような高級車ブランドととらえられがちだが、ベントレーはそもそもスポーツカーブランドとして誕生した。1920年代のル・マン24時間レースでの活躍は今でも伝説となっている。よってパワーとハンドリングにこだわるのは必然なのだ。

Bentley Continental GT Convertible|ベントレー コンチネンタル GT コンバーチブル

これぞ本当のラグジュアリー(3)

インテリアに英国ハイブランドの真価を感じる

ところで、冒頭で“本当のラグジュアリー”と書いた。それはエクステリアデザインにも、走りにも言えることだが、実はインテリアに乗り込んだ時に最も強く感じた。

ダッシュボードに貼られたリアルウッドの美しさ、ダイヤモンドステッチがゴージャスな雰囲気をもたらすレザーシート、見た目だけではない触った感覚から使い勝手の良さを感じさせるスイッチ類など。このあたりの仕上がりは、同じ価格帯のドイツ車やイタリア車を上回るだろう。英国ハイブランドの真価を感じる。

そういうラグジュアリーな空間に包まれながらオープントップでアンダルシアを走る。まさに今回のテストドライブをリアルラグジュアリーと言わずにはいられない。サンタモニカやマイアミビーチを走ることよりもずっとぜいたくに思えた。今年100周年を迎えるベントレーと何世紀も人々が暮らしている古都とのマッチングは絶妙で、神秘的でさえあった。

インテリアについてもう少し言うと、ダッシュボードのパネルは8種類、カーペットとトリムレベルはともに15種類あるそうだ。もちろん、英国車らしくビスポークもできるから正確には無限のパターンがあるといっても過言ではない。それとソフトトップのカラーバリエーションが今回7種類あるのも見逃せない。中には英国らしいツイード柄もある。

今回のコンチネンタルGTコンバーチブルは、もはやスペックでは語れないクルマなのだ。最大の魅力は、あるのはベントレーが長年世界中の貴族やセレビリティと付き合ってきたことから生まれた世界観だ。オープンカーはぜいたくな乗り物である。いやいや、ぜいたくな世界からオープンカーは生まれたに違いない。そんなことを感じた400kmのドライブであった。

問い合わせ先

ベントレーコール

0120-97-7797

           
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