ランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏にインタビュー|Lamborghini
Lamborghini|ランボルギーニ
ステファノ・ドメニカリ CEOが語る、
ランボルギーニの今と将来
ニュルブルクリンク量産車最速タイムを記録した最新スーパースポーツモデル「アヴェンタドールSVJ」のアジアプレミアムを兼ねたイベント「ランボルギーニ デイ ジャパン2018」が11月21日、神奈川県横浜市の「横浜スーパーファクトリー」で開催された。発表会を終えたばかりのステファノ・ドメニカリ CEOにインタビューし、ランボルギーニブランドの今と将来について聞いた。
Text & Photographs by HARA Akira
今年は飛躍の年、将来もポジティブに捉えている
オーケイ!の一声でスタートしたステファノ・ドメニカリ CEOのインタビュー。スーパースポーツカー部門の現状と未来から話は始まった。
「ランボルギーニは今販売が絶好調。本当によくやっています。ベリーベリーグッド! そして将来のスーパースポーツカーブランドについてはとてもポジティブに捉えています。カーシェアリング構想を打ち出すトヨタやフォルクスワーゲンなどの量販ブランドと違い、我々のユーザーの意識は、スペシャルなプロダクト、スペシャルなドライビング、そして周りから見られたい、という要求のもと、ランボルギーニを購入なさるのです。そうした特別なブランドを買われるわけですから、ニッチ部門と言えるスーパースポーツカーの将来を考える上でも、とてもポジティブだと確信しています」
―― 2018年には日本で500台以上、世界でもたくさん売れています。特別なブランドを欲しがる方は、街中で同じクルマとすれ違うのを嫌がると思います。たくさん作ればいいというわけではないとすると、適正な台数はどれくらいでしょうか。
「ランボルギーニにとっては、ブランドの価値として“エクスクルーシブ”というものが、譲れない成功の鍵であると考えます。それを量的なバランスとどうとっていくか、いろいろな要因があります。例えば今年ローンチしたスーパーSUVの「ウルス」は、どれくらい成長するのかはまだわからない。見えていない部分があります。一方安定的な成長を見せているのが、「アヴェンタドール」や「ウラカン」などのスポーツカーです。
ウルスについては来年は数字的にもフルに貢献してくれるはずで、そうなるとスーパーSUVがどの方向に行くのかハッキリします。それを鑑み、モニターしながら安定的成長を目指していきます。単にボリュームを追うのではなく、適切なバランスを取っていくのです。だいたい数年先には7,500〜8,000台を目指したい。それを達成したら新しいモデル(V12ハイブリッドモデル?)を導入し、それを持って将来的に1万台を達成できたらいいなと思っています。再び言いますが、エクスクルーシブは忘れてはいけません」
Page 2.日本というマーケットに対して敬意を払いたい
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ステファノ・ドメニカリ CEOが語る、
ランボルギーニの今と将来 (2)
日本というマーケットに対して敬意を払いたい
―― 日本でランボルギーニの人気が高い理由はなぜでしょうか。
「ランボルギーニはうれしいことに、日本ではずっと安定的な人気を保っています。理由としては、“Made in ITARY”という文化的側面です。そのデザイン、テクノロジー、パーソナリティという3つの要素に惹かれて買ってくれています。イタリアのカラーや価値観、あとは、ちょっと違うものを求める方に受け入れられています」
―― ランボルギーニでは、若者をターゲットとしたイベントやSNSで、広い層に渡ってアピールを続けています。例えば今年10月に渋谷で開催されたランボルギーニ初の音楽イベント「ランボルギーニ ナイト」には、オーナーだけでなく一般の人たちも集まり長蛇の列ができていました。そうした渋谷に集まるような若者たちに対して、ファッションアイコンとしてのブランド戦略はあるのでしょうか。
「私たちのお客様は、どんどん若返りしています。とてもアイコニックなインスピレーションをインスパイアするブランドになりつつあります。若い方に向けてのSNSコンテンツを数多く届けています。一例としてインスタグラムのフォロワーは、1年間で260万人から530万人まで増えました。
また、渋谷でのイベントも大成功でした。世界でも同じようなイベントをやっていて、米ペブルビーチでのイベントも、クールな場所、クールなイベントだからということで大人気でした。それを見て私たちも非常にモチベーションが上がりました。若い世代にも耳を傾け、同じ言葉、同じ言語で喋っていくということです。彼らは道具としてのクルマには興味を持ちません。私たちはもっとクルマ以上の何か、自分自身を表現できるような何かを提供していると思っています」
―― アパレル部門のコレツィオーネ アウトモビリ ランボルギーニについてはどう受け止めていますか。
「コレツィオーネはとても良い状況にあります。私たちのブランドの価値をさらに向上させるものとして、成長させたいと考えています。ユーザーにとって、クルマだけでなく、ブランドを日々身近に感じてもらうためにアパレルも拡大したいなと思っています。そしてその絆を深くしていきたいと考えます」
―― ランボルギーニ デイ ジャパンというイベントについて一言いただけますか。
「日本というマーケットに対して敬意を払いたいということと、ユーザーの情熱に応えたいという気持ちで開催しています。昨年は東京、今年は横浜、来年の準備ももう始まっていて、もしかしたら大阪で開くかもしれません。これにより、日本の皆様がランボルギーニのコミュニティの一員であると思っていただきたいのです。今日は、150台以上のランボルギーニ車、300人以上のお客様に会えることを楽しみにしています。情熱、熱気、ワクワク感が溢れた会場になると思っています。ランボルギーニらしく、運転だけでなく熱気も同時に提供できるようなブランドでありたいのです。サンキュー! ありがとうございました(日本語で)」