Lamborghini Estoque|ランボルギーニ初の4ドアセダン「エストック・コンセプト」発表
ランボルギーニ初の4人乗り4ドアセダン
エストック・コンセプト」発表
謎のランボルギーニの正体は、同ブランド初の4ドア・4シーターセダンだった──開幕したパリモーターショウで、「Lamborghini Estoque Concept(ランボルギーニ・エストック・コンセプト)」がヴェールを脱いだ。4年以内の市販化を目指すとされ、既存の「ムルシエラゴ」「ガヤルド」とともにラインナップを構成する見込みだ。
スーパーカーブランドとして世に知られるアウディ傘下のランボルギーニが、新たな市場を求め、はじめての4人乗り4ドアセダンのコンセプトモデルを発表した。その名は「Estoque(エストック)」。ネーミングは伝統にならい、マタドールが闘牛に用いる剣に由来する(なおスペイン語読みにすると「エストーケ」が近い)。
ボディサイズは、全長5150×全幅1990×全高1350mm。5mを超える堂々とした体躯だが、高さを抑えスポーツカー然としたフォルムをかたちづくる。4人が快適に乗れるよう、ホイールベースを3010mmと広めに設定。スポーツカーにたいするきわめて今日的なディマンド、使い勝手や快適性にも配慮している。プレスリリースで謳われるキャッチフレーズは、ずばり「Everyday Sports Car」。
デザインセンターである「チェントロ・スティーレ・ランボルギーニ」による意匠は“イタリアン”を意識したものとされ、強豪ポルシェの「パナメーラ」(2009年発売予定)らドイツ勢との差別化をはかる。
限定スペシャルモデル「レヴェントン」を彷彿とさせる戦闘機のような面構えに、LEDフロントランプからボンネットにかけてのシャープなライン、楔のようなサイドの流れ、肉づきのいいリアホイールアーチ、そして彫刻のようなリアエンドと、巨大なキャンバスを存分につかったデザインがなされる。
エンジンは、「ガヤルドLP 560-4」に搭載される、560psを発生する5.2リッターV10。ゆくゆくはハイブリッドシステムを組み合わせるV8、あるいはディーゼルも載せたいとしている。駆動方式は他のモデル同様に四輪駆動だが、エンジンはリアではなくフロントミドにマウントされる。
インテリアではナッパレザーをふんだんにつかい高級感を演出。トランクルームにはゴルフバッグも数個積める、というところもセダンならではのアピールポイントとなる。
BRAND HISTORY
イタリアを代表するスポーツカーメーカーとして、常に対比されるのがFERRARI(フェラーリ)とLAMBORGHINI(ランボルギーニ)だ。しかし、それは至極当然のこと。なぜならランボルギーニの原点は、フェラーリを超えることだったのだから。
フェルッチオ・ランボルギーニがスポーツカーメーカーのランボルギーニ社を興したのは1963年。彼が47歳のことだ。第二次大戦後、トラクターやエアコンで財を築いたフェルッチオは、それまでに数々のスポーツカーを乗り継ぐが、どれひとつとして彼を満足させるものがなかった。フェラーリも例外ではなく、ある日、フェルッチオがエンツォ・フェラーリに愚痴を並べると、「君はトラクターでも転がしていればいい」と返されたことから、自らのブランドを立ち上げ、打倒フェラーリを掲げたというのはあまりにも有名な逸話だろう。
早速ランボルギーニは1963年のトリノショーに先進のV12と美しいボディを持つ「350GTV」を送り込み、翌年には生産型の「350GT」を世に送り出した。その後は一世を風靡した「ミウラ」や「カウンタック」などを発表するが、トラクター事業のつまずきやオイルショックの影響などから、自らの名を冠したスポーツカーメーカは人手にわたることになる。
その後もランボルギーニ社は幾度も身売りの憂き目に遭うが、1998年、アウディの傘下に収まってからは、順調な成長を見せている。現在はV12エンジンを積む「ムルシエラゴ」とV10の「ガヤルド」をラインナップする。