第3世代のアウディ TTにもオープンモデルが登場|Audi
CAR / MOTOR SHOW
2015年4月1日

第3世代のアウディ TTにもオープンモデルが登場|Audi

Audi TT Roadster|アウディ TT ロードスター

第3世代のアウディ TTにもオープンモデルが登場

アウディは、パリ モーターショーで、3代目「TT」のオープンモデル「TT ロードスター」を初公開する。今年3月のジュネーブ モーターショーでワールドプレミアした、新型TT初のバリエーションとなるこのモデルは、これまでのTT ロードスターのセオリーどおり、電動ソフトトップを備える2シーターモデルとして誕生する。

Text by SAKURAI Kenichi

スタイリッシュな2シーターオープン

来るパリ モーターショーで公開予定のアウディ「TT ロードスター」は、今年3月のジュネーブ モーターショーで発表された第3世代の新型アウディ「TT」初となる追加モデルだ。新型TTは、まさに新世代の幕開けを予感させる進化したアウディのデザイン言語を採用しているが、反面、前後のオーバーハングを極力短くしたアピアランスや、タイヤを強調するオーバーフェンダーなどといったキーデザインは、初代TTから綿々と受け継がれてきた意匠といえるものだ。

よって、アウディTTをよりTTらしく見せるフォルムやアイコン的なデザイン要素、さらに新型TTの予告編ともなったコンセプトカー、「オールロード シューティングブレーク」譲りのフロントフェイスやシャープなテールライトなどのリアデザインなどは、このオープンモデルでも共通である。

Audi TTS Roadster|アウディ TTS ロードスター

Audi TTS Roadster

Audi TTS Roadster

Audi TTS Roadster|アウディ TTS ロードスター

Audi TTS Roadster

こうした第3世代のTTに共通する、あたらしいデザインのシングルフレームグリルをもつTTロードスターのボディは、全長4,177×全幅1,832×全高1,355mmというディメンション。現行モデル比では、全長が21mm、全幅が10mm小さくなっているが、ホイールベースは37mm延びて2,505mmになった。

全高が新型TTクーペ比で2mm高くなっているのは、もちろんソフトトップの採用によるもの。現時点では、そのソフトトップを閉めた状態のデザインは公開されていないものの、こうしたオープン化による変更以外の基本的なデザインやハードは、既報である新型TTクーペに準ずるといえるだろう。

Audi TT Roadster|アウディ TT ロードスター

第3世代のアウディ TTにもオープンモデルが登場 (2)

軽量、整音にこだわったソフトトップ

新型TTロードスターのモデルバリエーションは、クーペに準じたものとなる。

基本となる「TT ロードスター」のほかに、ハイパフォーマンスバージョンとして「TTS ロードスター」をラインナップする。TTロードスターでは、最大出力169kW(230ps)、最大トルク370Nm(37.7kgm)を発揮する直噴2.0リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンの「TFSI」と、最大出力135kW(184ps)、最大トルク380Nm(38.7kgm)を発生させる2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボの「TDI」を搭載する。

いっぽう、高性能バージョンのTTS ロードスターには、最大出力228kW(310ps)、最大トルク380Nm(37.7kgm)を誇る、よりチューンされた直噴2.0リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンの「TFSI」を搭載した。

参考までにディーゼルエンジンは6段MTのみの組み合わせで、ほかは6段デュアルクラッチトランスミッションの“Sトロニック”も選択可能。ディーゼルエンジンはFFのみの設定で、ガソリンエンジンは両ラインナップともFFと4WDのクワトロを設定する。

Audi TT Roadster|アウディ TT ロードスター

Audi TT Roadster

Audi TT Roadster|アウディ TT ロードスター

Audi TT Roadster

注目のオープンシステムは、すべてのアウディ カブリオレモデルと同様に、電動式のソフトトップを備えおり、カラーはブラック、チタニウムグレー、ジャイブの3色から選べる。

骨格は軽量化のため、マグネシウム、アルミニウム、スチール、そしてプラスチックで構成。このソフトトップ自体は、従来モデルよりも3kg軽いわずか39kgにとどめられ、車両総重量の増加にもじゅうぶん配慮された。ちなみに気になる、車両自体のウェイトは「TT ロードスター 2.0TFSI」の6段MTで1,320kgと、オープン化にもかかわらず軽量な数値を維持している。

進化した軽量ソフトトップは、フロントシート後ろのアルミニウムトレイを持つ専用スペースに収納され、280リットルの荷室スペースを侵害しないのも特徴だ。2つのモーターを使用し約10秒で開閉を完了、50km/hまでの速度であれば走行中でも開閉がおこなえる。

さらに、インナーヘッドライナーに厚いフリース層をくわえたことにより、騒音の侵入レベルは従来モデルと比較して最大6dBも低減、防音や断熱性に優れた快適なキャビンを構築するという。Sスポーツシートを選べば、メッシュ製のウィンドディフレクターとヘッドルームヒーティングシステムにより、さらに快適なキャビンとなる。

Audi TT Roadster|アウディ TT ロードスター

第3世代のアウディ TTにもオープンモデルが登場 (3)

今後も派生モデルが楽しみなTTファミリー
トップを閉じた状態での空力係数は0.30で、これはコンパクト スポーツカー セグメントにおけるオープンカーでナンバーワンの数値だという。特徴的なデザインでありながら優れた空力特性をもつのも、アウディならではのこだわりである。

オープンカーらしく、見られることを意識してか、アウディTT ロードスター、アウディTTS ロードスターとも、ブラックを基本に、ロック グレー、パロミノ ブラウンの3色をインテリアカラーに用意している。

Audi TTS Roadster|アウディ TTS ロードスター

Audi TT Roadster|アウディ TT ロードスター

さらに「Sライン」パッケージではインテリアと対照的なステッチカラーやダイヤモンドステッチを採用した本革シートのほか、アルカンターラ素材のトリム、アルミニウムや特別な塗装を施したパネルなどを組み合わせることができる。ボディカラーには全11色をラインナップし、オーナーはこちらでも個性を主張できる。

アウディTT ロードスターは、TTファミリー待望の追加ラインナップだが、この先にはより高性能な5気筒エンジンを搭載する「TT RS」や、コンセプトカーとして登場した「TT オフロードコンセプト」のプロダクションモデル化が控えているとも噂されるので、今後もTTファミリーの動向には注目である。

           
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