Diary-T 202  わさび
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2015年4月15日

Diary-T 202  わさび

Diary-T

Diary-T 202  わさび

文・アートワーク=桑原茂一

そうなんだよ、電通のエリートくんに、
こう言われたんだよ。

”PIRATE RADIOへの桑原さんのこだわりに関してなんですが、ラジオ局の中でも、どマイナーなinterFMで、しかも、なんで手弁当で続けてるんですか?ラジオにはそれほどの魅力があるんですか”

あるんだよ。
メディアが小さい大きい有名無名は関係ないんだよ。
ラジオが好きだ!その思いを伝えることの大切さは、
合理的なものではなく、絶対数や尺度で計るようなものではないんだよね。

つまり効率とか損得なんかはラジオへの思いには微塵も関与しないのですね。私の伝えたい音楽への熱い思いを受け止めてくれるリスナーがそこに存在することが行動のすべての動機なんです。
〇からの始まりだからこそ、いつか必ず存在させるぞ!
に夢中になれるのです。
その為なら、なんでもやるよ。全身の毛穴から吹き出す智慧を使ってね。
なんて偉そうだね、私は幸運だと思います。
こうして今やらせてもらえてることが奇跡だし本当にありがたい感謝の思いしかありません。

で、なんだか、あのエリート養成ニュースクールは久しぶりに緊張したな、でも、今思えばもっと電通の若いエリートたちと話したかったな。確かに時間が少なかった。彼らと同じように泊まり込みで酒でも呑んで話した方がよかったのかもしれない。

で、そもそも、あの電通三十代エリート養成講座
「ニュースクール」になぜ呼ばれたかというとね、
その昔、スネークマンショーを応援してくれた広告業界のスーパースターであり、生き方目利き才人でもある
今や電通の顧問にまで出世されたあの杉山恒太郎さんから
声がかかったからなんです。

「クリエイティブマインド つくるチカラを引き出す40の言葉たち」 杉山 恒太郎 (著)

これは杉山さんのお弟子さんの天才高崎くんのお家芸でもあるのですが、杉山流を知る上では必読の書です。ぜひお読みください。

で、そもそも頼む私が不甲斐ないのですが、いつぞやは随分冷たい仕打ち…と恨んでいても、時は忘却、そんなこともあったっけ…、とすっかり忘れた頃に再会すると、若かりしあの頃のお馬鹿な二人になれるという不思議…

…はともかく鎌倉の電通の研修センターで実施されている未来の電通を切り開く?「ニュースクール」に集うエリートくんたちにはマジ期待したいものです。今や一万五千人を抱える大企業だと今回改めて説明を受けたように…
利益推進機関である電通に集うエリート集団である以上特権階級の意識を持つなという方がアブノーマルかもしれないが、

それはそれとして、今や日本国の要でもあるのが電通ならば、これ迄以上に社会貢献を主眼においてその威力を発揮していただくのであれば、

つまり after311以降に日本がなすべきことはなにか?への回答を利益推進機動力のエンジンに据えるのであれば、またメディアを自由にコントロールする頭脳集団であるならば、ここから復興するその方法の随所に新たな思想が宿るならば日本は世界から美しい思想を持つ国とリスペクトされるのではないか。と今日は私には重くて支えきれないバーベルを持ち挙げようとして、あっ、潰れた。

”選民意識を持っては駄目だ。”
”エリート意識を持っては駄目だ”
”常に本音で接してくれる自分にとって怖い友人を持て”
そして、”どんな厳しいときもユーモアを忘れるな”と。

広告業界でトップを走って来た杉山さんならではの激しい激が飛ぶ。

いかにも鎌倉というお寿司屋さん「和さび」にあった置物。
で、長く生きていると色々分かってしまうことが多いのだけれど、
そう美味しいものの佇まいもね。
でも、知らないことに囲まれている時代も
それはそれで素敵なことだと思うのです。

だから、俺は君たちよりも色々知ってるんだよねって、
態度は戒めなければね。
偉そうに振る舞うことだけは駄目山椒と顧みる鎌倉也。
つまり美しい竹林を愛で抹茶を啜ることも、
それがマニュアル通りの作法では心には微塵も記憶されないものね。
身体は確かに茶を啜り竹林を見ているのだけれど、
それは心に刻み込まれる記憶ではなく、トイレの水を流すような素通りするだけの空虚な時間でしかなくなくなくない…

観光する。は苦手だが、人生を観光する。これ最もよくないあるよ。
刺身はいくら生きが良くても、それはただの魚に過ぎない。
その鮮度にひと手間かける人の手からこそ生まれるものを
私は料理と思うのね。
生きの良さだけの人は、若いだけの人は、
死んだマグロも同然。
つまり意識を忘れ感情を弛緩させ心を凍らせた女を
いくら美しいからと抱ったところで、それはマグロだった。
とあいつがつぶやくように、
美味しく生きるにはあれこれ手間がかかるのが人生の妙味塩加減。
料理のコツはコツコツコツ。

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