hD3 NEXTGEN|スマートフォンならぬ“スマートウォッチ”!? カリスマデザイナーが創ったヴァーチャルな“複雑腕時計”
hD3 NEXTGEN|エイチ・ディー・スリー ネクスジェン
スマートフォンならぬ“スマートウォッチ”!?
カリスマデザイナーが創ったヴァーチャルな“複雑腕時計”
腕時計と呼ぶべきか、それともリストコンピュータの一種なのか? 今年のバーゼルフェアにてジャーナリストのあいだで秘かに話題と注目を集めたのが、時計デザイナー界のカリスマのひとり、ヨルグ・イゼックが創ったこの「SLYDE(スライド)」。あなたは何だと思いますか?
取材・文=渋谷康人
メカニカルからデジタルへ一気にジャンプ!
hD3(エイチ・ディー・スリー)というブランド名を見て「アレ!おかしいな。まちがっているのでは?」と思ったあなたはかなりの時計通。そう、独創的な機械式複雑機構を搭載したモデルを得意とするhD3ならぬ「HD3」は、巨匠ヨルグ・イゼックら3人のデザイナーにより2004年創業された、時計ブランド。じつはこのモデルは、そのブランドの歴史を継承する新ブランド「hD3 NEXGEN(エイチ・ディー・スリー ネクスジェン)」から今年登場した、画期的なデジタル・コンプリケーション腕時計なのである。
時計機能,時計関連機能の表示画面をパッと見すると、従来同様にケースのなかには歯車やカム、シリンダーなどのメカニカルパーツから構成されているようにも見える。しかし、この歯車やカムなどはすべてヴァーチャルなもの。じつは液晶ディスプレイに表示された電子的な絵に過ぎない。風防ガラスのように見える文字盤全面の液晶ディスプレイが、小さい画面サイズながらiPhone4に匹敵するほどの高い表示解像度をもち、表示がとても美しいのでそう見えるのである。
デジタルウォッチの概念を飛び越えた機能とデザイン
内蔵される時計機能は時計表示、クロノグラフ、ムーンフェイズ、カウントダウンタイマーなど全部で6種類。腕に着けたままだと液晶ディスプレイはスリープしているので、画面には何もない。だが風防ガラス(じつは液晶ディスプレイ)の中央に指で触れると、ディスプレイが目覚めて時計の時刻表示があらわれる。時計機能の画面を切り換えたければ、ディスプレイの中央に指先を置いて上下方向いずれかにスライド(フリック)させればいい。
ところがこのスライドのさらなる魅力と価値は、この6つの時計機能に留まらない。指先を上下ではなく左右にフリックすることで、パソコンから転送した画像やあらたなアプリケーションの表示に切り換えることができる。最新の携帯電話のように画像やソフトを追加して楽しめる。そんなスマート(賢い)なところが画期的。またケースやディスプレイ、ストラップまで一貫した、エルゴノミックでなめらかなフォルムもすばらしい。もはや腕時計というよりも、腕に着けるあたらしいデジタルガジェットと呼ぶべきだろう。
時計愛好家はもちろん、デジタルガジェットが大好きなひとには、どこかでぜひ実物に触れることをお薦めしたい。
SLYDE(スライド)
新時代のスマート・デジタル・コンプリケーションウォッチ
現代を代表する時計デザイナーのひとり、タグ・ホイヤーやセイコーの製品デザインでも知られる巨匠ヨルグ・イゼックが開発した画期的なデジタル・コンプリケーション・ウォッチ。専用のクレードルでパソコンと接続することで、充電や画像などのデータ、ソフトの転送がおこなえる。現在の時計機能は6つだがソフトウエアのダウンロード販売であらたな時計機能を追加することや、時計以外の機能を付加することも可能になるという。また写真のチタン素材のほかにゴールド素材のモデルもラインナップされ「デジタルウォッチ=低価格」という常識に挑戦している点もユニークだ。
クォーツ、縦57.4×横47.71mmのチタンケース、ラバーストラップ、3気圧防水、ケースサイドにLEDの充電量表示インジケーターつき、73万5000円(予価)、9月発売予定。
ノーブル スタイリング
Tel.03-5775-1866
http://www.hd3complication.com/en/#home(英語)