INTERVIEW|人が生きた証をフィルムですくい取る 『やさしい人』監督インタビュー

INTERVIEW|人が生きた証をフィルムですくい取る 『やさしい人』監督インタビュー

INTERVIEW|人が生きた証をフィルムで丁寧にすくい取る映画『やさしい人』ギヨーム・ブラック監督インタビュー前作『女っ気なし』が2013年のフランス映画祭で上映されるや、その瑞々しい才能に一気に注目が集まったギヨーム・ブラック監督。初の長編作品となる『やさしい人』が、10月25日(土)より東京・渋谷のユーロスペースほかで全国順次公開される。前作につづき、ヴァンサン・マケーニュを主演に迎えて紡ぎ出されるのは、寂れた街に暮らす人びとの生きた痕跡の数々。来日したギヨーム・ブラック監督に、その製作の背景をうかがった。Text & Photograph by WATANABE Reiko(OPENERS)『女っ気なし』のシルヴァンが、『やさしい人』ではイケメンになったワケ『女っ気なし』では冴えない主人公シルヴァンを演じたヴァンサン・マケーニュが、大幅に減量し、今度はイケメン役で登場する。そんな触れ込みを耳にしただけで、なんとしてでもその姿をスクリーンで確かめたくなってしまう映画『...
INTERVIEW|映画『横道世之介』沖田修一監督インタビュー

INTERVIEW|映画『横道世之介』沖田修一監督インタビュー

INTERVIEW|時代設定を越えた普遍的な青春ストーリー映画『横道世之介』沖田修一監督インタビュー(1)出逢えたことがうれしくて、おかしくて、そして──。大学に入学した18歳の横道世之介と、彼に関わり、その16年後、彼との思い出を温かな気持ちで思い出す人々を描いた、吉田修一原作の青春小説『横道世之介』が映画になる。メガホンをとったのは『南極料理人』『キツツキと雨』で、一躍脚光を浴びた気鋭の映画監督、沖田修一。ストーリーの主要な舞台となる1987年当時は「まだ小学校5年生でした」と笑う沖田が、この作品に込めた想いとは? 2月23日(土)に公開となる本作を、沖田本人が語る。Text by TASHIRO ItaruPhotographs (portrait) by JAMANDFIX若手実力派のふたりが共演物語は、主人公・横道世之介が長崎から、進学のために上京してくるところから始まる。演じたのは若手の実力派、高良健吾。実際に、おなじ九州の出身で、沖田とは3本つづけて共作する間柄だ。「...
MOVIE|ポルトガルが誇る俊英ミゲル・ゴメス監督最新作『熱波』

MOVIE|ポルトガルが誇る俊英ミゲル・ゴメス監督最新作『熱波』

MOVIE|老女の在りし日の情熱を描くメロドラマポルトガルが誇る俊英、ミゲル・ゴメス監督による最新作『熱波』ポルトガルでいまもっとも注目すべき映画監督といえば、俊英ミゲル・ゴメス監督。彼が老女の在りし日の情熱をテーマに描いた最新作『熱波』が、7月13日(土)より、シアター・イメージフォーラムでロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi細部に冴えわたる卓越した映像技法前作『私たちの好きな八月』で世界中の批評家たちを唸らせたミゲル・ゴメス監督。今度の舞台は無機質感の漂うポルトガルの都市と、冒険的な雄壮さに満ちたコロニアル時代のアフリカ。ある老女が抱える現在の虚無感と過去の情熱的な記憶をたどる、上質なメロドラマを完成させた。映像では対比がもつ空気感を表現するため、いまでは珍しい35ミリと16ミリのフィルムを併用するなど、細部にいたるまでさまざまな映像技法を駆使。情感溢れる映像美をつくりだした。俳優陣は、老女アウロラの願いをかなえるべく奔走するピラールに、国際的にも活躍...
MOVIE|世界中の女性たちが夢中になったベストセラー小説が映画化『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』

MOVIE|世界中の女性たちが夢中になったベストセラー小説が映画化『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』

MOVIE|世界中の女性たちが夢中になったベストセラー小説が映画化官能的で刺激的な禁断のラブストーリー『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』世界中の女性たちを虜にした恋愛小説が待望の映画化。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』がバレンタインデーに合わせ、2月13日(金)よりロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi写真家や現代美術家としても有名なサム・テイラー=ジョンソン監督がメガホン当時ロンドン在住の一般女性であった小説家E・L・ジェイムズが趣味でインターネットに投稿し、処女作にしてベストセラーとなった『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』。当初、オーストラリアの小さな出版社から書籍化されたことをきっかけに、大手出版社の目に留まり、瞬く間に50カ国以上で出版され、1億部を突破する空前のヒットとなり、ジェイムズは“第二のジェイケイ・ローリング”といわれたほど。その内容は、普通の女の子アナとステイタスを極めた男性グレイが恋に落ちる普遍的なシンデレラ・ストーリー。...
MOVIE|すれちがう男女の心理をそれぞれの視点から描く『ラブストーリーズ コナーの涙|エリナーの愛情』

MOVIE|すれちがう男女の心理をそれぞれの視点から描く『ラブストーリーズ コナーの涙|エリナーの愛情』

MOVIE|男女両方の視点から描かれた、ふたつの映画が織りなすひとつの愛の物語『ラブストーリーズ コナーの涙』『ラブストーリーズ エリナーの愛情』ニューヨークで暮らす1組のカップルの別れから再生までを、男女それぞれの視点から描いた『ラブストーリーズ コナーの涙』と『ラブストーリーズ エリナーの愛情』。2月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかで全国順次ロードショーされる。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)10年の歳月を経て完成した、すれちがう男女の物語心に傷を負ったある夫婦の葛藤を、男と女、それぞれの視点から別べつの作品として描いた『ラブストーリーズ コナーの涙』と『ラブストーリーズ エリナーの愛情』が、いよいよ2月14日のバレンタインに合わせて、ここ日本でも2作品同時公開される。2作品の監督と脚本を手がけたのは、ハリウッドの新鋭、ネッド・ベンソン。本作が長編デビュー作でありながら、昨年の第67回カンヌ国際映画祭や第38回...
MOVIE|西炯子によるベストセラーコミック、ついに映画化『娚(おとこ)の一生』

MOVIE|西炯子によるベストセラーコミック、ついに映画化『娚(おとこ)の一生』

MOVIE|西炯子によるベストセラーコミック、ついに映画化大人のラブストーリー『娚(おとこ)の一生』女性を中心に熱い支持を得る西炯子(にし・けいこ)の人気コミックを、榮倉奈々と豊川悦司のW主演で映画化。幸せになりたいすべての人へ贈る穏やかな愛の物語『娚(おとこ)の一生』が、2月14日(土)より全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu廣木組への絶大な信頼関係のもとキャストが名演技を見せる自分は幸せになれないと決め込んでいた女性と、恋愛を拒み落ち着く家庭を得ることはないと信じ込んでいた50代の男性。本作では、ちぐはぐな同居生活を通して、ゆっくりと“人を愛する”ということに向き合ってゆくふたりの姿を描き出す。メガホンをとるのは、『余命1ヶ月の花嫁』『100回泣くこと』など、これまでにもさまざまな愛の形を描いてきた廣木隆一監督。主人公・堂薗(ぞの)つぐみを演じるのは榮倉奈々。恋愛と仕事の狭間でこれからの人生を考える大人の女性を演じ、新境地を開拓。つぐみと恋に落ちる...
MOVIE│往年の名優が演じるチャーミングなラブストーリー『トレヴィの泉で二度目の恋を』

MOVIE│往年の名優が演じるチャーミングなラブストーリー『トレヴィの泉で二度目の恋を』

MOVIE│シャーリー・マクレーン映画デビュー60周年記念作品往年の名優が演じるチャーミングなラブストーリー『トレヴィの泉で二度目の恋を』80歳を越えた大女優シャーリー・マクレーンと、名優クリストファー・プラマーが送るチャーミングなラブストーリー『トレヴィの泉で二度目の恋を』。1月31日(土)より、Bunkamuraル・シネマほかで全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi監督は『イル・ポスティーノ』のマイケル・ラフォード『アパートの鍵貸します』(1960年)や『あなただけ今晩は』(1963年)などで知られる大女優シャーリー・マクレーンが、スクリーンデビューしてから今年で60周年。そんなアニバーサリー・イヤーを祝うべく、彼女がかわいらしい“おばあちゃん”に扮した『トレヴィの泉で二度目の恋を』が日本でも公開される。メガホンを取ったのは、アカデミー賞監督賞など5部門にノミネートした『イル・ポスティーノ』(1994年)や、『情熱のピアニズム』(2011年)などで知られ...
MOVIE|ナオミ・ワッツとロビン・ライトW主演『美しい絵の崩壊』

MOVIE|ナオミ・ワッツとロビン・ライトW主演『美しい絵の崩壊』

MOVIE|ノーベル賞作家ドリス・レッシングの問題作がついに映画化!ナオミ・ワッツとロビン・ライトのW主演で送る禁断のラブストーリー『美しい絵の崩壊』わたしを愛したのは親友の息子だった――。ナオミ・ワッツとロビン・ライト、ふたりの実力派女優が挑む壮絶で濃厚なラブストーリー『美しい絵の崩壊』が5月31日(土)よりロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu純粋で禁断の愛ゆえに狂っていく運命の歯車ノーベル賞作家ドリス・レッシングの小説「グランド・マザーズ」を、『ココ・アヴァン・シャネル』のフランス人女性監督アンヌ・フォンテーヌが映画化。これまで男女の官能的なドラマを端正な映像美で切り取ってきた監督が、親友同士がお互いの息子と恋に落ちる背徳的なラブストーリーを描き出す。脚本を手がけたのは、『危険な関係』『つぐない』のクリストファー・ハンプトン。そしてこの最大のタブーに挑むのは、ハリウッドの実力派女優、ナオミ・ワッツとロビン・ライト。ある一線を超える二人の女性を、体当たり...
MOVIE|スパイク・ジョーンズ最新作『her/世界でひとつの彼女』

MOVIE|スパイク・ジョーンズ最新作『her/世界でひとつの彼女』

MOVIE|セクシーでユーモラスなAIと恋に落ちたら……スパイク・ジョーンズ監督最新作『her/世界でひとつの彼女』 (1)2014年アカデミー賞に作品賞ほか全5部門でノミネートされ、見事オリジナル脚本賞を受賞したスパイク・ジョーンズ監督最新作『her/世界でひとつの彼女』が、6月28日(土)より全国順次公開される。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)Siriが生まれる前に発想した「恋するAI」の革新的なアイデア1990年代にビョークのPVやNIKEのCMなど、数々の話題作を手がけ、ミシェル・ゴンドリーやクリス・カニンガムと並び、MTV界の巨匠と呼ばれたスパイク・ジョーンズ。『マルコヴィッチの穴』(2000年)で映画監督デビューを果たし、プロデューサーとして参加した『ヒューマンネイチュア』(2002年)や、人気絵本を実写化した『かいじゅうたちのいるところ』(2010年)などでも独特の世界観を作り上げてきた彼が、今回テーマに選んだのは、「AI(人工知能)」と...
MOVIE|加瀬亮との出会いから生まれたホン・サンス監督最新作

MOVIE|加瀬亮との出会いから生まれたホン・サンス監督最新作

MOVIE|加瀬亮との出会いから生まれたホン・サンス監督最新作好きな女性を追いかけ韓国へやってきた男性を描く『自由が丘で』韓国内外で人気の高いホン・サンス監督が加瀬亮を主演に迎え、片思いの女性を追ってソウルを訪れる男の恋模様を描いた最新作『自由が丘で』。12月13日(土)より、シネマート新宿ほかで全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiナント三大陸映画祭でグランプリを受賞独自の映像世界、撮影手法により、韓国国内はもとよりヨーロッパでも“韓国のゴダール”と高い人気を誇るホン・サンス監督。そんな彼の最新作であり、今月開かれたフランスのナント三大陸映画祭でグランプリを受賞した話題作『自由が丘で』が日本でも上映される。主人公の日本人男性モリを演じるのは、かねてからホン・サンス監督のファンだと公言していた加瀬亮。2012年にプロモーションで来日していたホン監督との対談が実現した際に、初対面にもかかわらず意気投合し、その場で出演オファーを受けたことから本作は誕生し...
MOVIE│ウディ・アレンが贈る軽妙洒脱なラブ・コメディ『恋のロンドン狂騒曲』

MOVIE│ウディ・アレンが贈る軽妙洒脱なラブ・コメディ『恋のロンドン狂騒曲』

MOVIE│夢見る男女の幻想をあぶりだす、愛すべきおとなたちのアンサンブル・ドラマウディ・アレンが贈る軽妙洒脱なラブ・コメディ『恋のロンドン狂騒曲』あふれんばかりの才能で名作をつぎつぎと発表してきた“天才”、ウディ・アレン。彼の最新作『恋のロンドン狂騒曲』が12月1日(土)からTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiナオミ・ワッツやアンソニー・ホプキンスら豪華出演陣が集結2011年のアカデミー脚本賞に輝いた『ミッドナイト・イン・パリ』が日本をふくむ世界中で大ヒットし、あらたな絶頂期の到来を鮮烈に印象付けたウディ・アレン。彼が豪華キャストを配して撮影した『恋のロンドン狂騒曲』がついに日本にも上陸する。おもいがけず人生の転機に差しかかり、重大な選択を迫られてゆく男と女の姿を見据えたラブ・コメディ。世代の異なる2組の夫婦の結婚生活が破綻し、あれよあれよという間に“4つの恋”へと枝分かれしていくスピーディーなストーリー展...
MOVIE|ウディ・アレン最新作ラブコメディ『ローマでアモーレ』

MOVIE|ウディ・アレン最新作ラブコメディ『ローマでアモーレ』

MOVIE|10組20名を特別試写会にご招待!ローマを舞台に豪華キャストで贈る、底抜けに楽しく陽気な4つの物語ウディ・アレン最新作ラブコメディ『ローマでアモーレ』ウディ・アレン監督がローマを舞台に描いた群像ラブコメディ『ローマでアモーレ』が、6月8日(土)から新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほかで全国ロードショーされる。OPENERSでは、それに先立ち5月15日(水)18:30からよみうりホールで開かれる特別試写会に10組20名を招待する。Text by YANAKA Tomomiアメリカとイタリアの豪華俳優陣が競演『ミッドナイト・イン・パリ』で“真夜中のパリ”をこのうえなく甘美に描きあげたウディ・アレン。今回はがらりと趣を変えて、4つのストーリーで観る者をまぶしい太陽きらめくイタリアの古都へといざなう最新作『ローマでアモーレ』。ウディ・アレンは2005年に映画づくりの拠点をニューヨークからヨーロッパに移転。お気に入りの街の風俗や文化、歴史、そこにクラスひとびとの気質を...
MOVIE|長年連れ添った夫婦の“その後”を描いた人間ドラマ『ウィークエンドはパリで』

MOVIE|長年連れ添った夫婦の“その後”を描いた人間ドラマ『ウィークエンドはパリで』

MOVIE|『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督最新作長年連れ添った夫婦の“その後”を描いた人間ドラマ『ウィークエンドはパリで』『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督が描き出す、結婚30周年を迎えた熟年夫婦の危機と深い愛情の物語『ウィークエンドはパリで』が9月20日(土)より全国順次ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu日常から離れた旅先で気づく、大切な人の存在と幸せ結婚30年目を記念して思い出のパリへとやってきた夫婦が、ひょんなことからお互いが抱えていた不満をぶつけ合いながらも、やがて固い絆と愛情を確認しあう姿を描きだす『ウィークエンドはパリで』。監督を務めたロジャー・ミッシェルは、「どうすれば夫婦の絆を深めながら人生を豊かにできるか」という男女の永遠のテーマを題材にした映画を作りたいと、温めつづけてきたという。名優ジム・ブロードベントと『トスカーナの休日』のリンゼイ・ダンカンが熟年夫婦を熱演。ニックの大学時代の友人モーガンに...
MOVIE|パリジェンヌの幸せの条件=それはバツイチになること!?

MOVIE|パリジェンヌの幸せの条件=それはバツイチになること!?

MOVIE|パリジェンヌの幸せの条件=それはバツイチになること!?ロマンティック・コメディ『バツイチは恋のはじまり』『最強のふたり』製作陣がダイアン・クルーガーを主演に迎えて制作した、とっておきのロマンティック・コメディ。『バツイチは恋のはじまり』が9月20日(土)より、全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzuジンクスに翻弄されながら本当の幸せを見つけていく フランス全土で笑いと共感を呼び大ヒットを記録した『バツイチは恋のはじまり』がついに公開。「最初の夫とは破局する」という主人公の家に代々伝わるジンクスに従って、いきなりバツイチになろうと離婚相手探しに奮闘する女性の姿を描き出す。主人公イザベルに扮するのは、ダイアン・クルーガー。シャネルのモデルを務めたこともあるクール・ビューティが、本作ではコミカルかつチャーミングな演技で観客を魅了する。三流旅行雑誌の編集者ジャン=イヴには、フランスの国民的コメディ俳優で監督としても活躍するダニー・ブーンが扮した。本命の...
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