INTERVIEW|ジャズ・ヴォーカリスト 青木カレン インタビュー(前編)
Lounge
2015年3月13日

INTERVIEW|ジャズ・ヴォーカリスト 青木カレン インタビュー(前編)

初のビルボードライブ・ツアー直前!
ジャズ・ヴォーカリスト 青木カレン インタビュー(前編)

今年4月22日に、自身がセレクトしたベストアルバム『THE CLUB JAZZ DIVA』をリリースし、7月14日(火)に大阪、同15日(水)に福岡、そして18日(土)に東京の各ビルボードでのライブを行う青木カレンさんにお話を伺った。

Text by OPENERSPhoto by Jamandfix

「私は、ジャズって大人のパンクだと思っているんです」

──アルバム『THE CLUB JAZZ DIVA』のカレンさんのセレクトを見ると、ジャズのスタンダードからマドンナ、ニルヴァーナまで幅広い楽曲で、まさにベストという感じですね

青木カレン マドンナの「La Isla Bonita」は、去年の11月21日にリリースした4枚目のアルバム『KAREN’s SWINGIN’ PARTY』に収録した曲なんですが、これは「全曲スイングで」というコンセプトで、ニューヨークでビッグバンドのAndy Farber&His Orchestraと録ったんです。それで、「La Isla Bonitaのメロディをスイングしたらどうなるのかな?」と思って選んでみたんですね。
ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」は、私、高校時代はパンク少女で、校則が緩くて、髪の毛を角刈りとかヒョウ柄にしたり、毎日軍服を着て学校に行ったりしていて、パンクミュージックを聴いていたんですね。ジャズは、大人になってからはじめたんですが、ニルヴァーナの曲には混沌とした精神性を感じて、ティーンスピリットのような匂いがするんです。

──なぜジャズに移っていったんですか?

ジャズにはいろんな面があって、私はジャズは大人のパンクだと思っているんですね。なので、ジャズで「Smells Like Teen Spirit」をやりたかったんです。ジャズとパンクは、核となる精神性が近いと私は思っています。

この「Smells Like Teen Spirit」は、自分なりにアレンジして、主旋律のメロディだけできていたんですが、私がイメージしているものとは遠くて、これじゃあ自分が歌う意味がないなと思って、一応録り終えたんですが、リリースは辞めようと思っていたんです。
それで、私の身近なスタッフがお酒を飲んでひとに絡む姿を見て、「あ!」って思って、メロディにからませるようなコーラスを入れたら自分がイメージしていたものに近づいたのでリリースしたんです。

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──そのエピソードも、なかなかパンキッシュですね

ジャズって、「自分ならこうする」というアプローチの音楽だと思うんですよね。だから、カバー曲をカバーと言わないですよね。ポップスなら「カバーしました」って言うけど、ジャズでは使わない。つまり「その曲をどう歌うか?」なんです。
シンガーは、歌のフレージングや間、テンポなどに100%自分のあり方を注入するんですが、私はそれもしつつ、アレンジや聴かせ方まで考えたいタイプなのかもしれません。

「Moon Riverを聴いたときに、これは私の曲だなと思いました」

──「Take The A Train」のようなスタンダード曲の魅力はどうとらえていますか?

青木カレンになる前、ウラン(Uran)という名前で、自分でオリジナル曲を書いてデビューしたんです。いわゆるJポップですね。5、6年間、シンガーソングライターとして活動したんですが、無理矢理に曲をつくっている感覚に襲われたことがあって、その半年後にジャズに出会ったんです。
そのときに曲をいろいろ聴いて、「自分が一生かかっても1、2曲しかつくれないような名曲がジャズにはたくさんある」ことを知って、最高級の詩と曲のパワーある楽曲を歌わせてもらえることに感動したんです。
ジャズを好きになったきっかけは「Moon River」なんですが、この歌詞とメロディを聴いたときに、「これは私の曲だな」って思ったんです。

──それはいくつのとき?

26、7歳でしたね。聴いていて涙が出てきて、「自分のつくったものじゃないと、自分のことが歌えないと思うのはやめよう」って。
ジャズの間口の広さにも惹かれましたね。いまは歌える喜びを感じます。

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──まさに、ジャズとの出会いですね

ジャズをやっていていちばんよかったのは、お客さんの目の前で歌う回数が多いということですね。Jポップのシンガーだったら、ジャズのライブハウスでは歌えません。
ジャズの素晴らしいところは、熱心なリスナーがいて、伝える喜びがあること。伝える楽しさはどんどん増えていますね。

……ジャズはいい意味で、特殊なのかもしれない。

──どう特殊なんですか?

ジャズは音楽のジャンルというより、精神の状態につける名前だと思うんです。
「どうする」とか、「私ならこうする」とか、ジャズって動詞ですね。

ジャズ・ヴォーカリスト 青木カレン インタビュー(後編)につづく
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『THE CLUB JAZZ DIVA』
RBCS-3111(HQCD仕様)
2625円

青木カレン with Club Jazz Allstars
ビルボードライブ大阪/7月14日(火)

サービス6300円/カジュアル4800円(1ドリンク付)
1st open 17:30 start 18:30 2nd open 20:30 start 21:30
お問い合わせ Tel. 06-6342-7722

ビルボードライブ福岡/7月15日(水)
サービス5800円
1st open 17:30 start 18:30 2nd open 20:15 start 21:30
お問い合わせ Tel. 092-715-6666

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ビルボードライブ東京/7月18日(土)
サービス6500円/カジュアル4500円(1ドリンク付)
1st open 17:00 start 18:00 2nd open 20:00 start 21:00
お問い合わせ Tel. 03-3405-1133
http://billboard-live.com/(Web)
http://billboard-live.com/m/(携帯)

青木カレン
2006年1月に須永辰緒、野崎良太(Jazztronik)プロデュースによる1stアルバムをリリース。07年4月より、BS Asahi TVにてジャズ音楽番組「Groovin’Jazz Night」のメインキャストに抜擢される。9月には番組を冠にした2ndアルバム『KAREN』をリリース。同年8月から九州cross fmで航空会社STARFLYERが提供するラジオ番組「Groovin‘Jazz Trippin’」(現在番組終了)がスタート。同時にSTARFLYER機内オーディオでも青木カレンのプログラム開始。
08年4月からはインターFMの「STARFLYER Groovin‘Aviator」のMCを務める。6月には3rdアルバムの「SHINING」発売、08年ADLIB誌のアドリブアワード(クラブ/ダンス部門) 受賞! 09年4月からは福岡のLove FMでもInter FMでOA中の「STARFLYER Groovin’Aviator」がネットジャックされ毎週日曜日17:30~18:00にOA中。
現代女性の先導となり、心の癒しとなるメッセージを唱いつづける、いま最も美しいディーバ。

青木カレンオフィシャルサイト
http://www.rambling.ne.jp/artist/karen/

           
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