メルセデス・ベンツの7シーターSUV「GLE」が上陸|Mercedes-Benz
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2019年6月20日

メルセデス・ベンツの7シーターSUV「GLE」が上陸|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz GLE|メルセデス・ベンツ GLE

7人乗りとなった新型「GLE」上陸

メルセデス・ベンツ日本はSUVの中核車種であるGLEをフルモデルチェンジし発表した。価格は940万円(消費税10パーセント)から。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

SUVラインナップの中核車種

現在、日本におけるメルセデスベンツのSUVの状況は「GLA」「GLC」「GLE」「GLS」、本格オフローダーの「Gクラス」と多彩なラインナップがそろえられている。2013年当時を振り返ると、メルセデスの販売台数の5パーセント程度だったシェアが、昨年は20パーセント近くにまで占める状況になるほど勢力を強めている。そのラインナップの中核に位置するのがGLEだ。

GLEは、1998年に「Mクラス」という名称で日本デビュー。当時はSUV専業でないプレミアムブランドが販売する初のSUVとして注目され、その後、2015年にGLEと名称を変更されながら、約20年に渡り販売されてきた。

3列7人乗り仕様で登場

今回のモデルチェンジで最も注目すべきは3列7人乗り仕様となったことだ。先代と比較し全長は105mm、全幅は12mm拡大。またホイールベースも80mm長くなったことから、居住性や積載性が大幅に向上。その結果、GLEとして初めての3列シートが設定されたのだ。

メルセデス・ベンツ日本 営業企画部商品企画2課マネージャーのマニュエル・テロネス氏によると、日本市場はもとより、グローバルで7人乗り仕様の要望が強かったことから、今回の設定につながったという。なお、ドイツ本国では2列5人乗り仕様と3列7人乗り仕様の2種類が選べるが、日本では3列7人乗り仕様のみとなる。

Mercedes-Benz GLE|メルセデス・ベンツ GLE

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エンジンは3つを用意

日本仕様のパワートレインは大きく3つ。ベーシックの「GLE 300 d 4MATIC」には、2リッター直列4気筒クリーンディーゼルエンジン“OM654”が搭載された。最高出力245ps、最大トルク500Nmを発生。排出ガス浄化経路の短縮やsDPF(DPF with SCR Coating、選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)を採用するなど、排気の浄化にも注力して開発され、欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制に適合したエンジンである。

そして、「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」には、最高出力330ps、最大トルク700Nmと、メルセデス・ベンツ乗用車の中でも最も高い出力を誇る3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジン“OM656”を搭載。2ステージ ターボチャージャーを使用し、小さいタービンにはさらに可変タービンジオメトリーを採用。このエンジンは昨年日本にも導入が開始された「S 400 d」にも採用されており、低回転域から高回転域まで全域でトルキーな加速を可能にしているという。効率性や環境性能の追求はもちろん、低振動で高い静粛性を有している。

最後は「GLE 450 4MATIC スポーツ」だ。コンパクトな3リッター直列6気筒ガソリンエンジン“M256”型にISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)、48V電気システムなどの新技術を搭載することにより、効率性、快適性、高性能化を同時に実現。エンジン単体で最高出力367ps、最大トルク500Nmを発生させ、さらに、エンジンとトランスミッションの間に配置された、最高出力16kW、最大トルク250Nmを発生する電気モーター、ISGと、48V電気システムにより、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電する。

エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と、力強い加速を実現している。スターターには従来よりも高出力な電気モーターを採用しており、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性を向上させている。

新型GLEは全モデルに、9G-TRONICオートマチックと4MATICを搭載。300 dには、前後50:50の固定トルク配分となる4MATICを、400 dと450には前後100:0から0:100の連続可変のトルク配分を行う新開発の4MATICが採用された。

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独特のCピラー周りは健在

エクステリア デザインはメルセデスのデザイン基本思想であるセンシュアルピュアリティ、官能的純粋という考え方のもと、極力キャラクターラインやエッジを廃し、面で官能性を表現。またサイドビューでは、初代Mクラスから踏襲されている太く安定感のあるCピラーと、特徴的なリアクォーターのガラスエリアにより、MクラスやGLEクラスの後継車であることを表現している。

また、フロントには大型の八角形のラジエーターグリルがあしらわれ、存在感を主張。標準モデルにはクローム仕上げのアンダーガードや標準モデル専用のラジエーターグリル内の特徴的なルーバーデザインが装備され、SUVらしさを強調する。一方、AMGライン装着モデルではダイヤモンドグリルやバンパー下部の品などスポーティさを強調するデザインとなった。

今後のSUVはこのインテリアのコンセプトで

インテリアは、「コックピットディスプレイ、新たなステアリングデザイン、アンビエントライトや上質感あふれる内装等の最新のコンポーネントによって、未来的イメージを醸し出しています」とテロネス氏は説明する。「それに加えて大胆な要素もちりばめられ、SUVらしい雰囲気が強調されています」という。「こういったコンセプトは今後発表されるSUVにも適用されていく予定です」とし、その第1弾がこのGLEであることを示唆した。

横幅のあるセンターコンソールは、カップホルダーや収納などのスペースを十分確保しているとともに、フルサイズSUVとしてのゆとりを表現。またSUV特有の大きなグラブハンドルを左右に備え、SUVらしさと流れるようなデザインによる高級感を演出している。

機能的に配置されたスイッチ類は、操作時に触覚や音によるフィードバックをもたらすため、操作されたかどうかをドライバーがスイッチを見て確認する必要はないものとなった。

センタークラスターに目を移すと4つに水平に並んだ四角いエアベントが目に入る。これは「標準モデルのフロントグリルに採用されているルーバーのデザインがモチーフとなっており、メルセデスのSUVのエッセンスを表現しているものです」とテロネス氏。

コックピットディスプレイには最新のミドルサイズ以上のメルセデスに共通の2枚の高精細12.3インチワイドディスプレイを、1枚のガラスカバーで融合したコックピットディスプレイが装備され、「空中に浮かんでいるかのような先進的なデザインとなっている」と説明した。

また、昨年発表した「Aクラス」に続き、GLEにおいても「ハイ、メルセデス」で起動する、AI搭載のインフォテイメント音声コントロールインターフェースMBUXが採用されている。

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納車時期はグレードによって

各モデルの納車時期についてメルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏は、次のように説明した。

「4気筒クリーンディーゼル搭載のGLE 300d 4MATICは11月頃に納車開始。直列6気筒クリーンディーゼルの400 d 4MATICは8月頃。発表と同時にから納車開始となるのが直列6気筒ガソリンエンジンとISGを組み合わせたGLE 450 4MATICです」。価格においてもそれぞれ税率8パーセントと10パーセントが併記された(300 dのみ11月以降となるため10パーセント表記のみ)。

特設Webサイトを開設しメルセデスのSUVをさらに訴求

GLEのマーケティング活動について上野社長は、新型GLEの発表に合わせてSUV特設Webサイト(http://mercedes-suv.jp/)を開設すると発表。

内容はメルセデスのSUVで日本各地の魅力を再発見するという企画で、第1弾の新型GLEでは、「日本で活躍する一流の方をアンバサダーとして起用し、アンバサダーのライフスタイルや言葉を通してメルセデスのSUVと日本の知られざる魅力に迫る内容です」と紹介。そのアンバサダーとして登場しるプロサーファーの大野修聖氏が発表会に駆け付けた。

「子どもの頃からメルセデス・ベンツは大好きな、夢に見たクルマだったので、こうしてアンバサダーとして任命してもらい嬉しいという言葉以上の気持ちです。18歳の時に最初に買ったクルマがVクラス。生意気にもそのクルマで心地よく大会を転々としたことを覚えています」と、自身とメルセデスの関係性を紹介。

そして、「新型GLEにはまだ乗っていませんが、メルセデス・ベンツといえばベスト オブ ベスト。デザインと機能性はもとより、ひたすら移動している僕にとっては安全性が大切で、これ以上のクルマはないと思っています。これから今までに挑戦したこともない波をこのGLEとともに一生現役で進んでいきたいですね」と、今の気持ちを語っていた。

今後、このGLEを皮切りに「人気のあるSUVセグメントにおいても複数の新型車モデルをお披露目する予定となっています」と上野氏はコメントし、SUV市場への攻勢を強めていくことをアピールした。

問い合わせ先

メルセデスコール

0120-190-610(年中無休)

           
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