いま注目の最新コンパクトハッチバック3選 Part 1|メルセデス・ベンツ A180
CAR / IMPRESSION
2019年4月26日

いま注目の最新コンパクトハッチバック3選 Part 1|メルセデス・ベンツ A180

Mercedes-Benz A180 Style|メルセデス・ベンツ A180 スタイル

対話できるメルセデス

毎年2月に日本輸入車組合(JAIA)がプレス向けに開催する試乗会からの一気乗りリポート。コンパクトハッチバック編の第1弾として、「ハイ、メルセデス!」のテレビCMでおなじみの対話型インフォテインメントシステムを搭載したメルセデス・ベンツ「A180スタイル」のショートインプレッションをお届けする。

Text & Photographs by HARA Akira

個々のユーザーが賢く育てていくことで認識能力が向上

テレビCMの効果は絶大だ。「ハイ、メルセデス!」と声をかけるだけで、憧れのメルセデス・ベンツが気やすく話しを聞いてくれる存在になるというのだから。メルセデスブランドの情報発信基地である東京・六本木の「メルセデス ミー」には、それを体験したいお客様が数多く訪れるのだそうだ。

その、対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」を搭載したのが、今回試乗したメルセデス・ベンツのエントリーハッチバック「A180スタイル」だ。

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

早速運転席に乗り込んで、MBUXを試してみる。考えたら、スマートホンやスマートスピーカーが搭載するAIによる会話認識機能を使うシーンはすでに日常のものとなりつつあり、これが車載のサービスとして使えることには何ら不思議はないのである。

CMでは「ハイ、メルセデス」という言葉がボイスコントロールシステムの起動点となるように思えるが、実際に使ってみると「メルセデス」という単語自体がトリガーになるようで、例えば車内で「BMWとメルセデスが……」という風な会話を続けているだけでも、「どうしますか?」と生真面目に反応してくれることがあった。

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

天気や時間の確認、行先や車内温度などの設定は朝飯前で、「暑い」といえばクライメートコントロールで温度を下げてくれるし、「ラーメンが食べたい」といえば、近くのラーメン店を提案してくれる。

担当者の話によると、MBUXのロジックはアップルの「Siri」と同じで、学習機能と個別対応機能を備えたもの。認識能力や機能については個々のユーザーが賢く育てていく、という考え方で、オーナーになればその使い勝手が向上していくのは間違いなさそうだ。

ただし運転に関する重要な機能については反応しない設定で、「ハンドルを切って」とか「急ブレーキをかけて」といってもMBUXは無言を貫く。

Page02. むやみなキャラクターラインを廃したなめらかなボディ

Mercedes-Benz A180 Style|メルセデス・ベンツ A180 スタイル

対話できるメルセデス(2)

むやみなキャラクターラインを廃したなめらかなボディ

2018年10月に国内デビューした新型Aクラスのボディは、全長4,420×全幅1,800×全高1,420mmと扱いやすいサイズ。旧型から120mm長く、15mm広く、15mm低くなったそのスタイルは、最新メルセデスの各モデルが採用するつり目の顔つきと相まってスポーティさが増した。

望遠レンズを通してみるとよく分かるのだが、むやみなキャラクターラインを廃したボディワークはなめらかで丸く、空気抵抗が少ない(Cd値0.25)形状になっている。

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

A180が搭載するエンジンは、前モデルの1.6リッターからさらにダウンサイジングした、排気量わずか1.33リッターの「M282」型直列4気筒ガソリンターボだ。デルタ形状のシリンダーヘッドによるコンパクトな設計と、電子制御ウェストゲートによる低負荷域での最適な過給圧設定により、最高出力136ps(100kW)/5,500rpm、最大トルク200Nm/1,400-4,000rpmを発生し、7段デュアルクラッチ式ATを介して前輪を駆動する。

走りは低回転域でのツキが良い実用エンジンというべきもので、高回転まで回して云々といったものではない。ロードノイズについては、振動入力点を徹底解明して対策が施されたとされ、良路ではとても静か。ただし荒れた路面では、ハイトの高い16インチタイヤを装着しているにも関わらず、ゴロゴロした路面のショックを伝えてきたのは予想外だった。

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

インテリアは大きな円形4連エアアウトレットを備えた2段式インストルメントパネル上に、Sクラスと同様の2枚の横長スクリーンが置かれ、一段と立派な見栄えとなっている。こちらも上級モデルと同じステアリング上のスイッチ1つで設定できるアダプティブディスタントアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)が実用的で、安心して追従運転が行える。

A180スタイルは、400万円を下回る369万円という戦略的な価格が設定されている。ただし、ユーザーが必ず欲するであろう「レーダーセーフティパッケージ(24万5,000円)」や、「ナビゲーションパッケージ(18万4,000円)はオプション設定となっていて、メタリックペイント(6万9,000円)などを含めた試乗車の価格は446万1,240円となっていた。

問い合わせ先

メルセデスコール

0120-190-610

           
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