連載|新しい価値観が生まれる都、バンガロールへ(後編)

連載|新しい価値観が生まれる都、バンガロールへ(後編)

LOUNGE TRAVEL

カーストを超えるボーダーレス・シティが、
クリエイティビティを刺激

この10年で急速に発展した都市、バンガロール。カーストにとらわれない新しいジャンル、IT産業が創り出す活気と可能性に惹きつけられるように、アイデアと自立心、才能豊かなアントレプレナーたちが集まってくる。マリオット・ホテルはTEDとの共同イベントの地としてこの街を選んだのも、バンガロールが持つ無限の可能性を感じ取ってのことなのだろう。

Text by MAKIGUCHI June

スピーカーとの交流も。「TEDサロン」開催

新しい価値観を生む街、バンガロール。今年9月6日には、マリオット・ホテルとTEDとのパートナーシップによる「TEDサロン」が開かれた。アジア太平洋地域では、2度目の開催となる。(マリオット・ホテルとTEDとのパートナーシップについては前編へ)

会場となった「バンガロール・マリオット・ホテル・ホワイトフィールド」には、現地の起業家やビジネスパーソンをはじめ、マリオット・インターナショナルのロイヤリティプログラム「マリオット リワード」のロイヤリティ会員、国内外のメディア、インフルエンサー、ビジネススクールの学生など200 名を超える聴衆が参加した。

「TEDサロン」では毎回、開催地のトレンドや文化、伝統に見合ったテーマが掲げられるが、今回のテーマは、「Innovation in Women(女性活躍のためのイノベーション)」。インド、スリランカ、ベトナムから、社会に変革をもたらしている3 名の女性TED フェローが来場し、自らの個人的な体験も交えて講演を行った。

インド出身のズバイダ・バイ氏は、世界の女性健康問題に取り組み、特に母体の健康向上に力を入れている「Ayzh」のCEOだ。彼女は、貧しい地域で母体を危険にさらす出産の実態を知り、不衛生な環境で命を落とす女性たちを救い教育していきたいと、シンプルでありながら革新的な“クリーンバース・キット”(安全で清潔な出産用キット)を考案。途上国の貧困女性の安全な出産の促進に貢献している。

「スリランカ・ブルーホエール・プロジェクト」の創始者にして海洋生物学者のアシャ・デ・ボス氏は、クジラの保護活動家であり教育活動家でもある立場から、地球上の海洋の健全性維持に欠かせないクジラの保護と、環境保全の大切さについてユーモアを交えて熱弁。自らの仕事について何度も「男性の仕事では?」と言われたという経験を元に、「ステレオタイプの壁を越え、自分自身であることが大切。パッションがあれば、ジェンダーに関係なく活躍できる」と訴えた。

ベトナムや世界各地で持続可能な農業コミュニティを構築することをミッションとする団体「Fargreen」の共同創設者であり、自身も農業事業家でもあるチャン・チャン氏は、自国で行われている焼き畑農業が生む環境破壊を食い止めようと奔走。

発想の転換から、これまでは焼かれていた藁を使ってキノコを栽培する新しいスタイルの農業を地域に提案し、農家と取り組むサステイナブルな暮らしへの挑戦について語った。

また、通常のTEDカンファレンスでは開催されない、フェローたちと観客たちとの質疑応答セッションも「TEDサロン」の目玉のひとつ。今回も、スピーカーたちの活動に対して、「こんなことは可能か?」「私はこんなことをしているが、一緒に何かできないか」など、客席からも有意義なアイデアが飛び出し、参加者が互いにインスピレーションを刺激し合う素晴らしい機会となった。また講演後は、アフターパーティも開催され、参加者たちの交流も盛んに行われ、夜遅くまで賑わいが続いた。

ABOUT
牧口じゅん

牧口じゅん|MAKIGUCHI June 共同通信社、映画祭事務局、雑誌編集を経て独立。スクリーン中のファッションや食、音楽など、 ライフスタイルにまつわる話題を盛り込んだ映画コラム、インタビュー記事を女性誌、男性誌にて執筆中。