連載|新しい価値観が生まれる都、バンガロールへ(前編)

連載|新しい価値観が生まれる都、バンガロールへ(前編)

LOUNGE TRAVEL

“インドのシリコンバレー”で
マリオット・ホテルとTEDがイベントを共同開催

南インドの大都会、バンガロール。南部カルナータカ州の州都で緑多き都市だ。かつては“ガーデン・シティ”と呼ばれていたが、今では“インドのシリコンバレー”という愛称の方が有名だろうか。国内のみならず、南アジア有数のIT都市だ。この地で、マリオット・ホテルとTEDによるイベントが共同開催された。

Text by MAKIGUCHI June

都市の変貌が生む自由な発想

現地語で“ベンガルール”と呼ばれるこの街は、“ローストピーナッツの町”という意味を持つ。かつてこの地を訪れた王が、お腹を空かせていた時に、農民たちがこの地の特産物である落花生をローストして献上。その味を大そう気に入って、この名を授けたのだそうだ。

大都市ながら、のんびりとした風情のローストピーナツ屋台が目に付くのも、そんな由来ゆえだろうか。

湿度も温度も極めて高いというイメージを持つインドにあって、とても恵まれた環境を持つ。標高920mという高原に位置しているため、一年を通して穏やかで過ごしやすい。真夏の日本から移動すると、その涼しさにまず驚く。

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この15年ほどで急速に発展し、世界有数のメガシティへと変貌を遂げた理由のひとつに、この気候による住みやすさがあげられる。緑も多く、観光するにも快適だ。

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外資系IT企業が多く進出している都市なので、街ゆく人々も国際色豊か。飲食店も、伝統的なスパイスをふんだんに使ったレストランから、フュージョンや創作料理を出すまで飲食店のバリエーションも豊富だ。加えて好景気と言うこともあるのだろう。インドでは珍しく夜に女性が独り歩きしても大丈夫なほど安全なのも、旅行者には安心だ。

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1947年のインド独立後は、重工業や航空・宇宙産業、防衛産業などの工場が置かれ栄えてきた。経済が自由化した後は、理数工学系の教育が進んでいることで多くの情報技術者を輩出していること、英語力、低い労働コストなどを背景に、IT産業が発展する。短期間での街の発展は、経済成長とともに爆発的な人口増加を生む。そこで常に人々を悩ませているのが、大渋滞だ。混んでいなければ30分ほどの距離のところでも、3時間かかることも珍しくない。

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そんな状況を回避しようと生まれたのが、企業ごとに営業時間をフレックスにするという斬新なアイデアだ。特殊な事情からひねり出された苦肉の策だが、24時間眠らないことが街の魅力でもある。街は眠らず、一日中エネルギーに満ち溢れているのもそのためだ。毎晩夜市が開かれ、バーの灯が夜通し煌めく。実はバンガロールは、バーの町としても知られているほどその数が多く、クラフトビールやクラフトジン、カクテルなどの人気が高い。

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とはいえ、さらなる経済発展のためには街中の移動がスムーズであることは必須条件だ。そこで、日本のODA(政府開発援助)も得て、地下鉄及び高架鉄道等による大量高速輸送システムを建設中で、すでに一部開通している。街を貫くシステムが完成するまで、あと5年ほどかかる予定だ。

まさに、今も発展し続けているバンガロール。これまでインドを訪れたことがある人でも、この街には驚かされることが多いという。いわばここは、インドの新しい価値観が生まれる場所なのだ。

そんなバンガロールで、またしても新しい価値観が発信された。世界最大のホテル・チェーンであるマリオット・インターナショナルとTEDによるパートナーシップから生まれた、「TEDサロン」が開催されたのだ。