ランボルギーニ女性CMOにインタビュー|Lamborghini
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2018年6月22日

ランボルギーニ女性CMOにインタビュー|Lamborghini

Lamborghini|ランボルギーニ

ランボルギーニ女性CMOにインタビュー

ランボルギーニはクリエイティビティがすべての会社

「もし、ランボルギーニのアパートがあったら」というコンセプトをカスタマー向けに提供する「ランボルギーニ・ラウンジ」が5月、東京は青山にたった2日間だけオープンした。同ラウンジをプロデュースするために来日した同社初の女性役員、カティア・バッシCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)に、ランボルギーニブランドや今後の展開について話を聞いた。

Text by HARA Akira

インフォーマルラグジュアリーとアンジェンダー

「もし、ランボルギーニのアパートがあったら」。このコンセプトをカスタマー向けに提供する空間が「ランボルギーニ・ラウンジ」だ。これまでにニューヨーク、ロサンゼルス、メルボルンで開催され、今回「ランボルギーニ・ラウンジ TOKYO」として5月26日と27日の2日間、東京・原宿にオープンした。

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ラウンジの1階には歴史的名車であるライムグリーンの「ミウラSV」、2階にはピレリ、ロジェ・テュブイ、ミズノ、リーヴァ、ヘッタブレッタ、エンツォボナフェ、テクノモンスターといったライフスタイルとインテリアを演出するコラボレーションアイテムが彩り、招待したランボルギーニカスタマーを肩肘張らずに包み込む空間になっている。

このラウンジをプロデュースするために来日した、同社初の女性役員であるカティア・バッシCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)に、新しい段階に入ったランボルギーニ・ブランドや今後の展開について話を聞いた。

カティア・バッシCMOは2017年9月、ランボルギーニ初の女性役員に就任。入社前は、アストンマーティン・ラゴンダの副社長兼ブランドマネージング・ディレクター、フェラーリのライセンシング・マネージャー、FCインテル・ミラノのコマーシャルディレクター、イタリアのNBAカントリー・マネージャーを歴任してきた。

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──ランボルギーニ・ラウンジに込めたコンセプトやアイデアを教えてください。

ディーラーではなく、ユーザーが楽しめる場所、居心地の良い場所、制約なしにランボルギーニが体験できる場所を作りたかったのです。店に行くというのは買いに行くということ。ラウンジはそうではなく、落ち着いてランボルギーニの雰囲気や、イタリアに来たような感覚を楽しめる“インフォーマル・ラグジュアリー”な場所にしました。

また、ランボルギーニは男性が興味を持つメーカーであるように思われているが、初のSUVである「ウルス」が出たことで、女性にもアピールできるようになりました。性別に関係なく、家族や子どもと一緒にランボルギーニが体験できる。つまり今までとはまったく違うターゲットが開かれるようになったのです。我々はこれを“アンジェンダー”と呼んでいます。実際、ウルスのユーザーの70パーセントは新規のお客様で、面白い現象と言えます。

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ランボルギーニはクリエイティビティがすべての会社 (2)

2020年の東京五輪を目指して東京にテンポラリーなラウンジをつくりたい

──ニューヨーク、ロサンゼルス、メルボルン、そして今回の東京。各地にあるラウンジの状況や、違いを教えてください。

ニューヨークについては、昨年11月からスタートしたパーマネント(常設)で、そのほかはテンポラリー(仮設)のスペースとなっています。

ニューヨークという場所柄、セレブリティやお店に行きたくない人が多いのです。そういった方のためには、特別な入り口があり、ラウンジのプログラムが用意されます。買わされることなく、自分の仲のいい人たちとゆっくりと過ごすことができる。建物の中にある、本当の「お家」のような感覚。コンシェルジュがいて、最高の体験を提供します。そのためには当然リザベーションが必要です。例えば誰かをディナーに招く時、完璧に用意して準備しますよね。それと同じですよ。

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ラウンジのコンセプトは、基本的に全部同じです。私たちはイタリアの会社なので、ブレずに本物のイタリアを提供したいと思っています。

地域性を入れようとすると、日本の文化をコピーしようと思っても、アメリカの文化をコピーしようと思っても、うまくできるはずがありません。結局本物でなくなってしまうので、最初から(本社があるイタリアの)サンタアガタのランボルギーニの一部を切り取って、それをいろんな場所でお見せする。そういう風にやっています。

水も食べ物も、すべてイタリア製です。ただ、集まる人は国によって違うので、醸し出される雰囲気は、場所によって多少は違ってくるでしょう。

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──今後の展開は?

ニューヨークには、今まで1,000人ほどのお客様を招きました。昨年ランボルギーニは世界で約4,000台を販売しています。購入されたカスタマーは、自分が達成したことを、外に訴えたいと考える人が多いのです。

今回の東京はテンポラリーですが、日本はアメリカに次いで2番目の大事な市場であり、ぜひ常設のものを作りたいと考えています。狙いは2020年の東京五輪。日本人はランボルギーニというブランドに愛情を持っており、ぜひ実現したいと思っています。

──ランボルギーニとはどんな会社ですか。

ステファノ・ドメニカリCEOは先見の明があり、女性の私を採用してくれたことに感謝しています。ウルスの発表でルールが変わり、一番いい時代に完璧なタイミングで入社できました。自動車業界については、フェラーリやアストン(マーティン)で学んだことを活かしたかったし、スポーツ業界(インテル・ミラノ、伊NBA)での体験も勉強になっています。

ランボルギーニはクリエイティビティがすべての会社で、今までと違うやり方や、今までの境界線を超えたやり方を目指している会社です。自分が心地よいと思ったことを、常に超えたところでやる。自動車業界ではあまりないことかもしれませんが、これこそがランボルギーニです。

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ランボルギーニはクリエイティビティがすべての会社 (3)

ミレニアル世代にもランボルギーニというブランドを訴求したい

──会社をどのように変えていきたいですか。

ランボルギーニが私を採用したことは、これからの大きな変化の始まりに過ぎないと思っています。女性だからというのではなく、大事なのは私のプロとしてのスキルや経歴だと思っています。ただ、男性主導のこの世界において、女性だったら違う視点があるんじゃないか、違う考え方と戦略が変化を起こさせるんじゃないか、という意図があったのではないかと考えます。

ただ、私の役割はちょっと誘導するだけです。ミレニアム世代にとって、ランボルギーニはいいブランド、アグレッシブだけじゃない、と思っていただけるように誘導したい。

例えば今回発表する「ウラカン・ペルフォマンテスパイダー」のPVでは、女性がドライブしています。ライフスタイルカーとしてすごく受けいれられるはずで、裕福な女性が何かエモーショナルなものを買いたい、自分に楽しみを与えてくれるものを。するとクルマがターゲットに入ってきます。男性だけでなく、とにかく人生を楽しみたい人、アンジェンダーに向けたブランドなのです。

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──今乗っているクルマと、お気に入りのクルマを教えてください。

現在はアウディ「Q5」に乗っています。カスタマーファーストなので(笑)。そして間も無くウルスに乗ることになります。でも、一番好きなのは、ウラカン・ペルフォマンテスパイダー。最高です! 自分で乗るまでにはすごい時間がかかると思いますが、本当に乗りたいのです。A地点からB地点に行くための手段に過ぎないクルマには全く興味はないけれど、ランボルギーニは乗った瞬間から楽しめる。それは素晴らしい体験です。

──ランボルギーニ車について何かエピソードは。

私は昨年9月に入社し、早速12月には車のローンチがあって世界中を飛び回ってプレゼンテーションしていました。ランボルギーニに乗る時間はまったくなく、今年3月21日の誕生日を迎えました。その誕生日を前に、マウリツィオ・レッジャーニ(同社最高技術責任者)から「カティア、21日にアフターセールスのトレーニングをするので、会社に来てよ」と連絡があり、「なんで私の誕生日に。まあ、やらなきゃしょうがないか……」と思って行ってみると、サプライズがあったのです。

私と彼の秘書、そして役員たちが示し合わせて、「今日はウルス、ウラカン、アヴェンタドールの3台を用意したから、ゆっくり楽しんでね」と。ベテランと若いテストドライバー2名がまず乗って、途中で交代してサンタアガタ周辺をドライブしました。渋滞もないし、結構飛ばしてすごく楽しめた。「It’s ランボルギーニ!」。会社がこんな特別なことを用意してくれ、最高の体験でした。

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──日本についての感想は?

日本は大好きな国です。もう20回ほど訪れていて、最初は新婚旅行で1ヵ月ほど滞在しました。また、私の姪が日本人の男性と結婚して、東京に住んでいます。日本はシンプルで、秩序があるところが好きなのです。

──仕事に成功して、いつかランボルギーニが買えたらいいですね

グッド!グッド! 現在の販売状況には満足しているし、利益も出ています。人気のウルスは今注文しても2年待ち。家族とともに、どんな場所へでも行ける。静かで室内空間が広く、荷物もたくさん詰めます。私たちも頑張っていて、会社の規模も2倍にしました。今までとは全然違うので、ぜひサンタアガタに来て見てください。

           
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