アストンマーティン ヴァルキリーのディテールを公開|Aston Martin
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2017年10月10日

アストンマーティン ヴァルキリーのディテールを公開|Aston Martin

Aston Martin Valkyrie|アストンマーティン ヴァルキリー

ヴァルキリーのディテールを公開

アストンマーティン・ジャパンは、ハイパーカーとして注目を集めている「ヴァルキリー」のほぼ完成形のエクステリアとインテリアのモックアップを公開した。

Photographs by UCHIDA Shunichi & AstonMartin JapanText by UCHIDA Shunichi

目指したのは1:1

アストンマーティンのロードゴーイング ハイパーカー「ヴァルキリー」が日本で初公開された。

ちょうど一年前にも、まだ「AM-RB001」というコードネームで呼ばれていたモックアップモデルが発表されたが、それはまだヘッドライトなども組み込まれず、インテリアにおいては未完成の状態だった。

Aston Martin Valkyrie|アストンマーティン ヴァルキリー

Aston Martin Valkyrie|アストンマーティン ヴァルキリー

しかし、今回公開されたモデルはインテリアも組み込まれ、ほぼ95パーセントの仕上がりになっているという。そのエクステリアのエッセンスはほとんど変わっていないが、エイドリアン・ニューウェイがダウンフォース等空力を追求した結果、ディテールにおいて変更がなされた。その中で最も大きな変更点は、コックピットとフロントホイールアーチ間のボディに設けられたオープニングだ。ダウンフォースを得るために最適な形状であると同時に、同時にヴァルキリーのデザイン的な特徴にもなっている。

また、ヘッドライトは工学的な構造を強調。表面が酸化処理されたアルミ製フレームにロービームとハイビームの機構を取り付けることで、デザイン性とともに重量面でも通常のアストンマーティンのヘッドランプより30〜40パーセント軽量化に成功している。

軽量化はエンブレムにまで及んでいる。フロントノーズに配されるウイングバッジは70ミクロン厚のアルミを科学的に溶着。70ミクロン厚とは人間の髪の毛の30パーセントの薄さにあたるものだ。因みに通常のエンブレムと比較をすると99.4パーセントもの重量が削減された。

ヴァルキリーはなぜそこまで軽量化にこだわったのか。それは「1:1」を実現したかったからだという。この1:1とは1,000kgの重量と1,000馬力の数字を意味し、このために、チタニウムやマグネシウムなどの素材も積極的に使われている。

Aston Martin Valkyrie|アストンマーティン ヴァルキリー

ヴァルキリーのディテールを公開

すでに150台すべてが完売

今回公開されたインテリアは、空間を最大限確保するためにシートは直接フロアに設置し、そのポジションはF1やル・マン プロトタイプのように足を前方に投げ出して着座するタイプだ。これによりクルマと一体感が得られるという。

また、ドライビングに集中できるように、全ての操作スイッチをステアリングに集中。LEDスクリーンには、運転に必要なすべての情報が表示される。そのステアリングは乗降性を高めるために脱着式を採用し、同時に盗難対策のデバイスにもなっている。

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Aston Martin Valkyrie|アストンマーティン ヴァルキリー

視認性においては、従来型のドアミラーに代えて、ボディの両脇にリア方向を映し出すカメラを設置。その映像はAピラー基部に設置されたディスプレイに表示される。

ヴァルキリーの生産台数は150台。既にそのすべてが完売しており、現在はキャンセル待ちの状態だとアストンマーチン・ラゴンダ リミテッド デザイン責任者バイス プレジデントのマレック・ライヒマン氏は明かす。

日本からは11台の注文が入っているとし、報道陣に公開された前日に最初のコンサルテーションとして、「それぞれ1時間から1時間半かけてその要望を聞きました。我々はそれをインプットした上でクルマを製造します。お客様は自分のクルマを見るまでは今から2年ぐらいかかる予定です。今後、複数回お客様と会った上でより細かい仕様を詰めていく予定です」とした。

2019年にはこのモデルが一般公道を走る予定で、2016年のフォーミュラー1のレベルになるように開発が進められている。その車両価格はおよそ200万から250万ポンドの予定だ。

           
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