1・5リッター3気筒を搭載する新型BMW 318iに試乗|BMW
CAR / IMPRESSION
2017年1月20日

1・5リッター3気筒を搭載する新型BMW 318iに試乗|BMW

BMW 318i|ビー・エム・ダブリュー 318i

1.5リッター3気筒を搭載する新型BMW 318iに試乗

コストパフォーマンスで選ぶなら318i

スポーティなセダン(ワゴンも)として名高いBMW「3シリーズ」に、1.5リッター3気筒ターボユニットを搭載モデルが追加された。走りと環境性能を両立させていると謳われる同車は、はたしていかなるクルマなのか。

Text by OGAWA FumioPhotographs by ARAKAWA Masayuki

期待に応える気持ちのいい走り

エンジン排気量を小さくする。気筒数を減らす。いわゆるダウンサイジングは定着した感があるが、今回はかなり驚いた。BMWが3シリーズに1.5リッター3気筒エンジンを載せてしまったからだ。

3シリーズというと従来は比較的高い出力で走りが楽しめるスポーティセダンというイメージがあった。ゆえに1.5リッターで大丈夫なのかな?と興味半分、(ファンとしては)不安半分である。

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

他社でもフォルクスワーゲンはサイズがほぼ同じ(というか全長で140mmも長い)パサートに1.4リッターを載せている例がある。BMWには勝算があるのだろうか。それとも走行キロあたりに排出されるCO2の量を抑制する規制クリアのためのガマングルマ?

はたして「318i」と名づけられた1.5リッターモデル。予想に反してというべきか期待に応えてくれたというべきか、気持ちよく走るのだ。

318iといえば従来からの一種伝統的なモデル名。それだけを聞けば2リッターの4気筒を連想してしまう。ひょっとしたら今回も318iを使ったのは、従来からのイメージを利用して1.5リッター3気筒という小さなエンジンを載せている事実を隠すため?なんて邪推も働くが、乗ってみれば、堂々と315iでいいではないか、と思う出来だ。

2016年秋に日本発売された318iはプラグインハイブリッドやクリーンディーゼルに連なる、走りと環境性能を両立させたモデルと同社ではする。

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

写真の318i Sportの外板色メディテラニアンブルーはオプション

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

1,498ccの3気筒エンジンはコンパクトハッチバックの「118i」やSUVの「X1」に用意されているものだ。100kW(136ps)の最高出力と220Nmの最大トルクを発生するいっぽう、燃費は17.2km/ℓ(JC08モード)と発表されている。

今回はセダン(409万円から)とステーションワゴンのツーリング(431万円から)ともに3気筒搭載の「318i」が用意された。走りと価格のバランスからいえば後輪駆動のハッチバック「1シリーズ」(118iで310万円から)という魅力的なモデルもある。しかし余裕あるボディサイズや快適性など勘案すると3シリーズには独自の魅力がある。

BMW 318i|ビー・エム・ダブリュー 318i

1.5リッター3気筒を搭載する新型BMW 318iに試乗

コストパフォーマンスで選ぶなら318i (2)

3シリーズの上質感がちゃんとある

1.5リッター3気筒エンジンを載せた318iははたして期待に高いレベルで応えてくれるモデルだった。最初に感心するのは出足のよさだ。1,250rpmから最大トルクを出し始める設定のためごく低回転域でも力がしっかりある。

3気筒に装着されているのはツインスクロールでなくフツウのターボチャージャー。低回転域を重視したセッティングで効きはナチュラルだ。なめらかにアクセルペダルを踏み込んでいくとスムーズな加速を味わわせてくれる。べつの言葉で表現すると、意外なほど速い。

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

318iのエンジンは1,498ccの3気筒で100kW(136ps)の最高出力を発生

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

3気筒ユニットはサイレントシャフトが組み込まれており、走行中の振動も騒音も低く抑えられている。乗り心地はけっして悪くなく、すべての相乗効果で、318iには3シリーズに期待する上質感がちゃんとあるのが印象に残る。

ドイツをはじめとする欧州では高速道路などでいちど速度に乗ってしまえば、強い加速性能はそれほど必要ない。3シリーズも伝統的に小さなエンジン搭載モデルが用意されてきた。

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

トランスミッションは8段オートマチック(MTの設定は発表されていない)で後輪を駆動

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

318i Sportにはオプションのダコタレザーシートが備わる(29万2,000円)

エンジンが小さいからドライビングの楽しさが失われてしまうのはBMWの望むところではないはずである。318iのステアリングホイールを握ると、パワフルなエンジンを搭載したモデルと通じる味のようなものをちゃんと感じる。しかもステアリングホイールを切ったときのノーズの動きは明らかに軽くて気持ちがよい。これは3気筒のメリットだろう。

ひとつだけ4気筒や6気筒と違うところは高回転域だ。4,500rpmを超えたあたりからのパワー感ではさすがに負ける。すばやい加速感でもやはり劣る。ただし3シリーズに乗っていてレッドゾーン手前のぎりぎりのところを使っている人はどれだけいるだろう。そういう人は4気筒以上のモデルにしたほうがいい。そうでないなら318iでも充分楽しめる。やや逆説的なホメ言葉である。

BMW 318i|ビー・エム・ダブリュー 318i

1.5リッター3気筒を搭載する新型BMW 318iに試乗

コストパフォーマンスで選ぶなら318i (3)

ツーリングでもパワー不足感はない

318iにはセダンとツーリングの設定がある。ともに異なるファンを持つのはご存じのとおり。セダンはセダンの、ツーリングはツーリングの魅力を持つ。なので2つのボディタイプが同時に設定されたのはいいことだ。

ツーリングはセダンより70kgほど車重が重いが、パワー不足感はない。いっぽう一般論としてバネ上、つまり車体が重いクルマは乗り心地がよくなるものだが、318iの場合、両モデルの差は大きくない。むしろセダンのほうがしっとりと好ましい気がしたのは、ツーリングの脚まわりのほうがやや硬めの設定だからなのだろうか。

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

試乗した318iツーリングLuxuryは電動パノラマガラスサンルーフ(22万1,000円)を備えていた

BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン

ツーリングのカーゴルームの容量は495リッター

ベースモデルは318i SE(セダンで409万円)で車線逸脱警告システムを含めたドライビングアシスト、レーン チェンジ ウォーニング、パーク ディスタンス コントロール、リア ビュー カメラ、電動フロントシートなどの装備が省略されている。その上はフル装備の318i(446万円)。装備の差を理解したうえでSEを選ぶ手は充分にありうる。

3シリーズの核にある価値がスポーティセダンだとすると、買うなら4気筒ガソリンエンジン搭載の320i(532万円) もしくは6気筒の340i(813万円)が王道なのかもしれない。でもBMWジャパンが言う「エントリーモデル」の意味をコストパフォーマンスととらえるなら、ふだん気持ちよく乗れる318iおよび318iツーリングはよいと思う。

080507_eac_spec
BMW 318i Sedan|ビー・エム・ダブリュー318i セダン
BMW 318i Touring|ビー・エム・ダブリュー318i ツーリング

ボディサイズ|
(セダン)全長 4,645 × 全幅 1,800 × 全高 1,440 mm
(ツーリング)全長 4,645 × 全幅 1,800 × 全高 1,460 mm
ホイールベース|2,810 mm
エンジン|1.5リッター直列3気筒DOHCガソリンターボ
最高出力|100 kW(136 ps)/4,4000 rpm
最大トルク|220 Nm(22.4 kgm)/1,2500 – 4,300 rpm
トランスミッション|8段AT
JC08モード燃費|(セダン)17.2 km/ℓ  (ツーリング)17.0 km/ℓ
定員|5人
駆動方式|FR
価格|(セダン)409万円~ (ツーリング)431万円~

問い合わせ先

BMWカスタマー・インタラクション・センター

0120-269-437(平日9:00-19:00、土日祝9:00-18:00)

           
Photo Gallery