ジャガー初のSUV「Fペース」に試乗|Jaguar

ジャガー初のSUV「Fペース」に試乗|Jaguar

Jaguar F-Pace First Edition

CAR IMPRESSION

Jaguar F-Pace|ジャガー Fペース

ジャガー初のSUV「Fペース」に試乗

速くて快適、そしてスポーティ

ジャガーが史上初めて手掛けたSUV「Fペース」。最初のコンセプトモデル「C-X17」が披露されてから3年、巨大な垂直ループのスタントでSUVらしからぬ高い運動性能を証明しながらのワールドプレミアも記憶に新しい。そのFペースに河村康彦氏がモンテネグロで試乗。ジャガーは、初となるSUVをどのように仕上げたのか。

Text by KAWAMURA Yasuhiko

ランドローバーに隠れていた存在

ジャガーが手掛けるSUV――ほんの10年程の前までは、そうしたモデルなど、想像だにできなかったものだ。

フォードが“親会社”であったそんな当時のジャガー車ラインナップは、「満を持しての市場投入」であったはずの「Sタイプ」や「Xタイプ」が、思い通りの成果を果たせずに大苦戦。並行して販売中のフラッグシップセダンである「XJシリーズ」は、自身の歴史と伝統に過分の重きを置くあまり、最新技術を駆使したアルミニウム製骨格を手にしながらも、見た目上ではそうした先進性をアピールすることがままならず、コンサバティブそのものの受け身に回ったデザインから、こちらもまた存在感の薄さに繋がっていた。

結局、ひとつのヒット作にも恵まれることなく、アストンマーティンから移籍したイアン・カラム氏が同社のデザインディレクターとなって初の作品である、披露されたての新型「XK」だけが期待と注目の存在だった、という状況。

Jaguar F-Pace First Edition|ジャガー Fペース ファーストエディション
Jaguar F-Pace First Edition|ジャガー Fペース ファーストエディション

かように、今から10年ほど前のこのブランドは、SUVの導入どころか「生き残るのが精一杯」と、むしろそのように表現したほうがふさわしい状態にあったのだ。

同時に“ジャガーのSUV”が想像し難かったのは、このブランドが4WDモデルではエキスパートのランドローバー社と、「密接な関係を持った兄弟メーカー」であったという点にも理由がある。

実際、「ウチにはランドローバーがあるからね!」というフレーズは、今から確か5~6年ほど前に、前出イアン・カラム氏に当方が直接「将来的に、“ジャガー ブランドのSUV”に興味はないのか?」という質問を投げかけたさいの回答でもあったもの。

そう言われればそうだよナ――と、その場では何となく納得してしまったものの、コンセプトモデル「C-X17」が披露されたのは、2013年のフランクフルト モーターショーの舞台。

そんなC-X17のイメージが“量産型”である「Fペース」で忠実に再現されたことを思えば、前出カラム氏のコメントが、すでにジャガー発のSUVの存在を「言いたくても言えない段階」にあったものであるのは明らかだろう。