連載|the rumored “CHALIE VICE” 第2回 英国紳士の審美眼

連載|the rumored “CHALIE VICE” 第2回 英国紳士の審美眼

the rumored “CHALIE VICE” 「うわさのチャーリー」

CHALIE VICE|チャーリー・ヴァイス

友人たちが感じた遊びの達人の粋なセンス

英国的モノ選びの基準とは?

11月に伊勢丹大創業祭として伊勢丹新宿店・メンズ館にておこなわれた「ブリティッシュ ウイーク」。そのさい、メンズ館8階レジデンス「THE GALLERY by CHALIE VICE」で展示されていたのが、ジェームズ・ボンドにまつわるアイテム。そのオーナーこそが、チャーリーの友人のひとりであり、英国のラグジュアリーブランドを数多く取り扱う、BLBG(ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ)代表取締役の田窪寿保さんだ。そこでチャーリーが好む英国的なモノ選びの基準をうかがった。

Photographs by KOMIYA KokiText by ITO Yuji

チャーリーがかんがえる、英国らしさ

世界中を旅することで、独特な感性を身につけたチャーリー・ヴァイスはカルチャーやモノ選びにおいても一家言をもっている。そうした嗜好のよき理解者であり、友人でもあるのが田窪寿保さん。

前述のイベントでは「グローブ・トロッター」や「ターンブル&アッサー」のシャツなどが展示されていたが、それらはチャーリー自身も愛用しているという。英国紳士という言葉だけがひとり歩きしがちな現代において、チャーリーが好む英国的なモノとコトについて田窪さんに話を聞いた。

連載|the rumored “CHALIE VICE” 第2回 英国紳士の審美眼

「THE GALLERY by CHALIE VICE」でこなわれたイベントには、ジェレミー・ハケットさんが登場した
Photograph by FUJII Taku

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英国展(ブリティッシュウィーク)開催時のメンズ館8階レジデンスのブの様子

わかりづらさこそが、英国的なモノの魅力

――最近、チャーリーとどこで会いましたか?

つい3日前ですね。映画「007」の新作、スペクターのワールドプレミアがロンドンで開催されて、そのときに再会しました。ウィリアム王子とキャサリン妃もレッドカーペットを歩いていて「ふたりとも顔が小さいなぁ」なんて話もしましたよ。

――チャーリーがかんがえる、英国的なモノとはなんでしょう?

英国紳士というと、みなさんステレオタイプに捉えがちですよね。けれども実際にロンドンを歩いて、いわゆるスーツを着て、ステッキをもった、というひとは見かけません。それは外国人が日本を訪れて「サムライがいない」というのとおなじこと。実際はもっとモダナイズされているし、モノ選びの基準も進化しています。チャーリーがいちばん気を配っているのは“金額のわかるモノはもたない”ということ。そしてハンドメイド、ヒストリーがあるものを好んで選んでいるようです。

連載|the rumored “CHALIE VICE” 第2回 英国紳士の審美眼
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――スペクターをチャーリーと観賞して、どのような感想を述べていましたか?

「やはりジェームズ・ボンドは世界観が大切だ」といっていましたね。酒にしろ、ガジェットにしろ、なぜボンドがもっているのかという大人のジョークがわからないと「007」は楽しめない。やっていることはショーン・コネリーの時代から変わっていないけれど、ディテールはきちんとアップデートされているから、あの世界観をいまもキープできるのです。

スペクターのワールドプレミアに訪れた田窪さん

映画「007」のスペクターのワールドプレミア会場の様子

この「グローブ・トロッター」のスカイフォールケースも、それを象徴するアイテム。映画「007」の50周年を記念して、世界100個限定で発売されたのですが、ハンドルの部分がスコープになっていて、素材もヴァルカン・ファイバーではありません。ヴァルカン・ファイバーにそっくりなアルミを使ってつくられています。このわかりづらいこだわりも英国的といえますね。

連載|the rumored “CHALIE VICE” 第2回 英国紳士の審美眼
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――現代における英国紳士の特徴を教えてください。

どう見られるか、ではなく、自分がどうありたいか。そこにこだわることができるひと、ではないでしょうか。他人の視線を気にするよりも、自分が気持ちよくあるためのモノを選ぶことができること。そのためには自分のなかに、自分なりの価値基準をもっていないとできませんよね。それがわかりやすい必要もないですし、むしろわかりづらい方が英国的といえるかもしれません。

「ハケット ロンドン」というブランドの服づくりもそうですが、いかに目立たないかをかんがえたうえで、ブリティッシュネスを再構築するか。「ターンブル&アッサー」のような横綱的な存在感をもつブランドがあるなかで「ハケット ロンドン」のようなブランドも混在しているところに、最近の英国のモノづくりのおもしろさがあるような気がします。

――田窪さんにとって、英国とはどのような存在ですか?

いまとなっては空気のようなもの、かもしれません。「ヴァルカナイズ・ロンドン」というショップも、セレクトショップでもなければ、ワンブランドでもありません。しかし、選んでいるブランドはラグジュアリーな薫りのする本物だけで構成されています。それらのブランドをミックス&マッチさせることで、感じられる英国的な空気感があるとおもうんです。ぼくがそう感じることができれば、きっとおなじ気持ちになるひともいるはず。そのひとりが、チャーリー・ヴァイスという男なんですけれどね(笑)。

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田窪寿保|TAKUBO Yoshiyasu
1966年、東京都生まれ。BLBG(ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ)株式会社代表取締役とグローブ・トロッター 英国本社上級副社長・日本支社長を兼任。
グローブ・トロッター、スマイソン、フォックス・アンブレラ、ハケット ロンドンなどの英国王室愛用のラグジュアリーブランドを取り揃えるアーケード・ショップ「VULCANIZE London(ヴァルカナイズ・ロンドン)」を全国に7店舗展開している。また、自他ともに認める英国通であり、ジェームズ・ボンド通。著書に『ジェームズ・ボンド 仕事の流儀』(講談社)がある。

チャーリー・ヴァイス|CHALIE VICE
年齢・職業・出身地などは不明だが、旅行好きでさまざまな国へ行っては、文化や風習に感銘を受けてセンスを磨き、音楽、写真、料理など多彩な分野に通じた“粋な遊びの達人”。最近は英国的なモノ選び、英国紳士の嗜みに傾倒している様子。伊勢丹新宿店メンズ館8Fの「THE GALLERY by CHALIE VICE」では彼が世界中で出合った、人生を豊かにするモノ・コトがシェアされている。
http://chalievice.com/