連載・和醸和楽|第26回 “うさぎとかめ”澄川酒造場
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2015年5月27日

連載・和醸和楽|第26回 “うさぎとかめ”澄川酒造場

日本酒を通じて日本を元気にする醸造家を目指して

“うさぎとかめ” 澄川酒造場

澄川宜史氏が杜氏の澄川酒造場。山口県萩市の地酒は、萩の“米、水、ひと、時間”がつまった最高のハーモニーを奏でる。造る「東洋美人」は「稲をくぐり抜けた水」でありたいという澄川酒造場から。

文=和醸和楽Photo by JAMANDFIX(TOP)

見ているところの違いが結果をつくる

いまから約4年前に私の考え方が大きく変わるきっかけとなる一冊の本との出合いがありました。そこに書かれているすべてが衝撃で、これまでの自分の考え方が大きく変わるきっかけとなりました。そのなかに「うさぎとかめ」のエピソードが入っていました。以下少々引用させていただきます。

「うさぎとかめ」の話を読んだひとは、みな各々の解釈で物語と向き合います。ただ、うさぎが負けた、かめが勝ったと考えるだけのひともいれば、うさぎは油断したから負けたのだと解釈するひともいる。かめは地道に頑張っていたから勝てたのだと感銘を受けるひともいる。そんななか、この本で、あれは「見ているところの違いが、勝負を決めたということを問うた物語なのです。なにを見据えて勝負することが大切なのかを教えてくれる物語だ」と。つまり、あれは「かめばかり見ているうさぎ」vs「目標、ゴールをひたすら見ていたかめ」という構図こそが重要だというのです。

この文を読んだとき、私は率直に「あ、俺もうさぎだったな」と思いました。この本がきっかけで「あいつには勝とう」「この酒には負けたくない」ではなく「自分がどんな会社にしたいのか」「自分がどんな人間になりたいのか」、「自分がそんな酒を造りたいのか」ということを考えることができ、「見ているところの違いが結果をつくる」という私の意識の源となりました。

和醸和楽|東洋美人|澄川酒造場 02

「どこを見ているか、どこを目指すか」。これは本当に大切なことだと思います。自己紹介が遅くなりましたが、私はいま、山口県萩市で『東洋美人』という日本酒を造っています。日本酒を通じて日本を元気にする醸造家を目指して。ちなみに、「うさぎとかめ」のくだりはまだつづきがあります。「かめはうさぎをなぜ起こしてあげなかったのか? 一緒にゴールした方がもっと楽しいのに」。皆さんはどのように受け止めますか?

澄川酒造場 澄川宜史

和醸和楽|東洋美人|澄川酒造場 03

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ウェブマガジン オウプナーズでの「和醸和楽 SAKEアカデミー」の連載で毎回紹介する日本酒(720mL)を3名さまにプレゼント。

ご希望の方は下記の応募フォームよりご応募ください。
当選された方には追ってご連絡させていただきます。

応募期間|2010年9月3日(金)~9月30日(木/午後12時)まで

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