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坂本龍一氏インタビュー 教授、kizunaworldを語る(1)
坂本龍一氏が、メディアクリエイター 平野友康氏とともに立ち上げた、東日本大震災の被災地復旧・復興を支援するためのプロジェクト「kizunaworld.org」。坂本氏とゆかりのあるさまざまなアーティストから作品提供を受け得られた収益や寄付を、長期的に被災地の復興に充てていくというものだ。医療、子ども、食料、住宅、エネルギーという5つのテーマをもうけ、それぞれのテーマに取り組んでいる5つの団体に寄付するというスキームが特徴である。すでに16人のアーティストによる12の作品が展開されている同プロジェクトについて、立ち上げるにいた経緯から参加アーティスト、そしてこれからについて聞いた。
Text by OPENERS Photo by JAMANDFIX 奈良美智さんの作品も登場──震災から約2カ月後の5月にkizunaworld.orgを立ち上げられるわけですが、そこにいたる経緯、心境をお聞かせ下さい。
坂本 東北の森から切り出された木材を使って木造仮設住宅をつくる、「ライフ311」というプロジェクトですね。すでに100棟近くが完成し、被災地の方が入居済みです。1棟のコストが300万円で目標額は3億円とずいぶん高いですけれど、これも継続していかなければならないと思っています。 ──kizunaworldには5つの寄付先がありますね。 坂本 たとえば、日本赤十字など大きな団体に寄付して終わり、というやり方も悪くはないんだけれど、やはり歯がゆくてね。実際に被災地に入って具体的に活動しているNPOに寄付したいと思ったんです。ただ、ひとつのNPOが生活全般について支援するのは無理なので、規模が小さくてもそれぞれの分野に特化した団体に寄付することにしました。 ──アーティストのセレクトについてお聞かせいただけますか? 坂本 思いつくままにというか、声かけやすいままに(笑)。(クリスチャン・)フェネスや、(デヴィッド・)シルヴィアン、カールステン・ニコライなど、以前から友達で共演したこともあるアーティストもいれば、アイスランド人アーティストのオラファー(・アーナルズ)のように今回がはじめてのひともいます。アトム・ハートも、すごく前から知り合いではあるけれど、一緒になにかするのははじめてですね。 2003年のイラク戦争のさいに試みた「CHAIN-MUSIC」というプロジェクトのときもそうだったんですけど、友達が友達を呼んで、輪が拡がっていって、まったく知らないアーティストたちと知り合うことができる。今回も、「CHAIN-MUSIC」の経験が役に立っていますね。
坂本 じつは、今度は奈良美智さんが作品を提供してくださることになったんです。それも偶然というか、8月2日の二期倶楽部でのコンサートを観に来てくれたのがきっかけで。彼が那須に住んでいるので遊びに来て下さいって誘ってくれて、うかがったときにkizunaworldの話になったんです。こんなふうに計画性はなくて、思いつくままに声をかけてというかんじですね。 ──奈良さんとは初対面だったんですか? 坂本 面識は何年か前からあります。でも、アーティストには気むずかしいタイプもいて、こういうチャリティに声をかけていいかわからないひともいますから、人選はそれなりに気をつけています。欧米のひとはチャリティに慣れていて、むしろ社会のためになにかいいことをしたいとつねに思っているひとが多いのであまり問題はないんですけど、日本人の方に声をかけるさいはちょっと気を遣いますね。 ![]()
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