EVENT|「Run for Children Tohoku in adidas RUNBASE 2015」リポート

EVENT|「Run for Children Tohoku in adidas RUNBASE 2015」リポート

今年もやります! チャリティ・ランニング

EVENT|皇居でチャリティ・ランニング

「Run for Children Tohoku in adidas RUNBASE 2015」リポート

DJの松浦俊夫さんが2011年3月11日に起きた東日本大震災を受けて、チャリティ・プロジェクト「Run for Children Tohoku」を立ち上げた。“大好きなランニングで、東北の子どもたちを応援しよう!”という思いのもと2011年より毎年おこなっているチャリティ・ランニングイベントが、今年も開催された。

Photographs by SUZUKI KentaText by IWANAGA Morito(OPENERS)

東日本大震災の被災地へ思いを馳せるチャリティ・ランイベント

2015年3月15日、千代田区平河町にあるランニング施設「adidas Rubase(アディダス ランベース)」にて、チャリティ・ランニングイベント「Run for Children Tohoku in adidas RUNBASE 2015」がおこなわれた。

これは、DJの松浦俊夫さんが発起人となり、東日本大震災の被災地を支援しようと立ち上げたプロジェクトだ。アディダス ジャパンの協力のもと、OPENERSの読者を対象に募集をおこない、イベントの参加費は、被災地の子どもたちが無事にハタチを迎えるその日まで、多方面で支援をおこなう公益社団法人「ハタチ基金」へ寄付される。

「Run for Children Tohoku at adidas RUNBASE 2015」 リポート 01
「Run for Children Tohoku at adidas RUNBASE 2015」 リポート 02

イベント開催4年目を迎える今回、参加者の数は過去最高の40名となった。震災の記憶が薄れているという声が挙がるなかで、時間が経過したからこそ支援をつづけるべきだと考えている人たちが集まった。参加者は一日も早い東北の復興を祈るとともに、募金箱へ参加費を納めていた。集まった寄付金の合計金額は12万1150円。イベント終了後、松浦さんの手により、ハタチ基金へと贈られた。

東日本大震災が起きた東北では、いまもなお支援が求められているなかで、被災地の報道をつづけるメディアが少なくなってきたのは事実だ。そんな状況のなかでも毎年、3月11日になると各所で被災地のいまを巡るシンポジウムがおこなわれている。編集部はチャリティ・ランニング イベントの開催前に、プロジェクトの発起人である松浦さんとともに、ハタチ基金がおこなったシンポジウムに参加した。

『被災地は、忘れられたのか? ~被災地こども支援の現場から見えること 震災4周年フォーラム~』という表題のもと、展開されたのはこれまでの支援の報告と、現在の課題。物理的な支援はある程度ゆきわたったという声もあるが、実情として、教育現場のリソースや環境が、いまだに整っているとは言えないという。そこで、求められるのは支援をつづけるということ。

被災地のことを考える機会が、減っているのではないか? 私たちが支援への意識を継続させるのは、難しいことなのか? ハタチ基金の代表理事を務める駒崎弘樹さんはこう語る。「震災の記憶が風化しつつあるのは事実。支援の金額も減ってきています。4年のなかで、課題は解決しているように見えるかもしれませんが、別の形であらわれています。たとえば、震災により教育や経済のレベルが以前に比べて世帯単位で落ちているという点。そのような環境に、子どもたちは敏感に反応し、影響を受け、将来的にもディスアドバンテージとして、格差を生んでしまいます」

シンポジウムの最後には、宮城県女川町からシンポジウムの会場に駆けつけた木村朱里さんがメッセージを読み上げた。彼女は震災後、ハタチ基金の支援団体である、被災地の放課後学校「コラボ・スクール 女川向学館」で学んできた。この3月に、石巻高校を卒業したばかりだ。

木村さんは、震災当時の心境を語った。幸い家族は無事だったそうだが、震災前日の日常は、失われた。

そんななか、コラボ・スクールで学びと出会いの機会を得た木村さんは、自身の考え方を整理しながら、これから自分がやるべきことを見つけていったという。4月から大学に進学し、子どもたちに温かい場所を届けたいという思いのもと、乳幼児の保育・教育について学ぶ。そして最後に、ハタチ基金への感謝の意を述べて、大きな拍手のなか、壇上から降りていった。

木村朱里さんのメッセージ全文はこちらから
http://www.hatachikikin.com/koe

ともに走ることで、気持ちをひとつに

「Run for Children Tohoku at adidas RUNBASE 2015」 リポート 06
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チャリティ・ラン イベント当日、松浦さんは開会式のなかで、木村さんのメッセージを受けて感じたことを伝えた。その後、参加者全員で被災地への黙とうをおこない、10キロのランニングをスタートした。

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今回、チャリティ・ランイベントのために制作したTシャツをデザインしたのは、秋田県川辺町に住む遠山桂太郎さんのご家族。遠山さんは宮城県で生まれ、東京で活動していたフォトグラファー。2014年、東北と東京との関係性を見つめ直すために、アーティストの誘致をおこなっている秋田県川辺町に居を移した。

父として、未来を生きる子どもたちのことを考えたとき、なにかできることがあるはず。遠山さんは長男の大河くんに東北への思いをイラストとして描いてもらい、被災地への思いとともに、Tシャツへと落とし込んだ。

チャリティ・ランの参加者はこのTシャツを着て走った。ランニングを普段おこなわない人にとって、10キロというのは決して簡単な距離ではない。“自身への挑戦” という意味も込めて走っているという人も、少なからずいた。ランニングの中盤には、先頭グループで走っていた松浦さんが、集団から遅れていた後続のランナーを待ち、並走する場面も見受けられた。参加者は、スポーツのなかで生まれる一体感で心をひとつにした。ゴールしたあと、ともにおなじ距離を完走したというところで絆が生まれ、自然と会話が交わされていた。

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今年度のチャリティ・ランを終え、松浦さんからコメントが届いた。

「かの大震災から4年を迎え、今年も皆さんといっしょにランニングできるよろこびを感じながら、被災地で日々頑張る子どもたちを思うすばらしいイベントになりました。参加してくださった皆さん、ありがとうございました。イベント直前にハタチ基金さんのフォーラムに参加し、子どもたちのために活動をつづけるNPOの方々から活動状況や課題についてお話をうかがいました。その話をランニング前に皆さんへお伝えできたことで、より参加意識が強くなり今後の支援に関心をもってくださったと思います。ハタチ基金さんについては今後も活動状況をOPENERSを通じてご紹介できればと思います。

10キロのランにはじめて挑戦する方もいるなかで、被災地への思いがモチベーションにつながったのか、ほとんどの方が完走することができました。すばらしかったのはランを終えた皆さんがほかの方々がゴールするのを声援を送りながら迎えていたことです。まさに“ビューティフルサンデー”と呼ぶにふさわしい1日でした。最後にTシャツのイラストを描いてくれた遠山大河くんとご家族の皆さん、毎年このイベントをサポートしてくれるアディダス・ジャパンに、この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。また来年を楽しみにしています」

私たちが大切にしなければいけないのは、被災地への思いを消さないこと、そして支援をつづけていくこと。OPENERSは、このチャリティ・プロジェクト「Run for Children Tohoku」をはじめ、東北の復興支援を今後も継続していく。
 
公益社団法人ハタチ基金
http://www.hatachikikin.com

adidas RUNBASE
東京都千代田区平河町2丁目16-1 平河町森タワー1F
Tel. 03-3261-9980
http://adidas.jp/running/runbase/
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料金|ビジター:700円
回数券:5000円(10枚/6カ月)
シューズレンタル:100円
ウェアレンタル:一式 500円/一点 300円
タオルレンタル:小 100円/大 200円