INTERVIEW|メゾン・ラデュレの新パティシエ、ヤン・メンギに密着!

INTERVIEW|メゾン・ラデュレの新パティシエ、ヤン・メンギに密着!

LOUNGE INTERVIEW

INTERVIEW|150年以上つづく老舗メゾンが惚れ込んだ才能

メゾン・ラデュレに新パティシエ、ヤン・メンギ就任(1)

今年のバレンタインは、「ラデュレ」からはローズとフランボワーズの甘い香りに包まれるアントルメ「サントノレ・ジュリエット」や、ハート形のマカロン、バレンタイン限定ボックスなどが登場する。このバレンタイン・コレクションを手がけたのは、昨年10月にメゾン・ラデュレのシェフ・パティシエに就任したばかりのヤン・メンギ氏。今回、初来日を果たした彼に、ラデュレの銀座店「サロン・ド・テ」で話をうかがった。

Photographs by SUZUKI Shimpei Text by KAJII Makoto (OPENERS)

「年齢を聞かれて、30歳と答えると驚かれます(笑)」

「人生初の日本ですが、ラデュレの店内に入ると“Art de Vivre(アール・ド・ヴィーヴル/暮らしのなかの芸術)”の世界観は変わりません。東京の中でそれが見つけられるのが面白い。ロワイヤル通りの本店も、シャンゼリゼも銀座も、どこもラデュレだなと思います。でも一旦外に出ると、そこは東京。不思議な感覚もあります」

ヤン・メンギ氏は、パリ生まれパリ育ちの30歳。とっさに「若いですね」と問いかけると、「日本に来て30歳と答えると、皆さんから若いと言われるのがとても不思議です(笑)。30歳は若いんですか?」と、逆に質問を返されてしまった。

メゾン・ラデュレ|バレンタインデー
メゾン・ラデュレ|バレンタインデー

ラデュレは150年以上もつづく老舗メゾン。「自分にとってラデュレは、パティスリーのオートクチュールメゾンです。15年前にパティシエになったとき、いつかはラデュレで仕事ができたらいいなと思っていました。目標というよりは夢ですね。そして昨年の10月、縁あってこのフランス菓子最高峰のシェフ・パティシエに就任しましたが、打診されたときは、誇り高い思いとプレッシャー、ある種の怖れ、そしてワクワクする気持ちが交錯しました」

ラデュレがあなたのどんな資質に注目したと思いますかと尋ねると、「パティスリーは、ただ技術だけでなくクリエーションが必要です。こうしてラデュレにかかわることができた理由は、まずクリストフ・ミシャラク(※)のもとで働いていたこと。そしてもうひとつは、世界で通用するパティスリーメゾンで働きたいという思いです。クリストフ・ミシャラクでは、あたらしいことを考えて取り組んでいくことを学びましたが、そういう姿勢に共感してもらえたのではないでしょうか」と分析する。

ラデュレは伝統や絶対的な世界観を守りつつ、あらたな風を吹き込んでくれることを彼に期待しているようだ。

メゾン・ラデュレ|バレンタインデー
メゾン・ラデュレ|バレンタインデー

そんな彼の資質を感じられるのが、2015年のバレンタインコレクションだ。「10月に就任してから、すぐにこのコレクションに取りかかりました。ポイントはフルーツとバラの香り。なかでも、バターをたっぷり使ったサブレ・ブルトンの上に、フランボワーズとジンジャーのコンフィチュール、ローズ風味の口当たりのやさしいカスタードクリーム、フランボワーズの果実を重ね、最後にローズ風味のクレーム・シャンティで飾った『サントノレ・ジュリエット』は個人的にも思い入れが深い一品です」

では、定番メニューのなかで、メンギ氏がもっともラデュレらしいと感じるものとは?

「キャラメリゼしたパイ生地に、バニラ風味のカスタードクリームを合わせた『ミルフィーユ ヴァニーユ』でしょうか。パリにいるときに、ラデュレでよく食べるのはこのミルフィーユなんです。個人的にはコーヒーベースのパティスリーが好きなので、次のコレクションではあたらしいパティスリーを作ってみたいですね」

※クリストフ・ミシャラク=2000年からホテル『プラザ・アテネ』のシェフ・パティシエを務め、パティスリー界の新世代を率いているパティシエのひとり