INTERVIEW|「サステイナブル」という哲学を共有する、世界的シェフと一流コーヒーメーカー

INTERVIEW|「サステイナブル」という哲学を共有する、世界的シェフと一流コーヒーメーカー

LOUNGE INTERVIEW

INTERVIEW|「サステイナブル」という哲学を共有する

世界的シェフと一流コーヒーメーカー

成澤由浩シェフ インタビュー(1)

昨今、衣食住のすべてにおいて、世界中で提唱されている、「sustainable(サステイナブル)」という言葉はご存知だろうか? 将来の環境や次世代利益を考えたうえでの“持続可能”を意味し、「いいもの」「美味しいもの」を味わってしまった私たちにとっては、重要なキーワードとなっている。今回、この“持続可能”というフィロソフィーに共感した成澤シェフが、「ネスプレッソAAAサステイナブル・クオリティ™プログラム」が行われている、ブラジルのコーヒー農園を訪ねた。

Text by FUJII AkiPhotographs by NARISAWA Yuko & Nespresso

「コーヒーは世界で共有している食材」だから、この目で生産地を見たかった

世界に先駆け、「サステイナビリティーとガストロノミーの融合」というテーマで、自然保護に関わる料理を発表している、成澤由浩シェフ。「レストランNARISAWA」(以下、NARISAWA)で提供される「土」のスープや「水」のサラダに代表されるように、料理によって人々に自然を意識させ、料理を通して環境問題を訴えつづけている。一方、企業としてこの“持続可能”をプログラムに掲げるのが、プレミアムポーションコーヒーのパイオニア「NESPRESSO(ネスプレッソ)」。2003年より掲げている「ネスプレッソAAAプログラム」は、高品質なコーヒー豆を将来にわたって確保し、コーヒー生産者の生活向上に貢献することを目的としている。

「NARISAWAでは、ほとんど日本産の食材のみを使用し、例外としてカカオ、スパイス(胡椒)、コーヒーのみを輸入しています。この3種の食材に関してだけは、“世界中の人が生み出す=世界で共有している”という認識をもっているので、以前から、食材の安全性や、土壌、生産者の顔をこの目で見てみたいと思っていました」

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“生産者の顔が見える”ということは、=どういう人が作り、どういった環境で作られ、どうやってその労働環境は守られているか、まで含まれているという。

「ブラジル・サンパウロから小さな飛行機に乗り、空港からは道とも言えないような自然が手つかずの場所を通って農地に向かうと、代々受け継ぐ農園者と、その下でコツコツ働いている労働者たちがいて……。やっぱりなと感じたのが、最初の印象でした」

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熱い気候と豊富な雨を必要とするコーヒーは、大半がレインフォレスト(亜熱帯地方)で作られるため、労働者階級が厳しかったり、出稼ぎや移民も多く、労働環境が過酷な場合が多々ある。労働者の立場が、雇用主に「平等・対等」と掲げ守られている先進国には、まったく追いついてはいないと想像したのだ。

「現地でおばちゃんたちが作ってくれる、黒インゲン豆(ブラジルの豆)をソーセージなどと煮込んだフェジョアーダという料理や、地元で穫れるタピオカを粉にして炒めただけの料理などをいただく機会がありました。いわゆるブラジルの家庭料理で、贅沢ではないけれどすごく美味しくて、現地の人はこの食生活を楽しんでいた。お金もそんなに必要としていないし、昨日とおなじ食事だからといって不幸せと感じているわけではなかった。『今日は中華を食べて、明日は寿司にいって、たまにはイタリアンにもいきたい』という日本のような過剰な感覚ではないんですよね」

先進国では、皆が着ているような洋服を着こなし、皆が同じようなバッグや靴をもっていて…、その“押し上げられた基準”に自分が達していないと、=満たされていない、という感覚になってしまうものだ。

成澤氏は、現地の農園での生活を見て、環境によって人間の“満たされ具合”、いわゆる幸せを感じる度合いは全然違うものだ、と強く感じていた。

そこで、このコーヒー農園で働く人々にとっては、「なにをもって“恵まれている”と感じるのか。なにが守られていなければならないのか?」を真剣に考えたという。

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「最低限、健康であって、過酷過ぎない労働に、休みがきちんと取得できているか、栄養の撮れる食事ができているか、ここで満たされるだけの賃金を得られているか…、これらが守られているかが、すごく重要だと感じました。

すでに『レインフォレスト・アライアンス』でもこういった取り組みはあるが、健康チェックや、労働時間などの基本条件に加え、炎天下での作業が避けられない労働者に帽子を推奨する指導や、機械での挽豆時は勢いで豆が飛んできたりもするので専用ゴーグルをつけて行う事など、コーヒー生産に特化させたネスプレッソのAAA(トリプルエー)は、とても理にかなっていると感じました」

ABOUT
成澤由浩

料理家。東京・南青山「NARISAWA」のオーナーシェフ。1969年、愛知県常滑市生まれ。19歳からの8年間をヨーロッパの著名なシェフのもとで過ごし、帰国と同時にオーナーシェフとして神奈川県小田原市に「La Napoul …