BMWアルピナB6 S クーペ/カブリオ|エアアウトレットの下に潜む圧倒的なエンジン
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2015年4月27日

BMWアルピナB6 S クーペ/カブリオ|エアアウトレットの下に潜む圧倒的なエンジン

BMW ALPINA B6 S COUPE/CABRIO

BMWアルピナB6 S クーペ/カブリオ

エアアウトレットの下に潜む圧倒的なエンジン

アルピナのクーペモデルといえば、1970年初めに登場した「BMW ALPINA 3.0 CSLライト・ウェイト・クーペ」(アルピナはベースモデルの開発にも参画)や1978年の「BMW ALPINA B7ターボクーペ」、そして「BMW ALPINA B12 5.7クーペ」など、いずれもグランツーリズモとしての高い評価を得たものばかり。
その伝統を受け継ぐ最新モデルが「BMW ALPINA B6 S」だ。ベースとなるのはBMW「6シリーズ」で、クーペとカブリオの2タイプを用意する。

一見してわかる違いは膨らみを増したボンネット。中央部に設けられたふたつのエアアウトレットが、その下に潜むエンジンがタダモノでないことを予感させる。事実、B6 Sのパワーユニットは、最高出力537ps、最大トルク74.0kgmという圧倒的な性能を備えているのだ。
4.4リッターのV8には“ラジアル・コンプレッサー”なるスーパーチャージャーが装着されて、わずか2500rpmの低回転ですでに200psを発揮し、大排気量エンジンのような余裕をもたらすだけでなく、高回転をも得意とすることで幅広い回転域にわたって力強い加速を実現する。

組み合わされるALPINAスポーツSWITCH-TRONICは、ステアリングホイール裏のスイッチでシフト操作ができるのはもちろん、そのシフトタイムの素早さでも、ドライバーのスポーツマインドをかきたてる。0-100km/h加速は4.5秒(カブリオは4.8秒)、最高速度318km/h(同313km/h)をマークする。

定評のサスペンションは、SACHSレース・エンジニアリング社との共同開発。ニュートラルなハンドリングを実現しながら、グランツーリズモとしての快適性を備えるところもアルピナの真骨頂だ。

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BMWアルピナB6 S クーペ/カブリオ

ボディ|全長4830×全幅1855×全高1370(1360)mm
エンジン|4.4リッターV型8気筒スーパーチャージャー
最高出力|395kW[537ps]/5500rpm
最大トルク|725Nm[74.0kgm]/4750rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|6段オートマチック
価格|2197万円(クーペ)、2387万円(カブリオ)
(2008年5月26日現在)

BRAND HISTORY
もともとスポーティかつプレミアムなクルマとして評価の高いBMW車を、独自の技術でその魅力を飛躍的に高めているのが、ドイツのいち自動車メーカーであるALPINA(アルピナ)だ。

創始者であり、現在もCEOを務めるブルカルト・ボーフェンジーペンは、事務機メーカーの「アルピナ」社を営むルドルフ・ボーフェンジーペンの息子として1936年に誕生。同社ではタイプライターなどを手がけていたが、ブルカルトの興味はクルマに向けられ、1961年に「BMW1500」のエンジンチューニングを手がけたのを皮切りにその世界に足を踏み入れ、開発を本格化。そして、1965年にはアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社を立ち上げている。これが自動車メーカー・アルピナのはじまりである。

アルピナはチューニングパーツの開発に加えて、その技術を活かすべくツーリングカーレースに参戦、モータースポーツの世界でもその名を高めることになるが、1977年にはレース活動にピリオドを打ち、自動車メーカーへの転身をはかる。

翌1978年には自らの名を掲げた3つのモデルを開発。そのひとつである「BMW ALPINA B6 2.8」は、当時4気筒エンジンしかなかったBMW3シリーズに6気筒エンジンを搭載して圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。

その後も「BMW ALPINA B10 Bi-Turbo」や「BMW ALPINA ROADSTER V8」といった名車を世に送り出しているが、ベースとなるモデルをはるかに上回るパフォーマンスと逸出したハンドリングを与えながら、洗練された乗り心地や上質なインテリアを備えるクルマづくりは、アルピナの哲学として、いまも受け継がれている。

           
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