第6回:ラットホールギャラリー第2弾は『荒木経惟展』
Lounge
2015年5月8日

第6回:ラットホールギャラリー第2弾は『荒木経惟展』

第6回
ラットホールギャラリー第2弾は『荒木経惟展』

「緊縛写巻」より。© NOBUYOSHI ARAKI

天才、荒木経惟が、自らの写真にペイントで抜く!

ラットホールギャラリーの記念すべき第1回イベント『森山大道展it』も、去る11月19日に無事終了し、22日からは、イベント第2弾となる『荒木経惟展』を開催しています。そこで今回からは、この展覧会についてと、僕にとっての荒木さんというテーマで話をしようと思います。

今回メインとなるのは『緊縛写巻』というシリーズ。これはモノクロの、いわゆる縛りの写真の上に、荒木さんがペイントによって射精している、といった趣のもので、すごく瞬発的な作品です。完全に自分の写真で“抜いてる瞬間”といってもいいでしょう。

そして写真というよりは、絵なんですよ。ヒステリックの写真集として『流石』を発表したときも、表紙は絵でしたが、僕はあれを見たときから、荒木さんの絵の才能というのは感じていました。

第6回<br><br>ラットホールギャラリー第2弾は『荒木経惟展』

写真集『流石』

出会い、そして、両取りしていいのかな? という思い

「花とヤモリンスキー」より。© NOBUYOSHI ARAKI

荒木さんとの接点のきっかけも、ヒステリックの写真集からです。森山大道さんの『青Daido』を出した直後、なにかの雑誌で、森山さんと荒木さんが対談するという企画がありました。その中で彼が『青Daido』を絶賛していたんです。森山さんの写真自体もそうですが、本としてのあり方が斬新だ、と。「この厚さでこの大きさで、しかもソフトカバーで脇に丸めて持ち歩ける。これはいいな!」と、あの荒木さん流のテンションで語ってくれていました。

その後、写真集の方は、森山さんと綿谷君とで交互に何冊か出版していたんですが、その間、僕らも荒木さんも、口には出さないのですが、なんとなく意識はしていました。でも、当時から荒木さんは、引っ張りだこでしたし、森山さんとがっちり組んでいる僕らが、ストーンズとビートルズを両取りするみたいに、荒木さんとまで組んでいいんだろうか、という気持ちはありました。

ところが、実際に声をかけてみると、荒木さんに「おお、やっときたか!」なんていわれて。そういう経緯もありながら1999年に『流石』を出せたんですが、荒木さんと森山さんが、お互いリスペクトしあっていたからこそのなせるワザでした。

■荒木経惟作品展

日程:2006年11月22日(水)~12月27日(水)
時間:12:00~20:00(月曜定休)
場所:RAT HOLE GALLERY(ラットホール ギャラリー)
港区南青山5-5-3 HYSTERIC GLAMOUR 青山店B1F
TEL:03-6419-3581

内容:本展は、「花とヤモリンスキー」、「LOVE」、「緊縛写巻」、「アラキネマ」の4つのシリーズによって構成されます。
同時に、「緊縛写巻」をモチーフにして制作された「アラキネマ」(アラーキー写真の映像版)の最新シリーズ「緊縛色淫」も初展観されます。
本展と同時に、作品集『LOVE by Leica』、および、描きおろし絵画によるTシャツなどが発売予定です。

RAT HALE GALLERY:http://www.ratholegallery.com
HYSTERIC GLAMOURオフィシャル:http://www.hystericglamour.jp
Bueno! Books:http://www.buenobooks.com

           
Photo Gallery