Chapter 4 TOYOTA BLADE meets Music|菊地成孔、珠玉のドライビングミュージックをセレクト

Chapter 4 TOYOTA BLADE meets Music|菊地成孔、珠玉のドライビングミュージックをセレクト

TOYOTA BLADE Meets Men in Style

Chapter 4

TOYOTA BLADE meets Music

菊地成孔、珠玉のドライビングミュージックをセレクト

トヨタ ブレイド&モダンジャズ、その研ぎ澄まされた個性

単なる移動を特別な時間へと導いてくれるトヨタ ブレイド。そしてそんな時間に、さらなる彩りをくわえてくれるのが音楽である。先鋭的な音楽家であり、“大人しくない大人”でもある菊地成孔氏が、トヨタ ブレイドにインスパイアされて選曲した珠玉のジャズセレクションを『iMix for TOYOTA BLADE by KIKUCHI Naruyoshi』と題してお届けする。

文=東ミチヨ写真=五十嵐隆裕

都会の埠頭と、夕日とサックス、そして黒いショートプレミアム

都会の埠頭と、夕日とサックス、そして黒いショートプレミアム。条件が揃い過ぎたかもしれない。菊地成孔氏が即興でサックスを奏でると、晴海埠頭もマンハッタンのように見えてしまう。グレイッシュな埠頭の気配に、黒いトヨタ ブレイドがクールに調和する。日が傾くほどに、マイカ塗装されたボディが、しっとりと光の粒子を際立たせる。使い古されたサックスの渋い真鍮色が温もりを感じさせるのとは対照的に、トヨタ ブレイドのボディは、どこまでもクールに夕景に響く。

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「今日の晴海埠頭はしん、としてますね。サックスの音とクルマがくわわると、なんだか’80Sっぽい雰囲気で。まぁ、街は不思議なもので、都会の埠頭はどこだってマンハッタンのように見えてしまうし、新宿から見える代々木の大きなビル、あれはエンパイアステートみたいでしょ。いろいろなものに見えてしまう」

シャッターを切るあいだ、おそらく1時間近く、菊地氏はずっとサックスを演奏しつづけていた。いえポーズだけでいいんです、などと誰かが気づかうまでもなく、街とカメラと、サックス、そしてトヨタ ブレイドとのインプロヴィゼーションがつづけられた。誰にも止められなかった。

菊地氏のバックにたたずむトヨタ ブレイドは、さながら舞台装置のようでもあり、グラマラスなリアのボリュームや、空に向かって伸び上がるようなルーフライン、シルバーのトリムとブラックボディの2トーンカラーが、ジャズに似合いの気配を演出する。

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Duke Ellington
“Money Jungle”

from Money Jungle

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Miles Davis
“Solar”

from Walkin’

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菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール
時さえ忘れて

from New York Hell Sonic Ballet

トヨタ ブレイドとモダンジャズに共通する価値

そんなトヨタ ブレイドで走るなら、どんなジャズが合うだろう? 音楽家であり、“大人しくない大人”でもある菊地成孔氏に、デイとナイトという2つのシーンに分けてドライビングミュージックを選曲してもらった。なかでも印象深かったのは、「マネージャングル」「ソーラー」だ。まるで高速道路を疾走するエンジンのように、力強いリズムを刻むのだ。軽快さのなかにある逞しさ、情熱は、2.4リッター直4エンジンのトヨタ ブレイドの走りや息づかいを想像させるほど。

「デューク・エリントンの『マネージャングル』は、当時アメリカの60年代においては、すごくアグレッシブな音楽でした。これにはエピソードがあって、ベースとドラムが演奏直前までケンカしてたんです。ものすごいやりあったんだけど、そのまま演奏して録音したっていう。50、60年代のジャズ演奏って多いんですよ、そいういうの。すごく殺気立ってる。でもその抑え切れない感情は、音楽を演奏するのに悪いことにはならないんです。それこそ大人しくない大人、の音楽ですよね。またマイルス・デイビスの『ソーラー』は、モダンジャズらしいミニマムな音楽。小編成でシンプルなんだけれど、スピード感やパワーがあるという」

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そんなモダンジャズのスピード感、研ぎ澄まされた強烈な個性は、トヨタ ブレイドの“ショートプレミアム”という価値観にも通じるかもしれない。全長4260mmというショートなボディに、最高出力167psの2.4リッターエンジンがもたらすパワフルな走りと、内装にもこだわった優れた質感が凝縮されている。革の質感を装ったダッシュボードや近未来的デザインのセンタースタックは「移動するリビングのようですね」と菊地氏も納得。だからこそジャズもドライブしながら心地よく聴けるのだと。必要以上にスケールを拡げることなく、ある種の感性をぎゅっと凝縮させること。そこにはしたたかな個性もうかがえる。

シンクロし合う、ジャズとモータリゼーション

「でもジャズのスタイルが変わった背景のひとつに、モータリゼーションの変化もあるんですよ。戦前はビッグバンドでやるスイングが主流だったけど、その時代、40年代の移動は汽車だったんですね。ゴージャスなあの音楽は、列車に乗って行こうよっていう、そういう感じでしょ。でも戦後になって小編成のコンボになった。長距離運転、マイカーが一般化してきた時代で、少人数でクルマでパーンと移動するわけです。速いんですよ。だから音もミニマムで早い。ジャズメンはみんなスピード感が好きなんです」

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──菊地さんもスピード感がお好きで?

「演奏してる時間にもスピードを感じてます。それは一種の聖なる時間ですね。たかだが2時間か、短ければ40分くらい。でもそのたった40分のために生きてるんですよ。その時間はほかのライフワークの時間と、まったく意味ちがいますから。何が起こるかわからないし、思ったとおりにならないし。うまくいったら極端に素晴らしい何物にも代えがたいものがあるんです」

たとえ人生のほんのわずかな一瞬でも、そこに情熱を注いでしまうのは、大人しくない大人なればこそ。スピード感溢れる聖なる時間を、トヨタ ブレイドと一緒に過ごしてみるのも悪くない。

KIKUCHI Naruyoshi|菊地成孔
音楽家/文筆家/音楽講師。1963年千葉県銚子市生まれ。85年、横須賀米軍ベースでフィフス・ディメンションズのバックバンドのサックス奏者として音楽家デビューを果たす。その後、山下洋輔グループなどのメンバーとしてキャリアを磨き、現在にいたるまでジャズ界はもちろんのこと、ポップ、前衛、クラブなど、各界にてその名を知らしめる。2007年には菊地成孔ダブ・セクステットを結成。音楽講師としては私塾である「ペンギン音楽大学」をはじめ、02年よりアテネ・フランセ運営の「映画美学校/音楽美学講座」楽理・編曲科主任講師を継続中、04~5年にかけては東京大学教養学部非常勤講師(「ジャズ~20世紀アメリカ史」「マイルス・デイヴィス研究」)として講鞭を執る。06年からは国立音楽大学の非常勤講師(ジャズ理論史)に就任。 新たな学術領域に入る。「音楽家」「作家」「ジャーナリスト」と、多岐にわたるその才能は時として「時代をリードする鬼才」「現代のカリスマ」「疾走する天才」などと称される。日課は散歩とストレッチ。ふたご座のAB型。最新作に『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』(菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール/ewe records)、近著に『ユングのサウンドトラック 菊地成孔の映画と映画音楽の本』(イースト・プレス)がある。

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ABOUT
KIKUCHI Naruyoshi

音楽家/文筆家/音楽講師。活動、思想の軸足をジャズ・ミュージックに置きながら、ジャンル横断的な音楽、著述活動を旺盛に展開。2010年、世界ではじめて10年間分の仕事をUSBメモリに収録した全集『闘争エチカ』を発表。2011年にはインパルス・レーベルと契約を結び、DCPRG名義で『Alter War In Tokyo』をリリース。主な著書に『スペインの宇宙食』(小学館)、『M/D~マイルス・デューイ・デイヴィス3世研究』(河出新書)がある。http://www.kikuchinaruyoshi.net/