ルノー5に捧ぐ、本格スポーツ コンセプトカー登場|Renault

ルノー5に捧ぐ、本格スポーツ コンセプトカー登場|Renault

CAR NEWS

Renault Twin’Run Concept|ルノー トウィンラン コンセプト

ルノー5やクリオV6の進化版

V6ミッドシップの本格スポーツ コンセプト

ルノーは、71回めの開催となるF1モナコグランプリにおいて、コンセプトカー「トゥインラン コンセプト」を発表した。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

本気のスポーツコンセプト

今回、モナコで披露されたコンセプトカーの名称は「トゥインラン(Twin’Run)」。その名前のとおり、今年4月にミラノ トリエンナーレで発表された「トゥインジー(Twin’Z)」の双子(twin)モデルにあたる。

チューブラーフレームにガラス繊維ポリエステル複合素材で作成されたボディシェルを被せるという構造、ぎりぎりまで四隅に配置された四輪、その結果として限界まで切り詰められたオーバーハング、腰高のラインなど、兄弟としての共通点は多い。

ただし、トゥインジーがピュアEVであったのにたいし、トゥインランは、全長わずか3,680mmという小さなボディに3.5リッターV6エンジンをミッドシップする、本格スポーツカーだ。

運転席とはアクリルガラスで隔てられた、リアアクスル前のスペースに縦置きされるこのV6エンジンは、ワンメイクレース用車両「メガーヌ トロフィー」に搭載される、最高出力320psを発揮するV4Y型。日産ではVQ35型という名称で知られ、「スカイライン」や「フーガ」で採用されているものだ。駆動は後輪。これも双子のトゥインジーと同じレイアウトだ。組み合わされるトランスミッションは、LSD付きのSADEV社製6段シーケンシャルギアボックス。

MRというレイアウトのため、燃料タンク、ラジエーター、油圧系統などそのほかのコンポーネントはボンネット下へおさめることで重量配分を調整し、前43:後57という重量比を実現している。

フロントおよびリアのサスペンションは、独立懸架のダブルウィッシュボーン式。そこに、フロント22m、リア25mm径のアンチロールバーが組み込まれ、機敏さとコントロール性能の向上に貢献する。ショックアブソーバーには、OHLINS社製のスプリングを採用。

開発には、フランスの競技用車両のスペシャリストTork EngineeringとPoclain Vehiculesの全面協力をうけ、ボディからクラッチに至るまで、レースフィールドからの数々のフィードバックを受けている。

2ボックスタイプのトゥインラインは、高速走行時にどうしてもリフト(車体を持ち上げようとする力)が発生する。それを抑えるために装着された、巨大なリアのウィングや、車体底面に刻まれるスリットには特に注力したという。

Renault Twin'Run Concept|ルノー トウィンラン コンセプト

往年のラリーカー「ルノー5」に捧ぐ

トゥインランは、ルノーが推進するデザインストラテジー“ライフサイクル コンセプト”に基づく、第5番「Play」を表現するという。ライフスタイルコンセプトは、人生のなかで重要なことを6つのキーワードで表現し、それをテーマにクルマのデザインをおこなうというものだ。それぞれのパートにはカラーが割り当てられており、「Play」はブルー。つまり、今回のトゥインランとともに前回のトゥインジーも、Playを表現するということになる。

トゥインランのボディカラーには、スポーティな赤がアクセントとして、ボディ側面のラインやフロントのグリル、インテーク、さらにはホイールの縁にあしらわれている。そして、ボディ側面にペイントされる「5」は、このクルマがオマージュを捧げる2台のクルマのうちのひとつ、80年代にラリーで活躍した「ルノー5」に由来するものだ。ちなみに、もう1台は「クリオV6(ルーテシアRS V6)」。

特徴的な四角い追加ライトをふくめ、ヘッドライトにもルノー5のデザインを受け継いでいる。しかし、トゥインランの追加ライトは、わずか25mmという極薄型のLEDライトで、これが開発されてはじめて、この車両の製作が可能になったという。

トゥインランの開発には、「ルノー5」でモンテカルロ・ラリーを征したドライバー、ジャン・ラニョッティ氏も参加しており、はじめてのテスト走行後に「ルノー5とくらべてパワフルで扱いやすい。そして、バランスと乗り味はルノー5をおもいおこさせる。マキシ5ターボの代わりとしても申し分ない」と述べたという。

Renault 5|ルノー 5

Renault 5|ルノー 5

内部はむき出しのチューブラーフレーム構造やカバーのないスポーツハンドルなど、競技車両の雰囲気が漂うが、ドアパネルとダッシュボードに赤と黒のアルカンターラ調のスウェードを配し、スパルコ製のバケットシートは3段階のグラデーションのアルカンターラが採用され、フランス車らしいデザイン的な気配りも忘れてはいない。

ハンドルの奥に置かれる鮮やかなホワイトのコンソールには5.5インチのLCDを備える。レッドとブルーのページ切り替えで、速度、ギア速度、エンジン回転数、燃料圧、クラッチ圧、油圧が表示される。左右にある赤いインジケーターのアナログメーターは、油温計と水温計だ。

シフトチェンジが素早くおこなえるよう、シフトレバーはハンドルのすぐ横に、ハンドルとおなじ高さで配され、さらにサイドブレーキがならぶ。これは、デモンストレーションの際に観客にクルマを360度見せられるようにという配慮だそうだ。つまり、スピンターンやドリフトを前提としているという意味だ。

今回のトゥインラン コンセプトは、競技も視野に入れた本格スポーツカーコンセプトだが、2台の双子のコンセプトカーからは、次期トゥインゴをはじめとした、ルノーの今後のコンパクトカーのデザイン方向性がみてとれる。

spec

Renault Twin’Run Concept|ルノー トウィンラン コンセプト
ボディサイズ|全長 3,680 × 全幅 1,750 × 全高 1,493 mm
トレッド 前/後|1,522 / 1,497 mm
エンジン|3,498 cc 60°V型6気筒 24バルブ 縦置き
ボア×ストローク|95.5 × 81.4 mm
最高出力|320 ps / 6,800 rpm
最大トルク|380 Nm / 4,850 rpm
トランスミッション|6段シーケンシャル(LSD付き)
重量|950 7kg
サスペンション(前)|ダブルウィッシュボーン式
サスペンション(後)|ダブルウィッシュボーン式
ブレーキ(前)|ベンチレーテッドディスク(φ356 x 32 mm 6ピストンキャリパー)
ブレーキ(後)|ベンチレーテッドディスク(φ328 x 30 mm 4ピストンキャリパー)
タイヤ(前)|205 / 40 R 18
タイヤ(後)|245 / 35 R 18
駆動|MR
0-100km/h加速|4.5秒
最高速度|250 km/h