マクラーレン「セナ」のサーキット専用車「GTR」を公開|McLaren
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2019年5月13日

マクラーレン「セナ」のサーキット専用車「GTR」を公開|McLaren

McLaren Senna GTR|マクラーレン セナ GTR

マクラーレン セナのサーキット専用車「GTR」を公開

マクラーレン オートモーティブは、伝説のレーシングドライバーである故アイルトン・セナの名を冠した公道走行可能なスーパーカー「マクラーレン セナ」をさらに進化させたサーキット専用車「セナGTR」の実車を公開した。

Text by HARA Akira

825psの4.0リッターV8ツインターボ搭載

マクラーレン「セナ GTR」が搭載する型式M840TRの4.0リッターV8ツインターボエンジンは、最高出力825ps、最大トルク800Nmを発生。標準モデルからエンジン制御システムを変更するとともに2次触媒を取り外すことで最高出力が25psアップした。

乾燥重量はマクラーレン市販モデル中最軽量となる1,188kgになるため、パワーウエイトレシオは694ps/トンという圧倒的な数字となる。トランスミッションは標準モデルと同じローンチコントロール機能付きの7段+リバースのシームレス シフト ギアボックス(SSG)を採用している。

エアロダイナミクス面での進化も著しい。2018年に発表された「セナ GTR コンセプト」に比べてフロントスプリッターの形状変更やリアディフューザーの小型化、リアウイングのデザイン変更とより後方への取り付けなどが行われており、ダウンフォースは標準モデルが250km/h走行時に記録した800kgを大きく上回る1,000kg超を達成。さらにダウンフォースの「上昇カーブ」が完全に異なり、15パーセント遅い速度域で同レベルの数値を確保しているという。

また、高速コーナリングだけでなく低速コーナリングやブレーキング中でも効果を発揮するため、あらゆる状況でバランスのとれた走行が可能になったという。

McLaren Senna GTR|マクラーレン セナ GTR

マクラーレン セナのサーキット専用車「GTR」を公開 (2)

わずか75台の生産

ボディはマクラーレン モノゲージIII-R構造のカーボンファイバー製セルを採用し、車高は公道走行用のセナより34mm低い1,195mm。フロントトレッドは77mm広い1,731mm、リアトレッドは68mm広い1,686mmとなっている。

ウインドスクリーンと、スライド式のチケット用開口部がついたサイドウインドウはポリカーボネート製となり、給油口はレーススタイルのダンプチャーン タイプを採用。フロント10J、リア13Jの19インチ センターロック式ウルトラ ライトウェイト アロイホイールにはピレリ製スリックタイヤを装着している。

サスペンションはロード用の可変式ライドコントール式から、シンプルで軽量なレーシングプログラム用GT3のものに変更。ブレーキは「720GT3」マシンより大きな390mmの多層構造カーボンセラミック ディスクを採用し、リアウイングのエアブレーキ機能と相まって、サーキット用マシンに比べて20パーセントの性能向上が見られるという。

インテリアは、購入者のほとんどが左ハンドル地域に在住することから、全車左ハンドル仕様。シートは6点式ハーネス付きのレーシングシートとし、パッセンジャー用は無償オプション扱いとしている。

サーキット専用車であるため、エアバッグ、インフォテインメント、その他ドライバーサポート機能は装備されず、代わりに1ボタン1機能が割り振られたレース用クイックリリース式ステアリングホイールや、衝突回避レーダーを通じて背後の車両との距離をカウントダウンするポッドサイドのLED、リアカメラの画像を表示するセンターディスプレイが標準装備される。

セナ GTRは、英国サリー州ウォーキングのマクラーレン プロダクション センターでわずか75台のみが限定生産され、2019年9月から納車が開始される予定だ。価格は税込110万ポンド(約1億5,700万円)。2018年ジュネーブモーターショーでのコンセプトモデル発表後から注文受付を開始したが、数週間で完売したという。

           
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