EU離脱へ向かおうとするイギリス。その市井の人々を撮影した写真集『EXIT』|KOOMI KIM

KOOMI KIM|EU離脱へ向かおうとするイギリス。その市井の人々を撮影した写真集『EXIT』

LOUNGE ART

KOOMI KIM|キン クミ

2019年3月29日にEU離脱へと向かおうとするイギリス。その市井の人々を撮した写真集『EXIT』が刊行

2019年3月29日にBOOTLEGより刊行される金玖美の写真集『EXIT』。本作の撮影地であるイギリスは、刊行同日、BREXITーEU離脱へと舵を切る。2016年、国民投票でイギリスは図らずもEUからの離脱を選択した。いわば移民を減らし、多様性を制限しようとするこの動きによって、多文化、多民族への寛容さが失われることを写真家は憂慮し、本作の発表に至った。写真集の発売を記念し、BOOTLEG GALLERYでは写真展「EXIT」を開催。国境やジェンダーを越えた人々と共生しながら撮られた写真は、現実とも空想ともとれる、未視感を憶える世界が広がっている。

Text by WAKABAYASHI Satsuki

写真家が写しだす、愛すべき他人たちのストーリー

2016年6月の国民投票で、EU離脱を選択したイギリス。いわば移民を減らし、多様性を制限しようとする国家の動きによって、多文化、多民族への寛容さが失われることを憂慮した写真家・金玖美は、かつて自身も暮らしたロンドンを訪ね、市井の人々を写真に収めた。

彼女にとってイギリスは幼少の頃から思いを馳せた地であり、2004年より15年間、市井の人々と情景を撮り続けている。更に2016年の国民投票後、彼女はドーヴァー、マンチェスターへも足を伸ばした。こうして誕生した写真集『EXIT』。

発売を記念して2019年3月29日よりBOOTLEG GALLERYにて写真展「EXIT」も同時開催され、3月30日(土)には都築響一氏をゲストに迎え、トークイベントも予定している。

KOOMI KIM
KOOMI KIM

残留の一票を投じるために、家族を守るために、英国籍に変えたドイツ人男性。金があればEU離脱なんてどっちでもいいと言う黒人青年。不法占拠を続け、その暁にフラットを自分のものにした、イギリス人画家。初めて会ったその日に、「家で子供を産むから写真を撮りに来ない?」と持ちかける妊婦。EU離脱というより、日々の生活が心配だと嘆く若きシングルマザー・・・。EU離脱というと政治家や財界人などの要人に焦点が当たりがちではあるが『EXIT』は単身者、カップル、家族…という市井の人々にフォーカスを当てた写真集である。

被写体との距離感には、親密さの度合いに関わらず俯瞰的な視点が含まれている。だからこそ本作の写真は時系列に沿わず、そこに宿る物語を多義性のあるものへと開放している。

ここには1枚1枚の写真に潜むストーリーを鑑賞者自身が想像し、思いを巡らすきっかけとなればという願いも込められている。2019年3月29日を目前に、未だ混沌としているイギリス。その市井の人々のストーリーを見て、あなたは何を感じ、想像するのだろうか。

金玖美写真集『EXIT』
価格|4000円(税別)

展覧会「EXIT」
会期|2019年3月29日(金)~ 4月14日(日)
時間|12:00~20:00(会期中無休)
入場料|無料
会場|BOOTLEG GALLERY
住所|東京都新宿区改代町40 1F

トークイベント
日時|3月30日(土) 14:00~
ゲスト|都築響一(編集者)
会場|BOOTLEG GALLERY 
住所|東京都新宿区改代町40 1F

日時|4月7日(日) 14:00~
ゲスト|尾原史和(アートディレクター/ブートレグ)
会場|青山ブックセンター本店
住所|東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山ガーデンフロア

問い合わせ先

メーカー名

Tel.03-5738-8921

http://www.bootleg.co.jp