深化するホスピタリティ(後編)|TRAVEL

TRAVEL|深化するホスピタリティ(後編)

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TRAVEL|リニューアルで見えてくる進化した街の食文化

シェラトングランド・シドニー・ハイドパークへ(後編)

オーストラリアを代表する都市、シドニー。オペラ・ハウス、アーチ頂上まで登るブリッジ・クライムが人気のハーバー・ブリッジなど、アイコニックな建造物でも知られる世界有数の人気観光地だ。さらには、カンガルーやコアラなど固有の動物と出会えるタロンガ動物公園、そして、世界有数のワイン産地としてもしられるハンターバレー、ボンダイやクージーといった風光明媚なビーチ、先住民アボリジニによる岩絵が観られるマークス・パーク、スリー・シスターズと呼ばれる奇岩で有名なブルー・マウンテンズ国立公園など、オーストラリアを体感できる観光地への拠点だ。自然、美食、文化。オーストラリアの魅力が凝縮された街で、どうホテルを選ぶのか。ホテルは、その街を知るための最初の、そして最良の入り口であってほしい。

Text by MAKIGUCHI June

多様性が生み出す豊かなフードカルチャー

旅に”体験“を求める旅人にとって、地元との繋がりが深いホテルは理想的な拠点だ。オーストラリアを代表するシドニーのような場所ならなおのこと。大都市ほど、ローカル文化と触れ合うのは難しい。ならば、”Heart for the city”をキャンペーンに掲げ、街に寄り添うという立ち位置を新たに表明したシェラトングランド・シドニー・ハイドパークはうってつけだろう。


シドニーのビジネス中心街、ハイドパークに隣接するという絶好のロケーション。アイコニックなハーバー・ブリッジやオペラ・ハウスのあるシドニー湾までは約1.5kmの距離にある。5月24日から6月15日までは、人気のライトアップフェスティバル“Vivid Sydney”が開催され、街はこれまでにないほどの美しい光に彩られる。それを楽しむのもいいだろう。

とはいえ、すでに何度かこの都市を訪れているなら、有名観光地を訪れるだけでは満足できないはず。そこで提案したいのが、街のムードを如実に映し出す食文化の探求だ。他にはない固有の食材と、多くの移民がもたらした異なるフードカルチャーがユニークな融合を生み出すことから、年々評判を上げているオーストラリア料理。シェラトングランド・シドニー・ハイドパークがオープンしたのは24年前。当時よりも遥かに食文化やカフェ文化が成熟してきたシドニーの、グルメ都市への変貌をホテルに居ながらにして感じることができる。そんな風にして街の入り口的な役割を担うことも、ホスピタリティの一部なのだ。

ホテル2Fのメインダイニング「Feast Restaurant」は、予約が必要な人気店。インターナショナル・シーフード・ブッフェでは、シドニー名物の新鮮な魚介類が所せましとカウンターに並ぶ。

ロビーに隣接するラウンジでは、英国文化を継承する伝統的なアフタヌーンティーや、オーストラリアが世界に誇るコーヒーで、大切な人とのひとときや、大事なアポイントメントの時間を落ち着いて過ごすことができる。

ホテルでオーストラリアの食文化を感じたら、ぜひ街に出てその豊かさをさらに肌で感じたい。まず、シーフード好きにおすすめしたいのが、世界有数の水揚げ高を誇る「シドニー・フィッシュ・マーケット」。ダイナミックに海の幸を味わいた人にはうってつけの場所だ。人気観光地だけに、海外からの旅行者が目立つ。

中に入ると、数十件の店が立ち並ぶアーケードが出現。各店舗にカキ、エビ、ホタテ、サーモンなど新鮮なシーフードがショーケースに並べられている。

すでに調理されているものも売られているが、自分で選んだ食材を焼いたり、揚げたり、刺身にしたりと、好みの方法で調理してもらうことも可能。そのまま、お皿に盛ってもらい、敷地内の酒屋でワインを買ったら、空いた席を確保してさっそくいただく。市内の高級店よりもリーズナブル、早く気軽に美味しい魚介が楽しめる。ハーバー側にもテラス席があるので、お天気の良い日はピクニック気分を味わうのもいい。

すこし優雅にディナーをというときに、訪れて欲しいのが、中心部から車で15分ほどの場所にあるシドニー湾の東側に位置するローズ・ベイにあるファインダイニング・レストラン「カタリーナ」。1994年、まだオーストラリア料理が世界に注目される前から、シドニーの食通たちを唸らせてきたファミリー経営の名店だ。

24年に渡り、この街の、そしてオーストラリアのグルメを牽引し続けている。シドニー湾を一望でき、しかもウォーターレベルにありながら、落ち着いた雰囲気でテーブルを囲むことができる場所は、実はそれほど多くない。予約の取りにくさで知られるが、2008年の改装時にはアウトドアバーも増設し、よりカジュアルに訪れることができるように。

食事はシンプルながらモダンなアイディアが適度に添えられており、創り込みすぎないところに素材への敬意を感じさせる。新鮮なシーフードを中心に、ワインとの絶妙なマリアージュを味わえる料理ばかりだ。

”茹でたオーストラリアザリガニ、ラディッシュ、アイオリとディル、オレンジのドレッシング““シドニー・ロック・オイスター、ラムの野菜添え、スモーク・ガーリック・クリームとフレンチオニオンのソース““マルキーズ・ショコラ ポーチド・チェリー&チェリーヨーグルト・アイスクリーム添え”などのシグネチャー・ディッシュをはじめ、季節感あふれるメニューに目移りしそうだ。

限られた滞在期間で絶対に失敗したくないなら、ホテルに近場のおすすめを訪ねるのもいい。時間がない人にと教えてくれるのが、シェラトングランド・シドニー・ハイドパークから徒歩30秒ほど、まるでホテル内にあるかのように近場のイタリアンレストラン「バンビーニ・トラスト」だ。今や、オーストラリアの名物のひとつとなったコーヒー・カルチャー。イタリア移民が多いことが発展の秘密とも言われるが、料理界でもその貢献は大きい。イタリア料理店も数多く、本場の味が楽しめると評判だ。ここ「バンビーニ・トラスト」は、朝から晩までイタリアらしい食が味わえるところ。朝はエスプレッソを、昼はサラダやパニーニのテイクアウェイも、夜はワインを片手にパスタやメインディッシュを味わえるヨーロッパテイストの店だ。

そしてオーストラリアに来たのなら、時間を作って訪れたいのがカフェ。街の至る所に、個性的な個人経営の店が並んでいる。サードウェーブを牽引したオーストラリアだけに、コーヒーが美味しいのは言うまでもない。朝や昼に、お腹を空かせて挑んで欲しいのが、バリエーション豊富なフードの数々。パンケーキやワッフルといったクリームとフルーツたっぷりなスウィーツ系から、新鮮野菜やしっかりお肉が添えられたボリューム系まで、店ごとに人気メニューが用意されている。


地元の人々は、家や職場の近くにお気に入りの店を持ち、日に何度も通うという。そんなシドニーの日常を探しに、ぜひ自分の足で歩いてみて欲しい。そして、隣り合った地元の人と話してみると、もっとディープな街情報が見つかるだろう。カフェはそれができる絶好の場所。ラッキーなことにオーストラリアは人種のるつぼであり、シドニーは大都市ながら、そんな偶然の出会いさえ決して珍しくないフレンドリーな街なのだ。


そうやって、街の素顔を覗いてみれば、その街の魅力を発見することができるだろう。旅慣れた人々が求めるものこそ、その土地ならではの個性。シェラトングランド・シドニー・ハイドパークを拠点に、これまでとは違った街の魅力を発見してみては。

シェラトングランド・シドニー・ハイドパーク
161 Elizabeth Street, Sydney NSW Australia 2000
https://www.marriott.co.jp/hotels/travel/sydsi-sheraton-grand-sydney-hyde-park/

シドニー・フィッシュ・マーケット
Corner Pyrmont Bridge Road &, Bank St,
Sydney NSW 2009
https://www.sydneyfishmarket.com.au/other-languages/japanese

Catalina
Lyne Park, Rose Bay
Sydney, Australia
http://catalinarosebay.com.au/

Bambini Trust Restaurant & Wine Room
St. James Trust Building
185 Elizabeth Street, Sydney NSW Australia 2000
http://www.bambinitrust.com.au/

オーストラリア政府観光局
https://www.australia.com/ja-jp/places/sydney.html

ABOUT
牧口じゅん

牧口じゅん|MAKIGUCHI June 共同通信社、映画祭事務局、雑誌編集を経て独立。スクリーン中のファッションや食、音楽など、 ライフスタイルにまつわる話題を盛り込んだ映画コラム、インタビュー記事を女性誌、男性誌にて執筆中。