POGGY’S FILTER|vol.1 VERBALさん(後編)

POGGY’S FILTER|vol.1 VERBALさん(後編)

POGGY’S FILTER

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UNITED ARROWS & SONS(ユナイテッドアローズ&サンズ)のディレクターとして活躍しながら、昨年(2018年)より自らの会社を立ち上げ、ファッションの世界の中で新たなステップを踏み出した小木“POGGY”基史氏。そのPOGGY氏による対談連載『POGGY’S FILTER』の第2弾は、前回に引き続き、音楽とファッション両方の世界で活躍し、日本を代表するクリエイターであるVERBAL氏との対談の後編をお届けしたい。

Interview by KOGI “Poggy” MotofumiPhotographs & Text by OMAE Kiwamu

カニエ・ウェストにも影響を与えた、VERBALのスタイリング美学

POGGY ちょっと話を昔に戻したいんですけど。ヴァージルがアンブッシュ®をRSVPで扱い出した、2007、8年頃は、まだストリート系のブランドはストリート系のお店、ハイファッションはハイファッションって、はっきりと分かれていた時代でした。でもカニエとかヴァージルとか、VERBALさんもそうだと思うんですけど、その真ん中の存在の人たちが出てきて、新しい流れが生まれ始めていたと思うんですよ。例えば、ヒップホップのファッションでも、今までルーズなサイズ感だったのが、スキニーパンツを履き出すようになったり。VERBALさんはそういう流れを見ていて、どう感じていましたか?

VERBAL 僕は今でも感謝しているんですけど、自分の「もっといろんな格好が出来るはず」っていう欲求を、YOONがスタイリングで満たしてくれていたんです。僕はラッパーなんで、スタイリストを雇うと、いわゆるベタなヒップホップブランドを持ってきて。けど、僕はもうちょっとひねりというか、違うもの同士が合わさった時の相乗効果を求めていました。「RAF SIMONS(ラフ・シモンズ)とか着ちゃダメなの?」とか思っていたら、YOONが「着ればいいじゃん」みたいな感じで言ってくれて。だから、ラフ・シモンズとかHedi Slimane(エディ・スリマン)時代のディオール・オムとかを買い漁って、全部衣装にしていました。

POGGY 当時、そういう同じような感覚の人って周りに誰かいましたか?

VERBAL 全然、いなかったです。当時、カニエからも「これはどこで買った?」とかよく聞かれていましたね。カニエのブログに、“フレッシュキッド”みたいなシリーズがあったんですけど、どこかネットから拾ってきた僕の写真を、自分のブログへご丁寧にアップしてくれてて。

POGGY あ〜、確かに、よくカニエのブログに登場していましたね。

VERBAL BURBERRY(バーバリー)が出していたナポレオンジャケットを僕が着てたら、カニエから「それどこで買ったの?」って聞かれて、「バーバリーだよ」って教えたら、その翌週にはもう同じの着ていたり。

POGGY (笑)

VERBAL 当時、そういう変わったものが出ると、それを買って普段使いするのは大体、アーティストで。そういうのばかり刺さるようなコミュニティの一つが、カニエ達でした。そのすぐ近くにいたのがヴァージル。ヴァージルもストリートとかヒップホップとかが好きな上に、ちょっと違うものに目を向けているみたいな感じだったので、話も合いました。そういう意味では、日本では、オオスミ(タケシ)さん(元スワッガー/フェノメノン、現MR.GENTLEMAN(ミスター・ジェントルマン)デザイナー)は近いものがありました。同じ格好っていうよりも、好きなものの感覚が同じでしたね。

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