名車の血をひく新型アルピーヌ「A110」に試乗|Alpine

名車の血をひく新型アルピーヌ「A110」に試乗|Alpine

CAR IMPRESSION

Alpine A110|アルピーヌA110

ラリー界を席巻した名車の血をひく新型アルピーヌ「A110」に試乗

オリジナルA110のノウハウが息づいている

復活を遂げた名門ブランド「アルピーヌ」が、現代に蘇らせた「A110」は一体どんなスポーツカーに仕上げられているのか。日本に導入されたばかりのカタログモデルに、富士スピードウェイのショートサーキットと周辺のワインディングロードで試乗した。

Text by NANYO KazuhiroPhotographs by KAWANO Atsuki

2つのA110、20kgの差をどう捉えるか

2018年夏、日本でも待望のデビューを飾ったものの、初回限定50台の「プルミエール エディション」が抽選で発売されたアルピーヌ「A110」。この冬からはパーマネントラインナップとして、「ピュア」と「リネージ」というふたつのカタログモデルがついに展開された。平たくいえば限定バージョンの縛りが解けて、望めばアルピーヌA110が全国各地のディーラーで試乗し、気に入れば買い求めることができるようになったのだ。前者が790万〜811万円、後者は829万〜841万円となる。

ラリー界を席巻した名車の血をひく新型アルピーヌ「A110」に試乗 02
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1990年代を最後に途切れてしまっていたスポーツカーメーカーが、たった1車種で何百種類ものモデルがひしめく日本市場に返り咲いたのだから、クルマ好きには慶事だといっていい。そして実際に、試乗したならば、その魅力に抗うことは相当に難しい。説明しよう。

ピュアとリネージの違いは、前者はサベルト製の軽量モノコックバケットシートを採用し、後者はブラウンのレザーが張られた内装&シートで、シートヒーターも備わること。他にもピュアにはない、ボルトによる3段階のシート座面高アジャスターやリクライニング調整、またフォーカル社製4スピーカーシステムにはサブウーファーもパッケージされ、ホイールもフックス製の鍛造アルミホイールではなく、同径ながらブラックに塗られた自社製を履く。

かくして車両重量はピュアが1,110kgであるのに対し、リネージはプラス20kgの1,130kg。加えてタイヤサイズこそピュアと同様ながら、トレッドは前後ともプラス15mmほどワイドなフロント1,570mm、リア1,565mmとなる。ジオメトリーセッティングを違わせてまで、20kg増の影響を最小限に留めたのだ。

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こう聞くと、より無駄のないピュアの方がスポーツカーとして上のように聞こえるかもしれないが、シートの調整幅は快適性の追求というより背の高い人に合わせるための最低限の方策といえる。むしろ快適性に貢献するのは、真冬の朝一番のような場面で使えるシートヒーターだろう。

ちなみに身長175cmの筆者はピュアでも、シートレールの前後スライドとステアリングのテレスコピック調整の上下で、すぐ最適なポジションが得られたが、ブラウンレザーの色と雰囲気も鑑みて個人的にはリネージに軍配を上げる。いずれも左ハンドル仕様も選べるが、シフトのセレクタはP/D/Rのボタン式で、2ペダルの7段ツインクラッチATをパドルシフトで操作する以上、MT車と違って左ハンドルを選ぶメリットは薄いといえる。