アストンマーティンの次世代フラッグシップ、DBSスーパーレッジェーラが日本デビュー|Aston Martin
CAR / NEWS
2018年6月29日

アストンマーティンの次世代フラッグシップ、DBSスーパーレッジェーラが日本デビュー|Aston Martin

Aston Martin DBS Superleggera|アストンマーティン DBS スーパーレッジェーラ

アストンマーティンの次世代フラッグシップ

DBSスーパーレッジェーラが日本デビュー

アストンマーティン ジャパンは6月27日、次世代フラッグシップとなる新型2ドアスポーツモデル「DBSスーパーレッジェーラ」を、東京・北青山のアストン・マーティン東京でジャパンローンチした。

Text by HARA Akira

725PS、900NmのV12を搭載

新型「DBSスーパーレッジェーラ」は、アストンマーティンのフラッグシップとして大成功を納めた「ヴァンキッシュS」の後継モデルだ。これにより、輝かしい伝統を誇る2つの名称が復活することになった。

まず「DBS」とは、アストンマーティンが1967年に初めて使用したアイコンモデルの名称であり、「スーパーレッジェーラ」は、イタリアのコーチビルダー、トゥーリングが先鞭をつけた革新的軽量形状へのオマージュということになる。

この日報道陣にお披露目された純白のDBSスーパーレッジェーラを前に、まず登壇したのは、同社アジアパシフィック地域プレジデントのパトリック・ニルソン氏だ。

「アストンマーティンは、1913年に設立された最も古い英国のラグジュアリーカーの会社です。105年の歴史の中で、9万台を生産しました。マスプロダクションの会社なら、たった一週間で生産できる台数ですが、すごいのはその95パーセントがいまでも走っていること。我々の使命は、世界で最も美しいクルマを作ることなのです」と同社を紹介。

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さらに「DBSスーパーレッジェーラとは、ご存じの通り、究極のスーパーGTを示す名前です。その称号にふさわしいものとするため、パフォーマンスとデザインのハードルを上げ、ヘリテージと軽量化のエッセンスを加えました。このクルマが皆さんを失望させることは決してありません」と、新型モデルに太鼓判を押した。

次に車両概要を説明したのは、アストンマーティン ジャパンの寺嶋正一マネージングダイレクター。車両をバットマン映画にたとえ、「バットマンの役者であるブルース・ウェインは、変身前はクールで知的なジェントルマンであり、彼がDB11だとすると、新型DBSは変身後のバットマンそのものです。どう猛なGTであり、ダークアートの世界を表現したクルマです。最高レベルのパフォーマンスとクラフツマンシップ、デザインが特徴であり、スポーツカーシリーズの頂点として開発されました」と紹介した。

Aston Martin DBS Superleggera|アストンマーティン DBS スーパーレッジェーラ

アストンマーティンの次世代フラッグシップ

DBSスーパーレッジェーラが日本デビュー (2)

0-100km/h加速は、わずか3.4秒

フロントミッドにマウントされたアストンマーティン製5.2リッターV12ツインターボエンジンの最高出力と最大トルクは、725psと900Nmに達し、強大なトルクは、フェラーリの「812スーパーファースト」を25パーセントも上回るという。その結果、最高速度は約340km/h。0-100km/h加速は3.4秒、0-160km/h加速は6.4秒。さらに中間加速においても4速固定で80-160km/hに要する時間はわずか4.2秒という圧倒的な数字を叩き出している。

トランスミッションはリアに置かれたZF製8段ATで、DBS専用ソフトウェアによって、あらゆる走行条件で最適なギアを選択し、ドライバーの意のままにクルマが操れる、とした。また、4本出しテールパイプによる新エキゾーストシステムにより、アグレッシブな走行音も楽しめるそうだ。

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全長4,712×全幅1,968×全高1,280mmのエクステリアは、DB11とともにデビューした空力コンセプトであるカーリキューやエアロブレードをさらに進化させるとともに、F1にインスピレーションを受けたダブルディフューザーを取り入れ、アグレッシブでアスリートを想起させるスタイルだ。強化された空力性能により、ダウンフォースは最大で180kgに達するという。アストンマーティンを徴する形状の大型フロントグリルには、自然界で最も多く存在するというハニカム形状をモチーフとした。

ボディは、アルミニウム素材を接着して製造したアンダーフレームや、ボンネットなどの外装にカーボンファイバー製パネルを幅広く採用し、スーパーレッジェーラを現代的に解釈した構造とした結果、乾燥重量はDB11より72kgも軽い1,693kgとなっている。これには、専用ホイール(4本で6kg)やピレリ製専用タイヤ(4本で23kg)による軽量化も寄与している。

インテリアは、クリアで直感的な操作ができるエルゴノミクスを採用。秀逸なサポートと長距離走行でも快適なスポーツ プラス シートや、固定式フルレングス パドルシフト付きスポーツ プラス ステアリング、センターコンソール アッパーにレイアウトしたおなじみのP/R/N/Dボタンがそれらだ。

Aston Martin DBS Superleggera|アストン・マーティン DBS スーパーレッジェーラ

アストンマーティンの次世代フラッグシップ

DBSスーパーレッジェーラが日本デビュー (3)

パトリック氏に聞く、アストン・マーティンと日本

日本におけるDBSスーパーレッジェーラの価格は3,450万円。販売時期は年末ギリギリになりそう(パトリック氏)という。発表会を終えたパトリック氏に話を聞いた。

これまで勤めてきたポルシェやケーニグセグ、マクラーレンと、アストンマーティンが違う点を聞いてみると「第1に100年以上続いているというヘリテージが違うこと。第2にアンディー・パーマーCEOと一緒に働くことがとても楽しい。第3に、アストンは本社から地域へ、ではなく地域から本社へのフィードバックをとても大切にしている点」だという。

「特に日本は販売の成長率がナンバーワンで、世界で2番目に富裕層が多い国であり、非常に重要視している」という。フィードバックの具体例として「もうすぐデビューする新型SUV(DBX)について、我々は当初コンパクトなものを作ろうとしたが、日本からSUVはスペースがないとダメだ、との強い要望があり、その意見を取り入れて開発している」と興味深い話をしてくれた。

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また「おもてなし」をはじめとする日本的な考え方や、改善、方針管理といった言葉が車内でも飛び交っていて、「我々は学生のようにそれを学びつつある」という。これらはどこの国でも通用するツールであり、とても有効な手段であるとした。

アストンマーティンのクルマそのものについては、「周りの人で悪くいう人は1人もいない。他の自動車メーカーではここまで満足できないだろう。日本であれば、ターンパイクに行くならヴァンテージで、北海道に行くならDB11で、と行く場所によって変えることができる。本当は4台くらい所有するといいんだけどね」と、笑顔で語ってくれた。

そして、「世界で2番目にできた日本のブランドセンター(アストンマーティン東京)は、最初のロンドンのものより10倍も広い。我々が日本を重要視している証拠だ。(日本語で)ヨロシクオネガイシマス」と締めくくった。

           
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