メルセデス・ベンツ「Gクラス」の新型を発表|Mercedes-Benz
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2018年6月11日

メルセデス・ベンツ「Gクラス」の新型を発表|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz G Class|メルセデス・ベンツ Gクラス

Mercedes-AMG G 63|メルセデスAMG G 63

メルセデス・ベンツ「Gクラス」の新型を発表

メルセデス・ベンツ日本はオフローダーモデル「Gクラス」の新型を発表し、注文受付を開始した。納車は8月下旬以降を予定している。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

まずは2モデル導入

日本に導入されるのは「G 550」とメルセデスAMG「G 63」(以下G 63)の2モデルで、どちらも4リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンを搭載。

G 550のM176型エンジンは、最高出力422ps、最大トルクは610Nmで気筒休止システムを採用。G 63のM177型は585ps、850Nmを発生し、先代よりプラス14ps、プラス+90Nmとなる。

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2基のターボチャージャーはV型シリンダーバンクの外側ではなく内側に配置するホットインサイドVレイアウトとし、エンジンを可能な限りコンパクトにするとともに、ターボチャージャーへの吸排気経路を最適化することで、優れたレスポンスを実現している。

なお、ディーゼルエンジンに関しては、市場の状況を踏まえながら導入を検討していくという。

3ヵ所以外はすべて新デザイン

先代同様スクエアなボディはドアハンドル、リア スペアタイヤ カバー、ヘッドライトウォッシャーの3点以外はすべて新たに設計された。しかし、サイドのプロテクションモールやスペアタイヤ、ドアヒンジやフェンダー上のウインカーなどGクラスの特徴を余すところなく表現している。

特にウインカーは突起物として歩行者保護の観点から採用を見合わせる案もあったが、Gクラスのアイコンとして必要と判断し、実際に衝撃が加わると、内側に落ち込むように設計された。また、ウインドウ周りはこれまでの印象を踏襲しながらも、リアを除いて曲面ガラスを採用し、空気抵抗を低減させ燃費向上の一助としている。

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今回の改良により、ボディサイズは、従来モデルと比べ全長が4,817mm(+53mm)、全幅が1,931mm(+64mm)と拡大。これに伴い、後席のレッグルームは150mm拡大した。

このデザインについて、ダイムラー社商品企画でGクラスの責任者ミヒャエル・ベルンハルト氏は、

「チャールズ・ダーウィンは、種の成功というのは強い遺伝子だけでなく、周りの環境に適用、順応する能力にも依存するといっています。その良い例がワニではないでしょうか。ワニは何百万年という間、自分たちを周りの環境に適合させてきました。しかし同時にそのワニの基本的な“デザイン”はほとんど変わっていません。そういったことは我々のGクラスも同じなのです」とコメントした。

Mercedes-Benz G Class|メルセデス・ベンツ Gクラス

Mercedes-AMG G 63|メルセデスAMG G 63

メルセデス・ベンツ「Gクラス」の新型を発表 (2)

大幅に変更されたインテリア

エクステリアに対し、大きく変更されたのはインテリアだ。女性がデザインしたというインテリアは、左右のエアアウトレットをヘッドライト、その上のスピーカーはウインカーをイメージし、Gクラスのエクステリアをドライバーにも意識させている。

一方、助手席前方のグラブハンドルや、3つのディファレンシャルロックを操作するクローム仕上げのスイッチなどは、これまでの特徴として継承された。

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また、これまではブラックレザーの印象が強かったインテリアカラーもベージュやブラウンなど多くのバリエーションが揃えられ、よりラグジュアリーな印象を与えている。

最も印象を変えたのはインパネだ。2つの12.3インチの高精細ワイドディスプレイを1枚のガラスカバーの下に配したワイドスクリーン コクピットを採用し、最新のメルセデスベンツのインパネ周りを踏襲した。

オフロード性能をより向上

当然のことながら、新型Gクラスも高いオフロード性能を備えている。Gクラス開発チームがメルセデスAMGとともに開発したサスペンションは、フロントのダブルウィッシュボーン独立懸架サスペンションと、リアのリジッドアクスルが組み合わされ、また、270mmの地上高を確保した結果、以下のような悪路走破性を確保した。

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登坂能力|適切な路面で最大100%
前後アクスル間最低地上高|24.1cm(従来比+6mm)
最大渡河水深|水中・泥中走行時70cm(従来比+10cm以上)
安定傾斜角度|35°(従来比+7°)
デパーチャー アングル|30°(従来比+1°)
アプローチ アングル|31°(従来比+1°)
ランプ ブレークオーバー アングル|26°(従来比+1°)

同時にオフロード走行に適したラダーフレームを新設計。最大3.4mm厚のスチール鋼板を“ロ”の字型にした鋼材から製作し、MAG溶接技術で組み立てることで、悪路走行時に求められる強度、剛性、安全性が高められた。

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メルセデス・ベンツ「Gクラス」の新型を発表 (3)

電動パワステで運転支援システムを採用

またステアリングに関しても大きな改良が加えられた。従来のボール&ナット形式から電動機械式ラック&ピニオン式のステアリングに変更され、ドライビングフィーリングを大幅に向上。選択したドライブモードに応じてステアリング特性を切り替えられる。

また、電動機械式を採用したことにより、パーキングアシストやアクティブレーンキーピングアシストなどの運転支援システムが搭載可能となった。

そのドライブモードは5つの設定を用意。エンジンやトランスミッション、サスペンション、ステアリング、運転支援システムの特性によって、「コンフォート」「スポーツ」「エコ」「インディビジュアル」の4モードに加えて、今回新たに「Gモード」が追加された。

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この「Gモード」は、3つのディファレンシャルロックのいずれかを作動させるか、通常より2倍以上の駆動力を発揮するオフロード用低速ギアのLOW RANGEを選択した場合に有効となり、シャーシの調整式ダンパーとステアリング、アクセル特性を変更、不要なギアシフトを回避することにより、最適なコントロールと最大限の悪路走破性を確保する。

しばらくは従来モデルも併売

Gクラスは1979年の販売開始以来、「お客様に好評をいただいている特徴的なスクエアなスタイリングと、高いオフロード性能を維持し続けたまま、時代の要求に合わせて絶え間ない改良を施しながら全世界で延べ30万台以上を販売しています」と話すのは、メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長の上野金太郎氏だ。

「もともとが国境警備などで使用される「ゲレンデヴァーゲン」を乗用車に改良したというルーツを持ち、1980年にはローマ法王専用車に採用され、また2014年には6輪車の「G 63 AMG 6X6」を販売するなど大変ユニークな歴史を持っています」と、その来歴を紹介。

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また、「日本においても多くのご愛顧いただいており、非常にGクラスファンの多い市場です」と述べる。

そのようにファンが多いことから、日本においてもしばらくは従来モデルも併売。「新型と、39年前に誕生したゲレンデヴァーゲンの面影を色濃く残す従来型とでは、良し悪しではなくテイストが大きく違うクルマだと捉えています。お客様によってGクラスに求めるイメージに沿うモデルを選んでもらうことを可能にしたいと考えた結果です」と語った。

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オフロード体験イベントも開催

Mercedes Me東京に併設のイベント型ブランド体験施設「nextdoor」では、新型Gクラスの発表に合わせてオフロード体験イベント、「Gクラス エクスペリエンス」を6月7日から24日まで期間限定で開催。

ここでは、3つのアトラクションが用意される。最大傾斜約45度のアーチ状のコースを走る“ブリッジ”。凸凹の路面を走る“モーグル&バンク”。そして最高地点約9メートルの坂を駆け上がる“マウンテンクライム”だ。

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また7月14日から16日の3日間は「Mercedes Me大阪」にあるグランフロント大阪にて同様のイベントを実施する予定だという。

最後に上野氏は、「メルセデスベンツのラインナップにおいて、四輪駆動モデルはこのGクラスを含め73モデルに及びます。うちSUVが7車種42モデルとなり、お客様のさまざまな要望に応えできるようにラインナップを取り揃えました」とし、SUVに引き続き力を入れていくことを強調した。

           
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