東京国立近代美術館が所蔵作品を厳選紹介。『MOMATコレクション』|ART

ART|東京国立近代美術館が所蔵作品を厳選紹介。『MOMATコレクション』

和田三造《南風》1907年 重要文化財

ART TOKYO Tips

ART|約13,000点の所蔵作品から約200点を厳選

明治以降の日本美術の軌跡をたどる

東京国立近代美術館が所蔵作品を紹介する展示会「MOMAT コレクション」が、2018年6月5日(火)~9月24日(月・祝)の期間で開催される。

Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)

作品の入れ替え時期に併せて開催される展示会

東京国立近代美術館(MOMAT)は、国内最大規模である約13,000点の所蔵を誇るミュージアムだ。時宜に適ったテーマや切り口で、年に数回、作品を入れ替える所蔵作品展「MOMAT コレクション」を開催している。

日本の作品だけでなく海外の作品とも関連付けて紹介することで、明治以降の美術の流れを理解しやすいのが魅力だ。

momat

川端龍子《草炎》1930年 (展示期間:7月31日~9月24日)

みどころは、まず第1室の「ハイライト」コーナー。本館選りすぐりの名品が凝縮されている。第2室から第12室にかけては明治から現代まで、時代を追って美術の流れをたどれる。

今期は、各室のテーマと作品が大幅にチェンジ。第2室以降はおおよそ時代順に作品が並ぶが、よりディテールが感じられる展示方針が採られた。例えば昭和戦前・戦中では、「パリに結ぶ友情」や「戦争の時代と動物たち」など、部屋ごとにテーマが立てられ、作品が選ばれている。

作品の時代背景も描き出し、さながら小さな“時間旅行”ともいえる展示だ。

古賀春江_海_350dpi

古賀春江《海》1929年

鴨居玲_静止した刻_350dpi

鴨居玲《静止した刻》1968年

また明治改元から150年にちなんだ特集展示も開催。第10室で明治時代の美術にフォーカスをあてる。土田麦僊『島の女』(7月29日まで展示)などの日本画のほか、新たに国の重要文化財に指定されることになった和田三造『南風』などの洋画、さらには吉田博『新月』(7月31日から展示)など水彩画の名品も紹介する。

彫刻作品からは新海竹太郎『ゆあみ』を、重要文化財となっている石膏原型とあわせて展示。またハイライトコーナーでも、鏑木清方『明治風俗十二ヶ月』を全点展示(7月29日まで)するなど、明治時代をふりかえる絶好の機会となりそうだ。

そして、昨年新たに収蔵されたデイヴィッド・スミス『サークルⅣ』が関連作家の彫刻と合わせて展示される。戦後アメリカを代表する彫刻家が生み出した、円や四角といったシンプルな造形。構成のバランスや筆後を活かした彩色とあいまって、見る角度にとって様々な表情を見せる作品だ。

加えて小企画「瀧口修造と彼が見つめた作家たち」を開催。美術評論家で詩人の瀧口は日本にシュルレアリスムを紹介し、若手作家を理念的に支援し続けたことで知られている。

収蔵作品より、瀧口自身の作品13点に加え、彼が関心を寄せたエルンストやミロなどのシュルレアリスムの画家、北脇昇ら戦前の前衛画家、山口勝弘、福島秀子、大辻清司ら実験工房の作家、赤瀬川原平、荒川修作ら戦後の前衛作家などの作品が展示される。

また五回にわたり、担当研究員である大谷省吾氏による連続ミニレクチャー「瀧口修造をもっとしるための五夜」も開催。瀧口修造についてより深く知ることができるイベントだ。

そのほかにもギャラリートーク、キュレータートーク、子ども向けプログラムなど、誰もが楽しめるイベントを多数用意。また手持ちのスマートフォンで作品解説が聞け、美術館初心者にも足を運びやすい展示会となっている。

所蔵作品展「MOMATコレクション」
会期|2018年6月5日(火)~9月24日(月・祝)
開館時間|10:00~17:00 (金曜・土曜は20:00まで)※入館は閉館30分前まで ※企画展「ゴードン・マッタ=クラーク展」会期中(6月19日(火)~9月17日(月))の金曜・土曜は21:00まで
休館日|月曜(ただし7月16日、9月17日、9月24日は開館)、7月17日(火)、9月18日(火)
会場|東京国立近代美術館 本館 4F~2F
東京都千代田区北の丸公園3-1
観覧料|【一般】500(400)円 【大学生】250(200)円
※高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会、賛助会員、MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバー会員は本人のみ)、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込
※17時以降の入館は「MOMATコレクション」観覧料が一般300円、大学生150円になります。
※「ゴードン・マッタ=クラーク展」会期中(6月19日-9月17日)夕方17時以降は、大学生無料
※本展の観覧料で、入館当日に限り、工芸館 所蔵作品展「こどもとおとなのアツアツこうげいかん」(6/19-8/26に限る)もご観覧いただけます。 無料観覧日|毎月第一日曜日(7月1日(日)、8月5日(日)、9月2日(日))
※本展のみ(企画展「ゴードン・マッタ=クラーク展」は観覧料が必要です)

問い合わせ先

東京国立近代美術館

Tel.03-5770-8600

http://www.momat.go.jp/