“ひらかれた”芸術家オディロン・ルドンの姿を明らかにする展覧会|ART

ART| “ひらかれた”芸術家オディロン・ルドンの姿を明らかにする展覧会

《III.不恰好なポリープは薄笑いを浮かべた醜い一つ目巨人のように岸辺を漂っていた》『起源』1883年 リトグラフ/紙 岐阜県美術館蔵 [前期展示]

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ART|国内のルドン作品101点を展示

「内なる世界に生きた孤高の幻想画家」という
芸術家神話を解き明かす展覧会

神秘的なヴィジョンに満ちた幻想的な絵画を残した芸術家、オディロン・ルドン(1840年~1916年)の展覧会『ルドン ひらかれた夢―幻想の世紀末から現代へ』が、神奈川県箱根のポーラ美術館にて2018年7月22日(日)~12月2日(日)まで開かれる。

Text by OZAKI Sayaka

19世紀にとどまらない、ルドン芸術の今日的な意義を検証

フランスの19世紀末から20世紀初頭にかけて、印象派画家たちとほぼ同じ世代に生まれながらも、不気味な怪物たちがうごめく光景や、神秘的なヴィジョンに満ちた幻想的な世界を絵画に残した芸術家オディロン・ルドン。謎めいたヴィジョンに満ちた作風ゆえに、心の中にひそむ「内なる世界」に向き合いながら作品を制作した孤高の画家と考えられてきた。

『ルドン ひらかれた夢―幻想の世紀末から現代へ』展は、近年の研究をもとに「夢の世界に生きた孤高の幻想画家」という芸術家神話を解体し、様々な価値観が交錯する時代のなかで探究を続けたルドンの姿を捉え直す試みである。過去の美術史上の傑作や同時代の美術作品をはじめ、雑誌に掲載された自然科学の挿図や戯画といった大衆文化からも多大な影響をルドンが受けてきたことを、 幅広い分野にわたる展示作品を通して解き明かしていく。

世界的なルドン・コレクションを誇る岐阜県美術館が所蔵する88点をはじめとして、国内のルドン作品101点を展示し、作品を技法材料の視点から分析することで、ルドンが印象派と同様に科学的な色彩論を制作に取り入れていた可能性を調査。また、「水」「翼」「花」などのテーマごとに、イメージの源泉や制作のプロセスをひも解き、これまで閉ざされた精神のなかで培われたと考えられてきたルドンの幻想的なイメージがどのように生成されたのかを検証する。

さらに、19世紀という時代にとどまらないルドン芸術の今日的な意義を、幻想や神秘の世界を追い求める現代作家と比較考察。ルドンと通じ合う幻想的なテーマを追い求める現代の作家、柄澤齊(からさわひとし)、イケムラレイコ、鴻池朋子(こうのいけともこ)などの作品も紹介される。

A

《ダンテとベアトリーチェ》1914年頃 油彩/カンヴァス 上原美術館蔵

B

《神秘的な対話》1896年頃 油彩/カンヴァス 岐阜県美術館蔵

C

《日本風の花瓶 》 1908年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵

『ルドン ひらかれた夢―幻想の世紀末から現代へ』

会期|2018年7月22日(日)~12月2日(日) 会期中展示替えあり
前期展示期間:7月22日(日)~9月26日(水)
後期展示期間:9月28日(金)~12月2日(日)
会場|ポーラ美術館
住所|神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
開館時間|9:00~17:00(最終入館は16:30)
休室日|9月27日(木)は展示替のため休室(常設展示のみ展覧可能)
主催|公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
協力|岐阜県美術館

問い合わせ先

ポーラ美術館

Tel. 0460-84-2111

http://www.polamuseum.or.jp/