連載・藤原美智子2018年3月|マット口紅で“アンバランス”の魅力をプラス

連載・藤原美智子2018年3月|マット口紅で“アンバランス”の魅力をプラス

ジバンシイ ルージュ・ジバンシイ・マット(左からNo.216、No.329、No.110)

COUTURE of LIFE:Essay and a story

連載・藤原美智子2018年3月|マット口紅で”アンバランス”の魅力をプラス

ツヤベースにマット口紅をコーディネートして、
アンバランスの魅力をプラス

先月と先々月の、この連載に「今年の春夏のベースメイク(ファンデーションとチーク)はツヤが決めて」ということを書きましたが、そんなベースに合わせる口紅はと言うと……。ツヤベースの質感に合わせてツヤ系リップを組み合わせるのもありだけど、マット系を合わせて“アンバランスの魅力”を作るのも今年の春夏はおすすめ。

Photographs & Text by FUJIWARA Michiko

バランスを“ちょっと崩す”ことから生まれる魅力

私が好きなヘアメイクのバランスは、“バランスをちょっと崩す”というもの。例えばメイクも髪型もキッチリと一点の隙なく作り込みすぎると、主役であるはずの人間の魅力がその”完璧”の内側に押し込められてしまったような印象になるし、人間よりもヘアメイクの方が際立ってしまうことに。

そこでチークで少し可愛さを出してみたり、ヘアを少し乱したりして“完璧”のバランスを少し崩す。すると瞬時にして、崩した隙間から女性自身の魅力がフワッと立ちのぼっていく。この瞬間を私は撮影現場のメイクルームで何万回も目撃しているのですが、そこにいつも感動を覚えたりしているのです。

ツヤ×マットで、リアルで軽やかな強さが生まれる

さて「ツヤのある肌や頬にすることで、リアルな自然さと健康的な魅力が倍増する」ということは前回の連載に書きましたが、一方、“マット”というのは本来、人の顔には存在しない質感。だからリアルではないということです。つまり今回の提案は、リアルな質感のベースメイクに、リアルではない質感のリップを組み合わせて、”バランスをちょっと崩しましょう”ということ。

ツヤベース×ツヤリップの組み合わせは「リアル」「健康」「透明感」という同じ方向性に足並みが揃っているので、それらの魅力が素直に倍増される感じ。ツヤベース×マットリップは相反する要素を組み合わせることで、予定調和にはない「躍動感」や「強さ」といった魅力が生まれます。

今春夏のファッションは「ピュア」「クリーン」と言った色や素材のものが多く目につきますが、ランウエイではメイクやヘアによって「リアル」と「軽やかな強さ」の要素を加えているブランドが目につきました。ほとんど何も手を加えていないように見えるヘアスタイルやベースメイクで「リアル感」を。「軽やかな強さ」を担当しているのは毛流れを強調した眉とかアイライン、あるいはエッジの効いた濃いめの唇といったところでしょうか。特にマット口紅を使ったメイクには今年らしい軽やかな強さを感じます。

ジバンシイのウルトラマット口紅

さて、今回取り上げた「ジバンシイ ルージュ・ジバンシイ・マット(全6色)」はマットでありながら、滑らかで潤いのある質感と美しい発色が特徴の口紅。この中から私自身が使いやすいものをセレクトしたのが写真の3色です。

(トップ画像左から)
No.216
少しだけグレーイッシュがかったニュアンスのあるピンク色。ピンクはマットの方が、さりげなくつけこなせることに気がつくはず。

No.329
マットな赤い口紅は今春夏のトレンドの一つ。これは明るすぎず暗すぎもしないピュアで洗練された赤。肌がパッと綺麗に見えるのが嬉しい。

No.110
なんともニュアンスのあるベージュブラウン色。余裕と女らしさが感じられるモードな印象に。どんなシーンにも合う色。

濃いマット口紅の塗り方

ところでマットで濃い口紅と聞くと、「色がハッキリとつくから、塗るときに勇気がいる」「唇だけが浮いてしまいそうで怖い」と尻込みをする人も多いよう。でも以下のようなことに注意すれば、そのような心配は無用。

・唇の輪郭の部分はリップペンシルに任せる
ただしリップペンシルは口紅と同じ色でなくてもOK。あくまでもリップペンシルは輪郭の目安を作るためのものと割り切って、緊張しないで描けるナチュラルな色で輪郭を描きましょう。

・口紅は下唇の内側から塗り始める
濃い口紅を輪郭から塗り始めるのは勇気がいること。私自身も内側から塗り始めます。もちろん、描いたリップラインと塗り重ねることも忘れずに。

・塗り終わったら、テイッシュで濃さと強さのバランスをとる
塗り終わったら必ずテイッシュで輪郭をぼかしたり、唇全体を抑えたりして自分の気持ちがフイットするまで口紅の強さや濃さを調節すること。このプロセスを省いて濃い口紅は完成しません。

このようなことに注意すると、マット濃い口紅への苦手意識はきっと薄まるはず!そしてマット口紅でアンバランスの魅力を加えると、より春夏ファッションが楽しめるはず!

ABOUT
FUJIWARA Michiko

ラ・ドンナ主宰。 ヘア・メイクアップアーティスト/ライフスタイルデザイナー 多くの雑誌や広告撮影のヘアメイク、執筆、化粧品やファッション関連のアドバイザー、講演、TV出演などで幅広く活躍している。 また美容だけではなく、 …