祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.17 『PLEASE』編集長 北原徹さん

祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.17 『PLEASE』編集長 北原徹さん

祐真朋樹対談

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100%マガジニストだけでできている『PLEASE』

北原 人生を買ったつもりで、それぐらいちゃんとやらなきゃと思っています。マガジンハウスにいた頃からずっと『Olive』を作りたくて、ファッション誌ってなんだろうってどこかでずっと考えていて、なんとか自分を説得しながらやって来ていたんです。大手にいたらできないこと。大手が悔しがること。自分にしかできないこと。そんなことを考えながら今『PLEASE』を作っています。

祐真 大きなエネルギーですよね。『PLEASE』という名前の由来はなんですか?

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北原 実はいくつか意味があるんです。元々響きがお茶目でいいなと思っていたのですが、ではもうちょっと調べてみようとなった時に、僕が高校生の時に初めて買ったロックアルバム、RCサクセションの「PLEASE」のことを思い出したんです。彼らがリリースした4枚目のアルバムタイトルなのですが、初めて自分たちの手によってレコーディングが実現したことから「このレコードには、人工甘味料、合成着色料、防腐剤などはいっさい使用されておらず、すべてバンドマンだけで演奏されています。安心して御利用下さい」と歌詞カードに注記されているんですよね。その前に発売されたシングル「STEP」は、スタジオミュージシャンによる演奏だったので、その鬱憤が晴れたわけですね。だから『PLEASE』もマガジニストだけでできているという気持ちを込めました。

祐真 それはいい話ですね。

北原 それからビートルズの「PLEASE PLEASE ME」。PLEASEには2つ意味があるんですよね。直訳すると「どうか僕を喜ばせてくれ」となるんです。PLEASEっていいなと思っていたら誰も商標を取っていなくて、これはもう僕のものだ!という感じで嬉しかったですね(笑)。でも最近調べていたら九州JRが『PLEASE』というフリーマガジンをずっと作っているみたいなんですよ。商標は取っていないみたいですが、むこうのほうが歴史は長いです(笑)。

祐真 会いに行ったら?面白そうじゃない?そういえばPLEASEともう一つで迷ってなかった?

北原 なんでしたっけ……。PLEASEがあまりにもしっくりきちゃって、もう忘れちゃいました(笑)。それから今でこそみんなが使うようになりましたが「SHARE」も商標取っておけばよかったなぁと。洒落、って読めるのがいいですよね。でもPLEASEは小学生でもわかるシンプルな言葉なのでとても気に入っています。

祐真 なんとなくパンクが続いていますね。

北原 好きですからね。ファッションはパンクですから。

祐真 まぁ、こういうもの作ったらパンクですよね。大手でできないものを、と言っている時点でパンク。

北原 続けないと価値にならないと思うんですよね。

祐真 自費出版している人って結構いると思いますが、3号を越える人ってまずいないと思うんですよね。だから4号はすごいですね。

北原 半年経ちましたね。1年分、できました。今日びっくりしたのが、とある広告代理店から媒体資料くださいって連絡がきたんですよ。嬉しかったですね。

祐真 すごいですね。来るよ『PLEASE』!

北原 来たらいいですけどね。やっといろんなことが回り始めるので。

祐真 来るって。やめないほうがいいですね。やめる気もないでしょうけど。

北原 乗りかかった汽車ですね。暴走列車です。

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祐真 終着駅は?

北原 ないですね。普通に定年を考えながらサラリーマンやっていたら縮こまってしまっていたかもしれません。

祐真 タイムリミットはないわけですからね。今後も楽しみにしています。今日はありがとうございました。

北原 こちらこそありがとうございました。

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北原 徹|KITAHARA Toru
マガジニスト。ファッション誌『PLEASE』編集長。マガジンハウスで『an an』『クロワッサン』など多くの雑誌を手掛け、『POPEYE』では副編集長を務めた経歴を持つ。Ray and LoveRock(レイ アンド ラブロック)名義でフォトグラファーとしても活躍中。

ABOUT
SUKEZANE Tomoki

1965年京都市生まれ。(株)マガジンハウスのPOPEYE編集部でファッションエディターとしてのキャリアをスタート。現在は『UOMO』『GQ JAPAN』『Casa BRUTUS』『MEN’S NON-NO』 …