祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.16 祐真キキさん
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今回のゲストは、アメリカで大ヒットしたテレビドラマシリーズ『HEROES Reborn(ヒーローズ・リボーン)』のメインキャストに抜擢され、レギュラー出演したことで日本でも話題となった女優の祐真キキさん。今月28日(水)には日本のドラマデビューを控え、今後ますますの活躍が期待される。祐真朋樹・弊誌編集大魔王の実の姪でもあるキキさんの幼い頃の話など家族トークに花を咲かせつつ、普段は見られないキキさんの素顔を紹介する。
Interview by SUKEZANE TomokiPhotographs by TANAKA TsutomuHair and Make-up by SOYA KyokoText by ANDO Sara (OPENERS)
夢は女優業と人道支援活動を両立させること
祐真朋樹・編集大魔王(以下、祐真) 久しぶりですね。今は東京に一時帰国しているそうですが、帰ってきてどれぐらいですか?
祐真キキさん(以下、キキ) そんなに久しぶりじゃないような気がしますけど(笑)。10月末に帰ってきたので約2ヵ月ですね。
祐真 『HEROES』は日本でも話題になりましたね。手応えはどうですか?
キキ 日本でも大々的に宣伝していただいたので、声をかけられることも多くなりましたね。でも日本にいると外国人の方に話しかけられるほうが多いかな。
祐真 何ヵ国で放映されたの?
キキ 100ヵ国ぐらい。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米……。フランスにも宣伝で行ったし、スペインでは空港に大きなポスターが飾られていてびっくりしました。なぜかヨーロッパでは私がフィーチャーされていることが多いんですよね。
祐真 アジアっぽい感じがうけたんでしょうかね。
キキ カナダのトロントで撮影していたんですけど、撮影中にすでに私のビルボードが出始めて不思議な感じがしましたね。
祐真 ニューヨークへ行った時、確かマディソンスクエアガーデンあたりで見かけましたよ。あ、おるな、と(笑)。今年の1月か2月頃だったかな。
キキ 去年の11月に撮影が終わったのでその頃ですね。去年の春に出演が決まって、7ヵ月後に撮影が終わって、フランスへ宣伝に行って、日本でhulu配信が決まって、日テレ系列のバラエティ番組に出させていただいて……。1年間があっという間でした。
祐真 一皮むけたっていう実感なんかはありますか?
キキ 仕事は増えましたけど、あんまりないんですよね。自分自身はそれほど変わっていないというか。
祐真 撮影で印象的だった体験はありますか?
キキ スケールの大きさに驚きっぱなしですね。ハリウッドはドラマ1話に数億円ってかけるので。楽屋がトレーラーなんですよ。役によって部屋の大きさが違うんです。私は一台二部屋のトレーラーだったんですが、有名な役者さんは丸々一台その人専用だったりして。ロケの時は全員分のトレーラーを大移動して回るんです。料理専用のトレーラーもあって。
祐真 楽しそうですね。ほかのトレーラーに遊びに行ったりして?
キキ そうです。めちゃくちゃ楽しかった。レギュラー10人ぐらいが全員仲良くて毎晩のように飲みに行きました。アメリカ人ってパワフルなんですよね。10数時間の撮影を終えて飲みに行って、その後なぜかボウリング、ビリヤードって何軒もハシゴして(笑)。
祐真 日産「ジューク」のCMにも出て。メキシコで撮影だって言ってましたが、楽しそうにしてましたね。インスタグラムで見てました。
キキ ヘアメイクさんが友達だったことと、当初は一週間の滞在予定が、肝心の車が届かなくてさらに一週間延長して、その分フリーになったっていうことがあったので。ピラミッドへ行ったりサファリへ行ったり、旅行三昧でした(笑)。
祐真 えらい遊んでるなー、あんまり出歩くなよ、と思いながら。
キキ 夜は出ないようにしましたが、思っていたほど怖くなかったです。料理も美味しかったし、楽しかったです。
祐真 どこへ行っても楽しむタイプだよね。
キキ 楽しんだもん勝ちですから。
祐真 勝ち負けあるんですか(笑)。だいたい僕の知らない間にアメリカのテレビに出て。あなたは一体いつから女優を目指していたんですか。
キキ 昔からですよ。
祐真 そうだったっけ?全然知らんかったわ。
キキ 一度相談のつもりで言ったら「女優なんてやめとけ」って。それで子どもながらに「この人には頼れないな」と察しましたね(笑)。『天才てれびくん』に出たくて、どうやったら出られるんだろうとお母さんに聞いても「さぁな、がんばり」って言われるだけだったので、お母さんにも頼れない(笑)。お母さんが何かオーディションとか見つけてくれないかなと思っていたんでしょうね。でもそういうのは一切なかったので「あ、違うんやな」とすぐに悟りました(笑)。
祐真 まぁ、家系的に各々勝手にやれ、っていう感じですからね。だから親戚も少ない(笑)。
キキ 今、全国の祐真さんは何人になったんでしたっけ。
祐真 おそらく20人に増えたらしい。つい何ヵ月か前まで19人だったのに。最近は「祐真」で検索するとキキのほうが先に出るしな。iPhoneでも一発で漢字変換できるようになったし。
キキ 私のおかげやで(笑)。
祐真 まぁ、そんな小さい時から女優になりたかったわけですね。
キキ 目立ちたがり屋だったんですよね。中学の時はアヴリル・ラヴィーンやバックストリートボーイズが好きだったので歌手になりたかったんです。
祐真 そういえばある日実家に帰ったら、ドラムが置いてあってびっくりしたこと思い出したわ。
キキ あ、私がお小遣いで買ったドラム(笑)。
祐真 僕が小学校2年生ぐらいの時、あなたのお父さん、僕のお兄さんですけど、彼もある日突然ドラムを持って帰って来たんですよ。「お前踊れ」と言われて、そのシーンがフラッシュバックしたわ。ある日突然家にドラムがある、というのを僕は2回経験している。血やな。
キキ (笑)アメリカのドラマにハマって英語を勉強するようになったのもその頃ですね。とにかく英語で会話ができるようになりたくて、ネイティブのような英語が喋れたらカッコいいなーと、ハーフの友達に発音を教えてもらったりしていました。高2の夏から1年間はアメリカのサウスダコタ州に留学して、高校を卒業してしばらくは京都でフリーターをしていました。
祐真 当時アフリカとかタイとかも行ってなかった?
キキ 旅行してましたね。その頃から国際的に人道支援をしたいなーとも思い始めていました。アンジェリーナ・ジョリーやジョージ・クルーニーのように、役者をしながら人道支援活動をするのが夢なんです。
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12月28日(水)、ついに日本のドラマデビュー!
祐真 なんでLAに行こうと思ったんですか?
キキ LAかニューヨークかで迷っていたんです。演技を学ぶのはニューヨーク、仕事を探すならLAがいいということでLAにしたんです。仕事をしつつ学ぼうと。でも歯の矯正をしていたので、まず東京で演技の勉強を1年半ほどしました。
祐真 東京に出て来た時点ですでにLAを目標にしていたんですね。
キキ はい。フリーターをしていた時に決めていました。東京ではアルバイトを掛け持ちしながら、週3回演技の基礎を学びました。
祐真 過酷やなと思って見ていましたが、予定通りLA行きましたからね。
キキ アメリカでは学生映画が盛んなので、まずそういうのに出させてもらってプロフィールを作ってフッテージを上げて行ったんです。ほかにもウェブのコマーシャルとか新聞広告の仕事なんかをちょこちょこやらせてもらって。
祐真 そんなうちに『HEROES』が決まったというわけですね。
キキ おかげさまで、そうですね。出演が決まったのは奇跡的な部分があったかもしれません。当時マネージャーもエージェントもいなかったのですが、中学の同級生のお母さんがカタナガール役を探しているキャスティングの人とつながっていたんです。それで声をかけていただいてオーディションに行ったら、イメージとぴったり合ったという。若く見えて、ちょっとアニメっぽい感じを求めていたそうなんですよね。
祐真 回ってきましたね、運が。よかったね。
キキ ありがとうございます。今は新しいドラマのレギュラーが決まり、1話は撮影したのですが、シリーズ化されるかどうかは年明けに決まる予定なので、ちょっとドキドキしています。
祐真 決まるといいですね。
キキ はい。決まらないとオーディション生活なので。
祐真 厳しいですね。世界選抜みたいな感じですか?
キキ 色んな国から集まってきているんですよ。アジア人役っていうのもそもそも少ないですし。やっぱりアジア系アメリカ人が強いんです。彼らは演技も上手いし英語も流暢なので、そういう人たちに勝つのが難しいんですよ。役にはまればいいんですけど。
祐真 バックグラウンドが日本っていうのが面白いんじゃないかな。ネット社会だし、リアリティも求められているし。
キキ 映画のキャスティングも、日本人を探しに日本へ直接行っちゃうんですよね。だからそのために帰ってこなくちゃならないという。でも今は世界中どこにいてもオーディションが受けられる時代になりましたからね。
祐真 オーディションって呼ばれなくても行っていいの?
キキ 今はエージェントがスケジューリングしてくれていますが、『HEROES』が決まる前までは結構アポなしで行っちゃってましたね。クラッシュっていうんですが、やりすぎると印象悪くなるんですよね。
祐真 まぁ、呼んでもいないのにそりゃそうなりますよね。でも、どうなんですか?「お、君ナイスガッツだね」みたいな感じにはならないんですか?
キキ ないです(笑)。「リストに載ってないね、ソーリー」っていう感じ。見てくれたとしてもほぼ受からないですね。
祐真 なかなかサクセスストーリーみたいな展開にはならないんですね。何かニュースはありますか?
キキ 今月28日(水)の深夜0:20からテレビ朝日でついに日本のドラマデビューします!
祐真 このままバラエティタレントになっていくのかと思っていたので、叔父としては不安でした(笑)。よかったですね。
キキ 楽しかったです。1時間のスペシャルで、主役の安田顕さんの相手役をやらせてもらいました。アクションも少しあります。
祐真 また蹴るんですか?あなたは蹴りが売りになってきているのはどういうことなんですか?
キキ 困りますよね(笑)。
祐真 ストーリーにそういう怒りがあるわけですね?
キキ はい、復讐するので。でもストーリーは完全にコメディです。時事ネタも満載で、ほぼ二人のやり取りのようなドラマなので楽しんで見ていただけると思います。
祐真 今後は日本でも活動をしていく予定ですか?
キキ そうですね、役の幅も日本のほうが多いので是非日本でも続けていきたいです。アメリカでは役柄が人間じゃないんですよ(笑)。アニメのキャラクターとか、半分サイボーグとか。今回初めて日本で人間を演じます(笑)。
祐真 楽しみにしています。最後に今後の目標を聞かせてください。
キキ アメリカで祐真の名前を認知してもらうことですね。カタナガールは知ってるけど、祐真キキにつながらないので。
祐真 絶滅寸前の祐真をよろしくお願いします。
『緊Q不倫速報』
出演/安田 顕、祐真キキ、阿部純子、山本浩司、津村知与支、山本圭祐、古畑星夏、山本佳希ほか
脚本/宇山佳佑 演出/本橋圭太 音楽/松田純一
主題歌/「甘い誘惑」GIRLFRIEND(avex trax)
2016年12月28日(水)深夜0:20〜(※一部地域をのぞく)テレビ朝日で放送
祐真 キキ|SUKEZANE Kiki
高校を卒業後、21歳で演劇学校に入学し、翌年渡米。2015年アメリカのテレビドラマシリーズ『HEROES Reborn』のオーディションに合格。主要キャラクターのミコ・オオトモ役で人気を博す。現在、舞台にも活動の場を広げ、NBC Universalのデジタルチャンネル『E! News』と『E! News Asia』のホストも務めている。