自分たち自身が着たい “大人ロックテイスト”|戸田恵子×植木 豪

戸田恵子×植木 豪|自分たち自身が着たい “大人ロックテイスト”

Happy? Half Century

「BGブランド」新作はロングレングスなTシャツ

戸田恵子×植木 豪、自分たち自身が着たい “大人ロックテイスト”(1)

ブランドプロデューサーの戸田恵子さんと、デザインを担当する植木 豪さんが手がける「BGブランド」の新作は、型紙からすべてふたりで作り上げたTシャツ。しかもトレンドを踏まえた長めの着丈が特徴だ。世界的にヒットの兆しを見せるこの“ロングレングス”の着こなしに、あなたもトライしてみてはいかが?

Photographs by JAMANDFIXText by TSUCHIDA Takashi

ゆったりラインで、じつは着こなしがラク!

――今回のTシャツは、着丈の長さが特徴ですね。

戸田恵子(以下、戸田) ロングレングスと呼んでいますが、それは豪くんの方から提案があって。

植木 豪(以下、植木) 最近は自分自身、長いものばかりを着ているんで。女性のみなさんにもチュニックみたいに着られるTシャツになったらいいんじゃないかって。

――着丈が長いデザインが、いまストリートで流行っているんですか?

植木 そうなんです。

戸田 デザイン的にも素敵ですよね。テールの形状もシャツのように丸くして。ラインがゆったりしているから、着ていてラクなんです。

植木 そう。1回長いのを着ると、普通の着丈に戻れなくなりそう。周りのメンバーも長い丈のものばかり愛用しています。

――そのトレンドは、欧米が先行しているんでしょうか?

植木 ブラックカルチャーのオーバーサイズな着こなしと、ハイブランドのビッグサイズのトレンドがちょうどオーバーラップしてきて、横幅はスリムですが縦に長い。ファストファッションでも、今季はほとんど長めになっています。

戸田 ただ、さすがにあからさまなものは大人には無理なので、ちょうどいい頃合いで折り合いをつけました。しかも女性用は、襟ぐりを大きく開けています。もちろんこのまま1枚で着てもいいし、なかにタンクトップを着て、差し色を入れてもらってもいい。

――“SHOW MUST GO ON”と記されていますね。

戸田 このキャッチコピーは、ブランドをはじめたときからのモットーです。私たちはショービジネスの世界に生きているので。もともとはブロードウェイの役者たちのあいだで使われてきた言葉なんですね。どんなことがあっても、舞台はつづけなくてはいけない。

――演目にアナを空けてはいけないと……。

植木 ぼくは知らなかったです。教えてもらってはじめて知りました。

戸田 そうね。豪くんたちは、活動の場がダンスからはじまっているから。

でも、結局おなじだとおもうんですよ。ダンスでステージに上がれば、なにがあっても踊りつづけなければいけない。板の上にいる人たちは、みんな「SHOW MUST GO ON」。私は好きな言葉です。

植木 僕も、教えてもらって、素敵だなとおもいました。

戸田 このボックスロゴも、ものすごく流行っていて。昔からあったデザインですが、また急激に再注目されていますよね。

植木 前回作ったトートバッグもボックスロゴだったんで、それと一緒に着れるようにデザインしました。

――前回のバッグでは、おなじボックスロゴでもカレッジ風でしたが、今回はもっとシックですね。

植木 そうです。線の細いフォントで大人のキレイめを狙って。

戸田 文字を細くしたことで、上質感も出せたとおもいます。繊細で、大人な雰囲気ですよね。ほかのフォントも何種類か試しましたが、これが一番よかった。

――キャッチコピーの下に複数のモチーフがありますね。

植木 いままで登場させてきたモチーフから選んでいます。

戸田 スカルは、オリジナルで作ったロゴアイテムです。剣は、ストールで使用したもの。モノグラムのパターンを作った時に柄のアイテムのひとつに使用しました。それにBGというブランドの名称も入れて。

――アルファベッドのBとGが、Aから数えて2番目と7番目なんですよね。それが、2007年のブランド設立年にちょうど符合して。

戸田 じつはあとからはめ込んだようなエピソードですけど(笑)。もともとBGブランドとは、バックギャモン(Backgammon)の略なんです。バックギャモンは、ふたりで挑むすごろくゲーム。豪くんと私の2人で、ゲーム感覚でブランド作りをしようという。ゲーム感覚って言っても、決して遊びではないのですが(笑)、お互い本業を持っているのでそういうイメージが浮かんだんですね。

好きなファッションとデザインの仕事で、ブランドのアイテムを作り、その収益でダウン症の子どもたちを応援する。

――なるほど。そういう経緯があったんですね。

戸田 ほんとにいまは安いTシャツが簡単に手に入ります。大量生産されたファストファッションのものなんて数百円で買える時代。そんななかで、あえてのチャレンジというか、自分たち自身が着たいとおもえる“大人ロックテイスト”を目指して。年齢層が高い人たちにも、ロックな雰囲気を無理ない程度に楽しんでもらえればと。

――コンセプトそのものが、とてもエッジが効いていますよね。ディテールひとつひとつは尖っているのに、トータルでは尖っていないように見える。その二面性が心地よい。

戸田 やっぱりたくさんの人たちに着てもらいたい。しかも自分たち自身が楽しめる服を作りたいからね。

BGブランドも今年で8年目

ABOUT
TODA Keiko

愛知県出身、9月12日生まれ。NHK名古屋放送児童劇団に小学5年生から在籍し、『中学生群像』(『中学生日記』の前身) で女優デビュー。1973年に上京し、翌74年「あゆ朱美」の芸名でアイドル演歌歌手としてもデビューする。 その後、タレント活動中に声優・演出家の野沢那智より声をかけられ、77年に野沢主宰の劇団・薔薇座へ入団。本格的な演技を学び 始め、『スイート・チャリティ』『踊れ艦隊のレディたち』など数多くのミュージカルに出演、看板女優として活動する。 主演した『スイート・チャリティ』で芸術祭賞演劇部門賞を、また外部出演したミュージカル『ミュージックマン』で葦原英了賞を受賞。 薔薇座には89年まで在籍し、同年には舞台『渾・身・愛』で第24回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。 79年に『機動戦士ガンダム』のマチルダ・アジャン役で本格的に声優としての活動をスタート。その後、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』 (三作目)の鬼太郎、『キャッツ・アイ』の瞳、『きかんしゃトーマス』のトーマス、『それいけ!アンパンマン』のアンパンマン などの声で人気を集める。洋画の吹き替えも数多く手掛けジュリア・ロバーツ、ジョディ・フォスター、ビビアン・リーなどでよく知られている。 声優としての活躍が続いた後、97年には三谷幸喜脚本によるテレビドラマ『総理と呼ばないで』、同じく三谷幸喜脚本・監督の 映画『ラヂオの時間』に出演するなど、女優業を意欲的に展開。その他『クイール』『NINXNIN忍者ハットリくんTHE MOVIE』 『THE 有頂天ホテル』。『ラヂオの時間』では、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。 以降も女優として、NHK朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』『純情きらり』、NHK大河ドラマ『新撰組!』、 CX『ショムニ』『お水の花道』『天才柳沢教授の生活』『HR』などに出演。また舞台でも『温水夫妻』『You Are The Top』 『オケピ!』『なにわバタフライ』(共に三谷幸喜作・演出)、『歌わせたい男たち』(永井 愛作・演出)、 『星屑の町・東京砂漠編』(水谷龍二作・演出)、地球ゴージャス『HUMANITY』、『ザ・ヒットパレード ショウと私を愛した夫』 (鈴木 聡作・山田和也演出)など、同時代の劇作家によるオリジナル作品に多数出演。『なにわバタフライ』『歌わせたい男たち』 で、第5回朝日舞台芸術賞秋元松代賞、第13回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した。 確かな歌唱と演技、その存在感は各界のクリエイターから評価され、世代を超えて観客からも支持を集めている。