more trees|被災地支援プロジェクト「LIFE311」を立ち上げ

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more trees|木造仮設住宅を被災地に

被災地支援プロジェクト「LIFE311」を立ち上げ

坂本龍一氏が代表を務める森林保全団体more treesは、東北地方太平洋沖地震の被災地支援プロジェクトとして、「LIFE311」をスタートさせた。被災地の人びととともに、東北の森から切り出された木を使った木造の仮設住宅をつくり、復興を後押しする。

文=谷中朋未

プロジェクトを支えるための寄付も受付

今回の地震や津波により、たくさんの命が失われると同時に、生活の基盤でもあり、精神的よりどころでもある「家」を大勢の人びとが失った。more treesでは、地場産材を活用した仮設住宅を地元のひととともにつくることで、被災地の経済活性化に貢献し、快適な住居空間を被災地に届けようとプロジェクトを立ち上げた。

プロジェクトを展開する拠点となるのは、甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市などに隣接する内陸の岩手県住田町。町は以前から「森林・林業・日本一」を目標に掲げ、震災発生後もいち早く木造での仮設住宅の建設に着工していた。着工当初から資金面での支援を求めており、more treesのポリシーと住田町のニーズがマッチしたかたちだ。

木造仮設住宅は、多くのメリットを被災地や被災したひとにもたらしてくれる。まず、調湿性に優れていること。夏は涼しく、冬は暖かい。また、冬には厳しい寒さをしのぐため、間伐材などを使用したペレットストーブを設置することで、エネルギーの地産地消を可能にした。さらに、「木のぬくもり」により、快適な住居空間を被災者に届けることもできる。


甚大な被害を受けた陸前高田市。そこに隣接する住田町を拠点に。


南三陸町。森林への被害は比較的軽度で済んだ。

住んでいるときだけではない。被災により仕事を失ったひとや会社に働く場を提供でき、経済活動に貢献することで、震災復興の一助となる。また、地場産材を使うことで、さらに森の手入れが行き届き、山が元気になって、利益も地元に還元できる。仮設住宅に使用した木材は、2年間の期間終了後にも住宅用に再利用可能で、最終的には粉砕、ペレットにすることで無理なく、無駄なく使い切れる。

一棟300万円かかる木造仮設住宅の建設費用。現在、住田町では110棟を建設する予定だ。more treesでは、仮設住宅を建設できる被災地の近隣自治体の用地提供を求めるとともに、一棟でも多くの木造仮設住宅を建設するため、広く資金の支援を募っている。

「3月11日の震災以降、森林保全団体であるmore treesとして何ができるのかをずっと考えていました。その結果、森林・林業からの復興支援ということで今回の木造仮設住宅のプロジェクトに行きつきました。水産業は大打撃を受けておられますが、幸いにも林業へのダメージは最小限です。地元の木材で、地元の工務店が中心となって建設を進めることで林業の活性化、そして雇用の創出にもつながればと思います。皆さんの善意で建てる仮設住宅に、1人でも、1社でも多くの方にご参加いただければ幸いです」more trees事務局長の水谷伸吉さんはそう語る。

「働」を生み、「住」をつくり、そして失われた「LIFE」を再生する「LIFE311」。中長期的な視点に立ったこのプロジェクトが多くのひとや地域の復興を支えていく。

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