建築、デザイン、アートに関する最新情報を毎日更新するバイリンガルのウェブサイトdezain.netを主宰。またリボンを使ったプロダクト、リボンプロジェクトをディレクションする岡田栄造氏。
昨年、自ら出資しディレクターをつとめる『DEROLL Commissions Series 1:box』では若手建築家たちがデザインを手がけたプロダクトを発表し話題になった。大学でデザインプロセスを教える准教授でありながら、現在の建築、アート、デザインをつなぐキーパーソンである岡田栄造氏にお話をうかがいました。
インタビュアー、まとめ=加藤孝司
デロールでは展覧会にあわせてカタログもつくりました。1日スタジオを借りて撮影したのですが皆それぞれスタイルがあるからおもしろかったですよ。永山さんは小道具を用意してびっちりコンセプトを決めて、これで、って感じで撮影しています。作品には彼女の建築と同様、見えるんだけど手に届かない場所をつくるべきだというコンセプトが反映されています。そうやって誰のものでもない所有出来ない場所みたいなものがあることが豊かだと永山さんは言っています。
山口誠さんは、自作の住宅の中であらかじめ撮影しておいてくれた分とスタジオで撮影した分を掲載しています。山口さんはリボンプロジェクトからお付き合いさせていただいているのですが、ものの完成度が上がったときにどういうことが可能か、ということに対してとても強い意識を持っている方だと思います。「DRAWER, 2007」はまさにそれが現れた作品ですよね。最初に話を聞いたとき、私には「引き出しが積み重なったもの」ぐらいしかイメージできなくて。でも完成したものは全く引き出しが見えない。参りました。
中村竜治さんは撮影中、最後まで悩み続けていたのが印象的でした。彼の「虫かご」は、0.3mmという極細の線を空間上に丁寧に引いた作品です。線の細さと数にこだわることで見たことのない抽象度を持ったプロダクトが出来上がった。そこが中村さんのインテリアデザインにも共通するところかな、と思います。見る方向によって線がくっきりと見えたり、全体が靄のようにぼやけてしまったりするのも面白いし、CGのようなグリッドの中に生きた蝶々がいる、という対比もドキッとします。
──しいて共通するものを挙げるとしたら、植物や蝶など生物のイメージの扱い方に近い考え方を感じました
石上さんは建築をつくるのではなく風景をつくりたいって言っています。リトルガーデンは、遠くから見ても視点を近づけても、そこにはいつも同じ細かさがあるというか、極大も極小も同じ解像度を持っている世界を感じさせる作品です。その意味で自然に近いと言える。作品に花を使っているから、ということではないですよね。
──中山さんもそうですが植物を単にかわいいとか美しいとかではない、異なる観点から捉えているところは共通しているような気がしますね
中山さんが描く自然はどれも、人の気配を感じさせます。「時間カメラ」のムービーでも、実際には木が立っているだけなのに、時間がずれることでその周りを自転車でまわる人が出てくる。人と自然の関わり方をデザインしたいという気持ちがあるのかもしれませんね。
──今年のデロールはどのようになっていますか
今年はプロダクトデザイナーでいきます。テーマは「日本史」です。デザイナーはリボンプロジェクトでもお願いしているキヤノンのインハウスデザイナーでもある清水久和さんです。以前から私がもの凄く尊敬しているデザイナーさんです。楽しみにしていてください。