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SUKEZANE Tomoki|祐真朋樹 新連載「突撃! 隣の物づくり」 第2回目ゲストはN.HOOLYWOODデザイナー尾花大輔さん
トモキ倶楽部の新連載「突撃! 隣の物づくり」。デザイナー、アルチザン、ショップオーナー、シェフ……などなど、ファッションディレクター祐真朋樹さん自身が会いたいひとに話を聞きにいくコーナー。第2回のゲストは、N.HOOLYWOOD(N.ハリウッド)デザイナー尾花大輔さん!
Interview&Text by SUKEZANE Tomoki
Photo by IGARASHI Takahiro
発表の場をNYに移すことに決めたN.HOOLYWOOD決断の理由やこれからの物づくりについて、尾花大輔さんに話を聞いた祐真 いきなりですが、今シーズンは軍隊ですね。それも100パーセント。思い切りましたね。 尾花 思い切りました(笑)。まあ、ずっと昔から僕を知っているひとだと、僕がどうしようもないほどミリタリー好きだってことでわかってもらえると思うんですが。 祐真 うーん、そうですよね。で、今回のコレクションで、いったん東コレはちょっと休憩、と、そういうふうに聞いてるんですが。 尾花 ショーの数週間前に、衝動的に「アメリカに行きたい」って考え出したんですよね。で、2日間くらい寝ないで考えてたら自分のなかで点と点がパンパンパンと繋がって……石橋を叩いて叩いて、壊してからもう一回組み立てて、くらいいつも慎重派な僕には、今までありえない決断でした。 祐真 あ〜、そういうことで次回からアメリカってことになったんだ……。 尾花 僕、パリで、まだたかだか6シーズンなんですけど、ドレススーツのライン“COMPILE”を発表してきましたが、ちょっといろんな意味で限界がきていたのは事実なんです。パリで祐真さんと一緒に飲んでいるときに、「もうそろそろちがう表現してもいいんじゃないの? パリの分も」と言ってくださったのを覚えていますか? それは自分でも実際すごく思っているんですが、東京で2回、パリで2回とこれからもずっと年4回大きなコレクションを発表するのは時間的にも、クリエイションとしても限界がくるかもしれ ないと感じていたんです。 祐真 大変だ。 尾花 パリでランウェイでの発表も考えたけれど、パリでやるイメージがどうしても湧かなかった。 もともとこっちのドレスラインはラックにただ掛けて、ピースずつ見てもらう形式から始まって いましたし……。やっていくなかで少しずつ改善していったものが結果として本当に自分が想定していた着地点に近づいたのかと言えば、若干ずれてきてるな、というのも感じているところだったんです。 祐真 なるほど。 尾花 それやこれやが、今回、アメリカ行きを後押ししてくれたっていうところはありますね……パリの分も、じつはもう半分くらい描いちゃってたんですけどね。 祐真 1月のコレクションは、ランウェイができそうだな、とすごく思ったし、テーマもなんていうか、大人っぽいほうに動いてたよね。 尾花 はい。あれは自分でもすごくおもしろいと思ったんで、でまぁ、このへんで1回、パリと日本をやめて、NYに集約することによってまた何かもっと奥行きのあるものが作れるんじゃないかと思ったんです。パリで学んだことと、日本でやっている本質的なこと、そのふたつを上手く組み合わせて、ひとつのテーマに向かって年2回やったほうがより深いものになると、そういうふうに思ったんですよね。 祐真 うん。凄いいい考えだと思うな。それでNYね。 尾花 そうです。じゃあ好きな場所で、と思って。パリでは自分のブランドを売っていくとか知ってもらうとか、そういう目的ですごく緻密に計画して出て行ったんですが、なんかその緻密さのなかでは次のステップが思い描けなかったというか……。まちがいじゃないんだけど、まちがいがなさ過ぎてハプニングがない。祐真さんが言ってたことじゃないけど、「なんかちがうものないの?」みたいな。 祐真 なるほど。僕はここ2〜3年、NYコレクションに通うようになったんですけど、理由はパリ、ミラノがちょっとつまんないと思えてきたからなんだよね。ミラノとパリは20年くらい毎シーズン行ってるけど、NYに行ってみたら、なんか単純に自由な気がしたんですよ、やってるひとたちがね。ミラノもパリも、ビッグメゾンの力を借りないと何にもおもしろいことはできない、みたいな雰囲気が蔓延してるような気がして、なんかつまんないな、と思って。 尾花 なるほど。 祐真 ただNYに行って感じるのは、最終的にはパリに才能のあるひとがいないと、ファッション業界全体としてはおもしろくならない、ってことかな。パリでバランスを取るひと、っていうか。パリで一番才能のある人間が何かをしないと、この業界は動かんな、とそう思いました。それはべつに、NYから行ってもいいんですけどね。 尾花 そうですよね。 祐真 パリって、一番環境が整っているからね、つくり手にとって。 尾花 僕、もともとアメリカベースの古着屋上がりなんで、昔、パリに行く前はNYコレクションのリサーチしてたんですよね。5年前くらいかな。そしたら何だろう、あまりの雑さ加減に嫌気がさしちゃったんですよね。作りはひどいし、演出は最悪だし、あ〜NYはないな、と思ったんでパリへ行ったんですが、でもそれからずいぶん経っていろいろなものも見えてきたら、ああいう粗っぽい感じもポジティブに見られるようになってきたんですよね。結局アメリカもの好きだし。パリに行く前は単純に「上を目指そう」しか考えていなかったけど、今、昔好きだった『ターゲット』だ、『JC ペニー』だ、『シアーズ』だっていう量販店を見ていると、すごいモチベーション上がるんですよね。もちろん、コレクションピースでは上を目指したい。でも別な部分では『ターゲット』とかで売られるような服も作りたいと切実に思うし、それが実現したらすごいことだと思うんですよね。 祐真 すごいと思うよ。すごいことだと思う。 尾花 実際はすごく難しいんですけどね。 祐真 昔、エディ・スリマンとNYで話してたときに彼が言ってたよ、「アメリカはユニフォームだ」って。 尾花 ああ。 祐真 「アメリカはユニフォーム作ればいいんだよ」って。で、イタリアはマッチョだから肌を露出させればいいって。で、「パリは一番難しい」ってずっと言ってたわけよ。あ〜、そうかもな、って思って聞いてたけど、確かにアメリカはユニフォームだよね。でもそれを作れるっていうのは、すごい、ある意味発明みたいなものじゃない? 尾花 確かにそうかもしれないですね。 祐真 万民に行きわたる、っていうさ〜。 尾花 今の日本で「万民にウケる」というのとはちょっとちがいますよね。 祐真 「安い」ってことだけが理由だとちょっとキツイよね。 尾花 アメリカで、たとえば軍に納入される商品っていうのは、技術力が理由で納入されるのか、はたまた何か別のアイデアなのか……。 祐真 軍用のTシャツみたいに、本当に機能的にできてたものが、そのまま広い市場に浸透していく、みたいなところがアメリカものにはあるでしょ? そういうのはおもしろいよね。 尾花 ですよね〜。 祐真 NY、楽しみですね。 尾花 夢はモリモリなんですけど、無計画もいいとこですよ、いま(笑)。 祐真 いや、まず夢がないと何にもできないからね。いいんじゃないの? ![]()
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