|
![]()
|
|
|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
MARGARET HOWELL|マーガレット・ハウエル キャンペーンフォトに見え隠れする 1枚の写真でそのブランドの世界観を伝えきらなければならない、キャンペーンビジュアル。その大役を委ねられるフォトグラファーという存在は、デザイナーにとって“もうひとりの自分”のようなものかもしれない。 そして、マーガレット・ハウエルはヴェネシア・スコットを選んだ。彼女たちがつくりあげたあたらしいシーズンのイメージは、どのようなものになったのだろうか。 文=細村剛太郎
ふたりの女性がつくりあげたものマーガレット・ハウエルのメンズウェアを語るとき、外せない視点が女性デザイナーによるコレクションであることだろう。メンズ用衣服の機能性、伝統的なつくりや仕立て……。'70年代にそれらの良さに気づいたのが彼女のクリエイションの淵源であり、マーガレット・ハウエルは女性としてそれらを服づくりにとり入れた先駆者といえる。![]() 彼女は、服づくりの根本的な考え方をこう表現している。 「個人的な価値観ですが、衣服をデザインする際のわたしの基準は、素材、機能、感覚的においてふさわしいか、ということです」 これらは考慮を重ねたのち、編集された手法で表現される。また「“品質”が数量や粋であることよりも重要」と言い切り、「私が衣服をデザインしたいと思っているひとたちは、流行を追った衣服を求めておらず、現代的なセンスにおいて“正しく”見せる衣服を求めている」と語る。これこそ、普遍性に満ちた服といわれる理由であろう。 メンズシャツを発表し脚光を浴びたことを契機に、その服は高い評価を得てきた。サヴィル・ロウに女性デザイナーとしてはじめてメンズのショップをオープンし、昨年は王立芸術協会より、英国のデザインにかんする表彰のなかで最高の栄誉であるRoyal Designer for Industryに選出された。それは彼女のいう“品質”や“正しさ”の証明にほかならない。 ![]() 今季は“原点回帰”がキーワードになっている。ブランドのアイコン的なフェアアイル柄や、アーガイル柄といった、英国伝統柄をポイントにして、無彩色を用いてコンテンポラリーに表現している。それを象徴するアイテムは5つある。 ハリスツイード素材などのクラシックな要素を軽くアンコン仕立てで表現したジャケット、バラクータ社とのコラボーレーションで生まれた「66レインコート」、吉田カバンとのコラボレーションバッグ、ゴアテックスを用いたスポーティなウエア、そして創業当初から用いつづける、フォックス ブラザース社やサヴィル クリフォード社などの英国伝統生地を使用したブリティシュテーラリングコレクションである。 ![]() そして今回特筆すべきが、そのキャンペーンビジュアルである。モノクロームでシンプルに表現されるその写真は、マーガレット・ハウエルの本質を直截的に印画紙に焼きつけている。撮影したのはスタイリストとしても活動し、マーガレット・ハウエルの服のことを熟知しているフォトグラファー、ヴェネシア・スコット。 ヴェネシアは、女性デザイナーであるマーガレットのつくるメンズ服を、さらに女性の視点で“切り撮って”いる。メンズ特有の硬直した発想から解き放たれた、ルールに縛られない柔軟なマーガレット・ハウエルの服の神髄を、ヴェネシアは女性目線で見事にすくいとっているのだ。まさにマーガレットの服づくりの原点を、ヴェネシアのカメラは振幅させている。被写体である服との距離感も近く感じられ、ふたりの信頼関係を表しているようである。 そこに気負いやてらいは何もない。あるのはマーガレット・ハウエルの服の存在感だけ。上質な服は普遍であると、写真が雄弁に語る。 ![]()
MARGARET HOWELL|キャンペーンビジュアルが伝える世界観
![]()
|
|