salvy;|2014年春夏コレクション
FASHION / MEN
2015年1月14日

salvy;|2014年春夏コレクション

salvy;|サヴィー

ブランド初となる春夏のコレクション

質感、色味、ディテールで織りなすシャツスタイル

数かずのメゾンブランドで手腕を振るった郷 裕一氏のデザインを、巧みなパターンメイクによって立体的なコンテンポラリーウェアとして具現化する「salvy;(サヴィー)」。自社工場ですべてのアイテムを生産し、2014年春夏から、ほぼすべての生地をオリジナルで制作している。今シーズンより、International Gallery BEAMS、URBAN RESEARCH、CIBONEなどの東京都内の店舗での展開がスタートし、海外有名店からもオファーが入るなど、注目を集めている。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

毎シーズン、ファブリックへのアプローチからはじめる

――2014年春夏コレクションのテーマ/コンセプトは?

シーズンテーマはとくに設定していませんが、「伝統的な技術や文化を根底とした日本人だからこそ表現できることの追求。ディテールの追求のみならず、いま求められている空気感を探求し、創造すること」をブランドコンセプトにコレクションを展開しています。

――今シーズンのルック撮影でこだわったポイントと、注目してほしいところは?

毎シーズン、ファブリックの開発からスタートしているのですが、今シーズンは限界まで打ち込んだ高密度ツイルや、200/2ツイルを製作しました。それらの生地がもつ独特の光沢感や色気を表現するために、自然光での撮影にこだわりました。

――スタイリング、シルエット、カラーなど、昨年の春夏コレクションとのちがいは?

春夏コレクションの発表は今シーズンがはじめてなんです。スタイリングでは、あたらしいシャツスタイルを提案しています。シルエットで言えば、サヴィーならではの独特なパターン構成でつくるワイドシルエットを、トラウザーとシャツで表現しています。

――今シーズンのキールック(コーディネイト)は?

リバーシブルで着られるダブルブレステッドジャケットのセットアップと、パジャマシャツとボタンダウンシャツをレイヤードしたルックです。

ダブルブレステッドジャケットは、表裏でデザインのちがいも楽しめます。また素材も「タイプライター・クロス(※)」を使用しているので、リバーシブル仕様ですがシャツのように軽く、二面性と機能性を兼ね揃えています。

パジャマシャツのルックは定番のボタンダウンシャツの上に、カットソー素材で作ったパジャマシャツを羽織るといった、ジャケットでのコーディネートとはまたちがった、軽やかで新鮮なレイヤードスタイルを提案しています。

※タイプライター・クロス:長繊維、細番手の高級綿糸で緻密に平織りした薄地の綿織物。タイプライターの印字用リボンに用いられていたことに由来する。

SALVY|2014春夏 01

SALVY|2014春夏 07

SALVY|2014春夏 13

キーカラーは“紺”と“橙”

――キーアイテムとキーカラーは?

キーアイテムは、さまざまなバリエーションで展開するシャツとパンツです。シャツは素材と加工で、パンツはパターンワークとシルエットにこだわって提案しています。
また、使用する素材によって細かくパターンを変化させながら毎シーズン展開しているボタンダウンシャツにも、注目していただきたいですね。一見シンプルですが、細かいテクニックやパターンワークにこだわっていて、ブランドを象徴するようなアイテムです。

ブランドとして、“日本古来の色を使ってどう現代的に表現するか”がつねに根底にあるのですが、今シーズンは紺と橙に注目しました。この2色をキーカラーに、伝統的な染色方法や革新的なテクニックを、さまざまなファブリックに織り交ぜて表現しています。

――今シーズンこだわった「素材」は?

限界まで打ち込んだ高密度ツイルと200/2ツイルです。高密度ツイルは、旧式の力織機でこれ以上打ち込みができないというくらい、限界まで高密度に織り上げています。しかし、そのままだとどうしても固い風合いになるので、微細起毛加工をしてソフトになるように仕上げています。この生地は一年ほど着込んでも生地が弱ることはなく、ある程度(2~3年くらい)着込んでいくことによって生地のもつ良さがどんどん増していくので、着るひとと一緒に作り上げていくことを前提に考えた素材です。

200/2ツイルは、高級ドレスシャツなどに使用される200番手の超細番手を双糸で織り上げているので、超細番手ならではのしなやかさと光沢感をあわせもち、最高の着心地を感じることができます。またブルーとネイビーは、インディゴ染料の性質をもった硫化染料で染めた「ハイドランジ加工」という特殊な染色加工をほどこしています。色はインディゴに非常に似ていますが、インディゴ染料のように早く色が落ちることはなく、じっくりと変化するので、インディゴとはまたちがった経年変化を楽しめるのが、この加工の特徴です。

――今、ファッションシーンで注目していることは?

ハイテク素材、クチュールテクニック、ソチオリンピック各国代表のユニフォーム、です。

――仕事/プライベートにかかわらず、2014年の個人的な目標を教えてください

パターンは出来ているので、今年の冬に着るコートを完成させることですね。

<主な取り扱い店>
BEAMS、URBAN RESEARCH、TODAY'S SPECIAL、HYPEBEAST STOREなど
詳細は下記ホームページより
http://salvy.jp/stockist/index.html

salvy;(サヴィー)
http://salvy.jp
info@salvy.jp

           
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