マセラティ ギブリに試乗|Maserati

ドイツ製スポーティサルーンの対抗馬、マセラティ ギブリに試乗|Maserati

特集|イタリアンラグジュアリースポーツ、マセラティの100年

Maserati Ghibli|マセラティ ギブリ

ドイツ製スポーティサルーンの対抗馬

マセラティ ギブリに試乗

2013年末に国内への導入が発表された、マセラティの新型ミドルサルーン「ギブリ」。すでに4ドアモデル「クアトロポルテ」を擁するマセラティが放つ、ひとまわり小さなスポーティサルーンはどのようなキャラクターか。大谷達也氏が、ハイパフォーマンスエンジンに4WDを組み合わせた「ギブリ S Q4」と、時間を置いて試乗したベーシックな「ギブリ」をあわせてインプレッション。

Text by OTANI TatsuyaPhotographs by ARAKAWA Masayuki

イタリア製らしい主張の強い高性能エンジン

いちおう「クアトロポルテ」の弟分という位置づけだが、全長5メートル、全幅2メートルのボディにはかなりの存在感がある。ロレンツォ・ラマチョッティが手がけたデザインは例によって抑揚が利いていて、リアフェンダー周辺の力強い張り出しはアスリートの筋肉をおもわせるものだから、“マセラティ馴れ”していない私はちょっと圧倒されてしまった。

中央に“三叉の槍”が飾られたフロントグリル、それにフロントフェンダーにレイアウトされた3つのエアアウトレットはマセラティの伝統に則ったもの。いっぽうで、エッジを効かせたシャープなデザインは、マセラティの最新デザイン言語に従ったものといえる。

最初に試乗した「ギブリ S Q4」は、マセラティとフェラーリがクアトロポルテ用のV8 3.8リッターをベースに共同開発したV6 3.0リッター直噴ツインターボエンジンを搭載しており、最高出力は410ps/5,500rpm、最大トルクは550Nm/1,750-5,000rpmを発揮する。

ややラフなまわり方といい、吹き上がりの鋭さといい、いかにもイタリア製高性能エンジンといった趣で、しかも自分の存在を強く主張するタイプのエンジンとみた。いっぽう、ギアボックスはZF製の8段ATを採用しているが、トルコン式とは思えないスピーディな変速が印象的だった。

硬めのサスペンションは機敏なハンドリングを実現しているものの、率直にいって、乗り心地はもう少し洗練されていたほうが好ましい。キャビンでエンジンのメカニカルノイズが耳につくのも、懐かしいと思ういっぽうで、現代のラグジュアリー スポーティサルーンの標準からするとやや大きめに感じられた。

インテリアの意匠はいかにもイタリアらしくてスタイリッシュだが、クオリティ面でコストダウンの影響が見え隠れしてしまっているのは残念。マセラティとしてはお買い得でも、1,000万円の高級車を買うオーナーの要求値はもう少し高いような気がする。