Aクラスファミリーの第5弾 CLAシューティングブレーク登場|Mercedes-Benz
Mercedes-Benz CLA Shooting Brake|メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク
Aクラスファミリーの第5弾
CLAシューティングブレーク登場
メルセデス・ベンツは、「Aクラス」ファミリー第5のモデルとなる「CLA シューティングブレーク」を発表した。ネーミングからもわかるように、このモデルは4ドアクーペ「CLA」の荷室を拡大しテールゲートを備えたデザインをもち、「CLSシューティングブレーク」につづくスポーツワゴンの第2弾としての役割も担っている。
Text by SAKURAI Kenichi
スタイルと実用性を両立
末尾にある「A」のアルファベットがしめすように、このモデルはAクラスファミリー、つまりメルセデス唯一のFFプラットフォームを使用したモデル。かねてより登場が噂されていた、FFプラットフォームを使用する第5のバリエーションとなる。
ネーミングにある「CLA」から4ドアクーペモデルの「CLAクラス」との関連を強く印象づけるが、ボディデザインやサイズなど実際にも多くの共通項がある。デザインもまさにそのひとつで、CLAをベースに、すでに販売されている「CLS」と「CLSシューティングブレーク」で培った手法を流用。ステーションワゴンと言えばまずは実用性を頭に思い描くが、スタイリッシュなフォルムからは、クーペライクなワゴンを見事に表現したと、評価できそうである。
ボディサイズは全長4,630×全幅1,777×全高1,435mmで、ホイールベースは2,699mm。ともに本国仕様の比較では、4ドアクーペ「CLA」と全長、全幅、ホイールベースは同一値だが、全高のみ「CLAシューティングブレーク」のほうが2mm高くなっている。
追加された大きなリアゲートは、バンパーレベルから開き、荷室への荷物の出し入れも余裕をもっておこなえそうだ。CLAシューティングブレーク最大の特徴ともいえる、ルーフから流れるように後方に移動しDピラーで収束する独特のラインは、先に登場したCLSシューティングブレーク譲りのデザイン。テールライトはCLAに準じたデザインとなっており、これもCLSとCLSシューティングブレークの関係とおなじだ。
しかし、こうしたクーペライクなデザインは、なにもスタイリッシュさを狙っただけのものではない。事実、Cd値は0.26と発表され、これは燃費性能にも大きく貢献する。機能性(空力的な数値)をもたらす、数字やパフォーマンスを支えるメルセデスらしいデザインが、そこにはあるということである。
Mercedes-Benz CLA Shooting Brake|メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク
Aクラスファミリーの第5弾
CLAシューティングブレーク登場 (2)
ワゴンボディ化がもたらすメリット
インテリアはCLAと共通。キャビンの広さも同一だが、唯一後席の頭上空間においてはリアウィンドウがDピラー以降の後端に移動したため、CLAよりも余裕あるものなっている。メルセデスの発表によれば、CLAにくらべ、頭上空間は40mmも余裕を確保しているという。あまり多く語られることはないものの、ステーションワゴンのメリットとして、リアの居住性の改善が挙げられるが、これは、その事実を物語った数値でもあろう。
じつは、ステーションワゴンの後部座席におけるゆとり感は、後部座席からリアウィンドウまでの距離が離れることによって生み出される。後席に座る人の頭部直後にガラス部分が位置するセダンやクーペのデザインにくらべ、リアウィンドウが大幅に後ろに下げられたステーションワゴンは、比較的圧迫感が少なくなるからだ。
また、ドアの上部開口面積が広がるために、おしなべてセダンよりも乗降性が良くなるのも付けくわえたいメリットである。頻繁にリアシートを使うひとであれば、そうした恩恵に預かれるケースは増えるだろう。ただしその反面、セダンでは当たり前のシートバック裏にあるトランクスペースとのバルクヘッド部分が実質的になくなるため、静音性や振動面で不利になることは否めない。
ルーフを伸ばしDピラーをくわえたことによって生み出された荷室スペースは、通常使用の場合、495リッターの容量を確保。最大積載時には、これが1,354リッターにまで拡大する。もしも5人乗車時でも、さらに多くの荷物を積み込みたい場合には、リアシートバックレストの角度を前寄りの「カーゴ」位置にかえれば、容量は100リッターアップの595リッターにまで広がる。
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Aクラスファミリーの第5弾
CLAシューティングブレーク登場 (3)
オレンジのアクセントがきわだつ専用カラーリングモデルも
欧州仕様の場合、パワートレーンはディーゼルエンジンが2タイプ、ガソリンエンジンが3タイプという設定だ。ディーゼルエンジンは、2.2リッターで100kW(136ps)の「CLA 200 CDI」、130kW(177ps)の「CLA 220 CDI」で、たいするガソリンエンジンは、1.6リッターで90kW(122ps)の「CLA 180」、115kW(156ps)の「CLA 200」、そして2リッターで155kW(211ps)を発生する「CLA 250」の3タイプ。CLA 250には4WDの4マチックもラインナップする。トランスミッションは、全車ともに7段デュアルクラッチの7G-DCTと組み合わせられる。
さらにこのCLAシューティングブレークには、より高性能な2リッター ターボエンジンを搭載した「CLA 45 AMG シューティングブレーク」も用意される。こちらは、「A 45 AMG」や「CLA 45 AMG」「GLA 45 AMG」と同様に、最高出力265kW(360ps)を発揮。AMGスピードシフトDCT 7段スポーツトランスミッションが組み合わされる。走行シチュエーションによって、3つのモードにくわえて、エンジンレスポンスやトランスミッションの変速速度を上げる、最強のスポーツモード「モメンタリーMモード」を備える点も、これまでの45 AMGシリーズと共通である。
ほかの45 AMGモデルと同様に、大型エアインテークを採用したフロントバンパーやサイドスカート、リアスポイラーなどを装備する。ホイールは標準仕様がチタングレーカラーの5ツインスポークデザインをもつ8J×18インチで、235/40R18サイズとの組み合わせとなるが、235/35R19サイズのタイヤと、9J×19インチサイズのホイールも選択可能である。
また、CLA 45 AMG シューティングブレーク専用モデルとして、フロントのグリルやホイールにオレンジ色のラインをあしらい、ルーフモールやサイドシルパネルを精悍なマットブラックのカラーリングに変更した「オレンジアート エディション」もラインナップする。インテリアも同様にブラックを基調としたカラーリングに、オレンジ色の差し色がはいるダイナミックなカラーコーディネートが特長だ。このモデルは、CLA 45 AMG シューティングブレーク発売記念として、CLA 45 AMGにも設定される予定だ。
欧州では、このトップモデルCLA 45 AMG シューティングブレークをはじめとするガソリンエンジン搭載車のデリバリーを、2015年3月より開始する予定。ディーゼルエンジン搭載車はこれよりも遅れ、2015年9月より市場投入するスケジュールである。